空き家は、あまりにも古い家や耐震基準法の定まる前に建てられた家の場合、家があることで買い手が付くことが絶望的な場合もあります。
とはいえ、家を壊そうにも資金がなく、家の中の冷蔵庫や大型家具などの残置物の処分もできない…といった八方ふさがりの場合は、自治体に空き家に関する制度が無いか調べましょう。
空き家の解体は、こうした自治体の制度を利用することによって、費用を抑えて解体することができるのです。
ここからは、各自治体の事例を紹介します。
神奈川県の厚木市では、1986年の5月31日以前に建てられた、いわゆる旧耐震基準法で建てられた家で、老朽化が進み1年以上空き家になっている家など、諸条件に合致する空き家において、解体工事費用の二分の一(最大で50万円まで)を補助するとしています。
100万円の解体工事だとしても、50万円まで補助金がでるので、実質50万円で解体が可能です。厚木市に空き家がある場合は、是非一度条件をチェックしてみるとよいでしょう。
参照:https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/kurasi/jyuutaku_akiya/akiya/hojokin/d038090.html
東京都江東区では、空き家の建てられた年代によって、助成が出る場合があります。
旧耐震基準法時代の、1976年~1986年に着工した木造住宅を対象としており、除去に必要な費用の二分の一(助成限度額50万円)が助成されます。
さらに、建物を取り壊した後に新しい建物を建てる場合には、借入金利が一定期間引き下げとなる「住宅金融支援機構」の『フラット35 地域活性化型』も利用可能に。
もちろん、解体後に売却することもできますが、新しく家を建てる際にも利用しやすい助成といえるでしょう。
参照:https://www.city.koto.lg.jp/395104/machizukuri/kenchiku/kowasu/83146.html
東京都都市整備局がおこなう不燃化特区制度は、令和2年度までの取り組みではありますが、条件に合えば老朽化建築物除去費用の助成が受けられます。
しかもこの制度、老朽建築物除去費用の助成だけではなく、建て替えに伴う設計費などにも助成があるのです。さらに所有者が希望すれば、弁護士、税理士、不動産鑑定士、建築士なども派遣してもらえます。
もしも不燃化特区の認定地に空き家を所有する場合は、この制度を使わない手はありません。
参照:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/mokumitu/seido.html
ここまでは、特定空家としないための売却方法などを説明してきましたが、「特定空家」と認定されることで使うことができる制度があります。
もしも「特定空家」と認定されたら、こうした助成制度で乗り切るのもよいでしょう。
杉並区では、不燃化特区をのぞく区内全域で、特定空家または特定空家に準ずる不良住宅の除去費用を助成します。
しかもその助成率は80%と高く、空き家の所有者の負担はたった20%。
もちろん、助成限度額もありますが(150万円)、助成金の中でもトップクラスの補助額です。
諸条件はありますが、杉並区で空き家を所有している方は是非一度検討して見て下さい。
参照:https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/akiya/1028839.html
石川県では、空き家問題に精力的に取り組み、地域の関わり方ハンドブックと称して、空き家対策についてのパンフレットを制作するなどしています。
また、危険空き家除去事業もおこない、周辺の生活環境の保全を図るために、所有者が自らおこなう空き家の解体工事費用の一部にも補助金が。
補助額は、解体費用の二分の一(補助限度額 50万円)です。
参照:https://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/23603/1/20p_web0906.pdf
その他にも、空き家にはさまざまな助成や補助があります。
今回の記事では、空き家を売却するために空き家を取り壊すための助成にスポットをあて紹介しましたが、空き家を活用するための助成もさまざまな自治体で実施中です。
空き家の売却か、活用か、はたまた管理かを悩まれていらっしゃる方は、どうぞこちらの記事もご覧ください。
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