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空き家の売却、少し待って!活用を考える手順と成功事例で見えてくること

年々増え続ける日本の空き家。

総務省統計局が5年ごとに行う「住宅・土地統計調査」の最新の結果によると、空き家の総戸数は846万戸で全体の13.6%を占めています。

社会構造が変化し、核家族世帯が増えたことも要因の一つです。

親の世代の持ち家率は8割を超え、子の世代が都市部で結婚し別世帯を構える。親の持ち家を相続しても、通勤や生活の利便性から住むことはできずに放置されている空き家が増加しています。

これに対し、「空き家を活用しよう」という動きもまた高まっています。

自治体、民間企業、個人が空き家の活用に乗り出し、様々なアイデアやテクノロジーで空き家問題の解決へ向けて動いています。

今空き家をお持ちの方も

今後空き家を所有する可能性がある方も

これまでのように売却一択ではなく、「活用」を考えてみませんか。

この記事では、空き家の活用方法は具体的にどのようなものがあるのか。

また、それぞれのメリット・デメリットを細かく解説していきます。

さらに、全国各地の成功事例を踏まえてご紹介しておりますので、空き家を何とか活用できないかとお考えの方は是非最後までお読み頂き、参考にされて下さい。

空き家の活用を考える前に知っておくべき2つのこと

空き家の活用と一言でいっても、空き家そのものをサービスとして賃貸に出す方法もあれば、売却・買取もあるでしょう。賃貸にもアパート経営から民泊、シェアハウス、スペースレンタルなど色々。更地にして土地活用をするにしても、選択肢は多数あります。

空き家を活用するにあたって重要なことは、「活用をする前に所有している空き家と周辺地域に対するニーズをしっかりと分析すること」です。

後でご紹介しますが、この分析をせずに自分のやりたい気持ちだけでニーズの無いサービスを始めた結果失敗する事例も少なくありません。

空き家を活用すると収益が出ます。これは一つの事業。事業を行うのであれば、経費や初期投資が金額の大小こそあれ必ずかかります。失敗しないために事業が成功するかどうかを事前に分析して把握することが成功への鍵です。

ここでは、2つのポイントに絞って分析の仕方を解説していきます。経営やマーケティング理論を知らない方でも簡単に出来ますので、ご活用下さい。

≪3C分析によるニーズの把握≫

3C分析とは、ビジネスを始めるうえで自身のビジネスと市場との関係性を把握するためのマーケティング理論です。

ここでは分かりやすく、シェアハウス事業を行う場合について3C分析を活用するとどうなるかを例として解説します。

1⃣顧客・市場(Customer)

 ・自分のシェアハウスに、居住してくれる人はいるのか?

 ・立地条件は?

 ・顧客は欲しいものやニーズはどこにある?

2⃣ 競合(Competitor)

・近くに競合他社はいないのか?

・潜在競合はあるか?

 (シェアハウスだけでなく、安い単身用のアパートや学生寮などはあるか?)

3⃣自社(Company)

・競合他者と自分のシェアハウスとの差別化要素はどこにあるか

 (クオリティーなのか、値段なのか、ニッチさなのかetc,,,)

自分のシェアハウスにしかできない、魅力や利点、セールスポイントを明確にしておくことが重要です!

事業を始める前のリサーチ方法についてもっと詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください

「空き家活用収益化において成功/失敗のポイントと事例~分かれ目はどこにある?~」「活用方法を決定した後のリスクの洗い出し方」|空き家活用lab

≪収益性の計算方法≫

次に重要なことは収益性の計算です。つまり、経費を差し引いても利益をきちんと出すことができる事業モデルなのかを確認するということです。

経営論から考えると色々な計算式があるのですが、この記事の読者は経営を専門としている方の方が少ないと思います。でも、難しく考える必要はありません。

どの事業では、何にどの程度の経費がかかるのかを洗い出すことが大切です。ここでは3つのポイントに絞ってみていきましょう。

①利回り

空き家を活用する際にかかる初期費用(リフォーム代や修繕費など)に対する収益の年間の平均割合。初期投資があまりにもかかるリフォームや銀行から融資を受ける場合などは、しっかりと計算し、検討しましょう。

②限界収益

限界収益=売上ー変動費     

民泊で考えると、変動費は宿泊客を受け入れた場合の水道光熱費やクリーニング代などがあります。限界利益から、固定費(水道光熱費の基本料金や定額のネット通信費、空き家を維持するための固定資産税など)を引いた金額が利益になります。

単純に家賃や宿泊費を収益と考えないようにしましょう。

③収益タイプ

フロービジネスなのかストックビジネスなのか、収益タイプを把握しましょう。

フロービジネスとは、ほとんどのビジネスに当てはまるもので、顧客との関係性は継続的ではなく、都度サービスを提供して利益を上げていくタイプのことです。

一方ストックビジネスとは、いわゆる「会員ビジネス」のように、常連客や顧客を作り、継続してサービスを提供していくタイプのことです。

不動産で考えると、民泊のような数日~短期のサービスに応じて賃料を支払ってもらうものがフロービジネスで、シェアハウスやアパート経営のような家賃収入はストックビジネスといえます。

<次ページ:賃貸収入を得る活用例はどのようなものがあるか>

sakuya
この記事を書いた人
リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。 次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。