都道府県によっては、農家の高齢化対策、人口の減少、若者世代の就労支援等、空き家対策単体ではなく、組み合わせによる支援に力を入れている自治体も増えてきました。
イベントの開催を主力事業とする民間企業とタイアップし、都内や関東など人口の多い地域でUIJターン説明会を積極的に行い、移住や二拠点生活を含めた支援を行っています。
私自身、起業のため多数の自治体の説明会を訪れましたが、特に石川県や島根県、東北地方が力を入れている印象があります。
ここでは、島根県の各自治体が具体的にどのような支援制度を行っているかを、実際に調査した体験からご紹介していきます。
都市部でもそうですが、自治体の予算は少子高齢化によって逼迫しています。地方ではなおのこと。都道府県としてはUIJターンに力を入れていても、市区町村レベルでは十分な資金を確保できない自治体もあります。
島根県のユニークなところは、個人や家族でなるべく低予算で空き家などを活用した事業を始めたい人向けの支援が手厚い自治体。就労・就農などを含めた移住と定着の支援が手厚い自治体など、自治体によって支援の内容が大きく異なる点です。
例えば、ある自治体では空き家活用を推進するため、空き家の改修に関わる費用を最大400万円まで支援してくれます。空き家自体は所有者不明や、建物の老朽化が激しいものなので、格安または無料で提供。自治体としては解体や撤去に関わる費用を節約できる上に、労働者が移住してくれるため、長い目で見ると利益に繋がります。
また、ある自治体では地域で就労先を支援してくれる他、就労してくれたら100万円の助成金、新たに事業を始めて地域に雇用を生み出してくれた場合は300万円を支援するなど、雇用創出に力を入れています。
今、働き盛りの30~50代の世帯が移住をするケースが増えています。地方としては人口減少に歯止めをかけることができますし、移住する人は都市部ではできないゆっくりとした生活や豊かな自然の中で、自分らしい暮らしを手に入れることができます。
しかし、このような世代が移住をする際に大きな壁となるのが「お子さんの転校」。そこで、島根県のUIJターン説明会では、各地域の校長や教員など学校関係者も参加し、転校に伴う教育やお子様の悩みなどについても、事前に面談をしたり、学校見学が出来るようなサポート体制で臨んでいます。
都内を中心に関東近県から地域振興サポーターを雇用。1年~数年契約で島根県に住居と仕事を自治体が提供。サポーターは期間限定で移住体験をしながら、地域の問題点を洗い出し、事業として活用できないかを考えます。
例えば、農作物を荒らしてしまう猪などの害獣。自治体は猟師免許の取得支援や猟師に対し駆除の謝礼などの支援を行っていましたが、駆除した猪の活用はされていませんでした。
そこで、サポーターの提案を受け、地域の婦人会と協力して猪の皮を使った加工品販売やキャラクターづくり。猪肉を利用した缶詰の販売などの新規事業を始めました。
このように、地域に長く住んでいる人では分からない、その土地ならではの財産があります。他県から来たサポーターが、新しい視点でそれらを発掘することで、地域振興に繋がっています。
これまで取り上げてきた一般的な活用例や島根県の事例以外にも、全国各地で色々な取り組みが行われています。ここでは、弊社「空き家活用株式会社」のWebサイト『空き活Lab』で取り上げている空き家活用例をご紹介します。
千山庵(せんぜんあん)は、空き家となっていた古民家をリニューアルして作られた貸切宿泊施設です。千山庵は和歌山県湯浅町にあります。世界遺産である熊野古道が通る宿場町として栄えた町で、醤油発祥の地としても知られています。
白壁の土蔵や格子戸など、醤油醸造の伝統を残す家屋が多くが残るエリアは文部科学省から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
千山庵の代表は上野真歳さん。ご実家では、船を使ったビジネスを行なっていた曽祖父からの流れを受け継ぎ、鮮魚店や海産物の物流事業などを営んでいました。
しかし「時代の変化に合わせてビジネスモデルを転換しなければならない」と感じ、地元の特産品であるみかんのEC販売事業をスタートします。
そんな中、湯浅町の自治体は空き家活用するプランを構想していました。上野さんはゲストハウスなどの事例を提示し、活用プランを提案します。結果、補助金などのサポートを受けられることとなり、事業の一環として空き家を活用することにしました。
千山庵の始まりや具体的施策など、成功までの軌跡を詳しく知りたい方は以下をお読みください↓
「【空き家×民泊の成功事例】千山庵に見る古民家ホテル成功の秘訣」|空き家活用lab
都内でも空き家に対し撤去や改修のための助成金を支援している自治体があります。また、地方では空き家対策だけでなく人口減少や農家の高齢化対策も含めた幅広い助成金制度を用意して支援しています。
各地の最新情報を知りたい方はこちらをご覧ください↓
「東京・地方の空き家活用施策事例紹介 自治体の制度を利用した賢い空き家対策とは」|空き家活用lab
日本の空き家問題を鑑みて、様々な企業や個人がテクノロジーとアイデアを駆使して解決に乗り出しています。
例えば、売却しても資産価値がつかなそうな不動産や将来的に居住したいけれど、今は住む必要がないオーナーと、DIYを含めて安価で空き家を利活用したい個人や企業を繋ぐ「カリアゲ」というサービスがあります。
6年間という期間限定ですが、相場より安い賃料で借りることができ、修繕を含めてDIYやリノベーションは自由。貸借期間が終了したら原状復帰する必要がなく退去できます。
オーナーは6年間賃料収入を得ながら、修繕も含めたリノベーションを借主が施してくれて、6年後は自身のものとして利活用することができるというWinWinのサービスです。
他にも様々なアイデアを駆使したサービスを提供している企業があります。以下の記事で詳しくご紹介していますので、興味がある方はこちらをご覧ください↓
「空き家を活用した民泊ビジネスは崩壊!?コロナ禍を打開する策を公開」|空き家活用lab
年々増加する空き家。
地方では8割を超える持ち家率から、相続に伴って戸建ての空き家が増加。
都市部でも開発が継続されており、人口に対して総戸数が増えることでマンションやアパートなどを中心に空き家が増加しています。
今まさに空き家を所有している方も
今後空き家のことを考えなければいけない方も
処分や売却の前に活用を考えてみませんか。
空き家を放置しているだけでは、固定資産税や保険など費用が出ていくばかり。
現在、日本では空き家問題を解決するために、自治体・民間・個人レベルで様々なサービスが提供されています。
放置していればリスクやデメリットの多い空き家も、活用をすることで固定資産税などをまかなって余りある収益を上げることも可能です。
ただ、一言で空き家の活用といっても、失敗しないためには所有する空き家や周辺地域のニーズをしっかりとリサーチする必要があります。また、ご自身は都市部に住まれている場合、地方の空き家を活用するのは難しいという方もいると思います。
弊社「空き家活用株式会社」では、空き家を活用したい企業様、個人と空き家のオーナーを繋ぐサービスを提供しています。一般的な不動産会社と違い、空き家を専門として独自のノウハウで収集したデータがあり、必要な方に最新のデータを提供することが可能です。
空き家をお持ちで活用に悩まれているオーナー様。
空き家を活用したい企業様・個人のお客様にも、お話を伺って最適なご提案をさせて頂きますので、お気軽に以下よりお問い合わせください。
(了)
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<「空き家」にお困りの方も、「空き家」に興味が湧いた皆さまへ>
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そう、「空き家」は【埋蔵不動産】です。お持ちの「未活用不動産」でお悩みの方も、不動産を探されている方も。価値があふれる【埋蔵不動産】として、処理や活用をともに考えてみませんか? まずはご状況、ご要望を整理させていただきます。お問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://aki-katsu.co.jp/contact/
※私どもは不動産会社でも建築業でもございません。
「未活用物件」「空き家」の情報を自治体さまとの連携などもしながら収集し、関わる方のお悩みに相談する窓口としての専門会社です。
https://aki-katsu.co.jp/
お問い合わせフォーム:https://aki-katsu.co.jp/contact/
※私どもは不動産会社でも建築業でもございません。「未活用物件」「空き家」の情報を自治体さまとの連携などもしながら収集し、関わる方のお悩みに相談する窓口としての専門会社です。