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相続「する」側の基本。空き家予備軍が最初に読むべき、実家の処分の税、管理など

「空き家が増えている」と耳にしたことはあっても、自分が空き家を所有したときどんな問題が起こるのかは意識していない人が多いのではないでしょうか。終活などで親の家をどうするか考えておかないと、親がいなくなったあと空き家を相続するのか、活用するのか、処分するのか悩むことになります。しかしながら、空き家を放置することはリスクでしかありません。建物は人が住まないと老朽化が加速します。また空き家を所有すると固定資産税や維持コスト・管理の手間などがかかります。処分するのも同様に費用がかかり、大きな負担となります。親がいなくなった後に空き家を相続する予定がある人、処分を考えている人に向けて空き家の問題点と解決策を紹介します。

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なぜ今、親が亡くなった後の問題を考えるのか?

親がいなくなった後、親の所有する物件をどうするかを考えたことがありますか。おそらくほとんどの人が意識していないでしょう。あるいは「親が生きているうちに死んだ後のことを考えるなんて…」と思うかもしれません。しかし事実として、物件の相続や処分を考えるのは早ければ早いほど良いと言えます。なぜなら親の死は想定外のタイミングで訪れるからです。

人の死は誰にも予測できません。まして高齢であれば、日ごろは元気な印象であっても突然亡くなってしまう場合もあります。家族が亡くなった後、すぐに相続や売却の話を進めるのは心理的な負担が大きいもの。特に、葬儀や相続は一生のうちに経験するのは1、2度。慣れない手続きが時間制限付きで押し寄せます。

さらに、所有者が家をどうするか意思を明確にしないまま亡くなってしまった場合には、身内の中で意見がまとまらないこともあるでしょう。

また、人が住まなくなった空き家は資産価値が急落します。人が住んでいれば毎日雨戸や窓を開けて換気を行い、給排水設備を使います。これらは生活において不可欠な行為ですが、家を良い状態で保つために必要なことでもあるのです。特に古い木造建築の場合は、人が住まなくなると家の傷みが急速に進み、資産価値も大きく減少してしまいます。

物件を売却するとすれば、親がいなくなる前に家族全員で話し合いを行なっておくことが大切です。そのためには、親から空き家を相続するとどのような問題が起こるのかを知っておきましょう。

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相続した場合の税金について

親が死んだ後に空き家を相続した場合に起こる問題として、固定資産税を支払う必要出てくることが挙げられます。固定資産税は課税標準によって異なりますが、およそどれくらいの金額がかかるのかを把握しておきましょう。

固定資産税

人が住んでいる住んでいないに関わらず、物件や土地を所有していれば必ず固定資産税がかかります。税額は市町村が決めた不動産の価値である「課税標準」×1.4%が一般的ですが、自治体によって税率が多少異なる場合があります。

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者のもとへ納税通知が届きます。

更地(建物のない状態)課税標準の1.4%
住宅1戸につき200㎡まで課税標準×1/6
住宅1戸につき200㎡を超える部分課税標準×1/3

例として、下記の条件でおおよその固定資産税を算出してみます。

例)
敷地の広さ:100㎡(30.25坪)建物の種別:戸建(1軒)
土地の課税標準額:1,000万円建物の課税標準額:500万円
1,000万円/100平米×200平米×1/6×1.4%=4.6万円
建物にかかる固定資産税は500万円×1.4%=7万円となり4.6万円+7万円=およそ11.6万円

敷地内に戸建が建っている場合であれば住宅用地の特例が適用され、固定資産税は最大1/6まで減額されます。

都市計画税

都市計画税は、空き家が「市街化区域内にある不動産」である場合に課税されます。都市計画税も固定資産税と同様に、敷地内に建物がある状態であれば住宅用地の特例の対象となり、最大1/3まで減額されます。

更地(建物のない状態)課税標準の0.3%
住宅1戸につき200㎡まで課税標準×1/3
住宅1戸につき200㎡を超える部分課税標準×2/3

特定空屋等に指定されると固定資産税が約6倍に?

住宅用地の特例は平成27年度以降「特定空家等」に指定されると適用されないこととなりました。住宅用地の特例が適用されている場合に固定資産税は最大1/6、都市計画税は最大1/3に減額されるため、これがなくなると固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍になるということです。

特定空家に指定されるのはどんな空き家でしょうか。「空家等対策特別措置法」の条文によると、特定空家等に指定される恐れのある空き家は以下のうちどれかに当てはまるものを指します。


  1. そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

出典:空家等対策特別措置法

実際には特定空家に指定された後で、「助言」、「指導」、「勧告」、「命令」、「代執行」の段階があり、「勧告」を受けた時点で住宅用地特例の対象から除外されます。

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sakuya
この記事を書いた人
リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。 次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。