修学旅行民泊とはどんなものなのか、イメージが湧いてきたでしょうか。
修学旅行民泊で求められる民泊を先にご紹介したため、「ハードルが高い」、「難しそう」と感じられたかもしれません。
しかし修学旅行民泊のメリットは数多くあります。
ここでは、修学旅行民泊のメリットを具体的に解説します。
修学旅行で1学年のまとまった人数が地域を訪れれば、地域に経済効果が生まれます。
宿泊料や体験料の直接効果を得られる以外にも、お土産店や食事処に修学旅行生が集まったり交通機関を利用したりすることで、波及効果として地域経済が活性化されます。
修学旅行民泊では、地域特性を活かした体験や地域住民とのふれあいを通して、地域を深く知ってもらうことができます。
修学旅行生はホテルや旅館に宿泊した場合には見られないリアルな部分に触れることで、魅力を実感・発見することがあるでしょう。
地域の魅力を強くアピールできれば、彼らが大人になったときに移住・定住の選択肢となる可能性もあります。長期的な目線となりますが、将来の地域活性化につながるでしょう。
修学旅行民泊を受け入れると、普段若い世代と交流がない方でも必然的に交流が生まれます。体験や宿泊時のあり方、手伝いなどを通じて、学生が成長する姿を見ることができ、やりがいを感じられます。
日本では年々空き家が増加しています。特に地方では空き家の割合が高いものの人がいないために活用方法を見出せず、「売却しようとしてもなかなか売れない」といった状況が続きやすいのです。
空き家の管理が行きとどかず放置してしまうと、地域の景観を損ねることにつながってしまいます。荒れた空き家は管理されていないことがわかりやすため、ごみの不法投棄や不審者の侵入といったトラブルのもととなる場合もあります。
空き家を修学旅行民泊の宿泊先として活用すれば、こうしたトラブルを未然に防ぎつつ地域社会の振興に役立つでしょう。
仕事に時間と情熱を費やしてきた人ほど、引退後は自分のしたいことがわからなくなったり、生活のモチベーションを失ったりしやすいものです。
修学旅行民泊は、受け入れを通じて若い世代とコミュニケーションをとることで高齢者にやりがいや生活のハリを持ってもらえるといったメリットもあります。
ここまでお読みいただいた方は、修学旅行民泊が一般的な民泊と異なることがおわかりいただけたかと思います。
学習の一部である修学旅行の宿泊先となるからには、生徒の安全を預かり、思い出作りの場を提供するよう努めなければなりません。通常の民泊とは違い、修学旅行民泊の運営を個人で行うのは負担が大きく、現実的ではないでしょう。
また、学校は旅行会社を通じて宿泊先を手配するため、旅行会社と繋がりのある地域協会・観光協会等に加入し、協会を通じて受け入れるのが一般的です。
協会は体験や受け入れ方、衛生面などで講習や指導を行っていることがほとんどです。受け入れのガイドラインがあり、体験の行い方などもレクチャーしてくれるところが多いので、修学旅行生の受け入れを希望しているならまずお住まいの地域にある協会に相談してみましょう。
ここで、実際の修学旅行民泊を受け入れている観光協会を事例として見てみましょう。
鹿屋市観光協会では農村、山村、漁村に住む方を対象として、毎年平均4回修学旅行民泊の受け入れを仲介しています。協会は受け入れ民家や体験を実施する人に向けて下記のようなサポートを行なっています。
また、体験実施に伴い「体験(指導)料」を、実施した時間に応じて協会が支払います。支払い時期は受け入れ実施後一ヶ月〜一ヶ月半後を目安としています。