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地方の中古マンションやアパートはどうするのが一番お得?問題点と活用方法

地方の中古マンションやアパートならではの問題点

ここからは地方の中古マンションやアパートならではの問題点について細かくみていきます。

空室の増加による修繕積立金の負担が増加

分譲マンションは、住宅の支払いが終わっていても税金と管理費を支払う必要があります。管理費の中で最も高額なのが「大規模修繕のための修繕積立金」。

構造にもよりますが10年に一度修繕工事が必要ですし、毎月の管理費とは別なので、家庭環境の変化や通勤の便により空室が増えると、住民一世帯あたりの負担は増加するので注意が必要です。

怠らずにメンテナンスをすることで中古マンションの資産価値を守る意味合いもあります。しかし、この修繕積立金は築年数が長いほど建物の老朽化も激しいので、高くなる傾向があります。

地方ではグランドデザインが破綻

地方では、高齢化が進んでいる地域も多くあります。そういった地域では自治体をあげて、若い世代のUIターンの支援に積極的なところもありますが、財政が逼迫し交通網も制限されるところも少なくありません。

車社会で高齢化が進むと、バスの停留所や駅周辺以外の商業施設は撤退を余儀なくされ、マンションやアパートの新築時のグランドデザインが破綻し、それが資産価値の低下にも直結します。

リノベーションはメリットだけとは限らない?

地方の中古マンションは売却を検討する方が多いと思います。少しでも見栄えを良くするため、リノベーション(リフォーム)を入れた方がいいかなと思ったあなた!

ちょっと待ってください!
そのリノベーション、出費しただけで無駄になってしまう場合があります。

リノベーションがメリットに働くケース

①クロス

中古マンションにおいて、クロスの貼替がメリットになるのは、「汚れている部分があるから綺麗にする場合のみ」です。クロスは素材にもよりますが、家具などによる焼けや喫煙、経年による汚れ、部分はがれやペットによるキズなどが目立つ部分です。

古い物件によってはクロスではなく、漆喰や土壁のところもあるかもしれませんが、綺麗にするという観点であればメリットになります。

②フローリング

フローリングは状態によって貼替までいかなくても、修繕とクリーニングで十分な場合もあります。ただし、クロスと同様に生活の痕跡が強く残る部分なので、綺麗にするという観点でのリノベーションは効果的です。

リノベーションがデメリットに働くケース

①キッチン

意外に思われるかもしれませんが、キッチンのリノベーションはプラスになりません。水回りの清潔さは印象をよくするため、クリーニングを入れることは大切ですが、使い勝手という点では購入者がリノベーションを入れた方が良いからです。

②内装

内装もキッチンと同様、綺麗にするという点で貼替ることは重要ですが、購入者が入居後に自由に改装する可能性が高いので、「元通り」にする以上のリノベーションは結果的に損をします。

不動産を売却する際の流れを分かりやすく解説

老朽化と価格の下落、利便性から売却を強く勧められることが多い地方の中古マンション。実際には売却か住む以外の選択肢もありますが、不動産会社に勧められたから、「売却」の方がいいだろうと考えるのは早計です。

まずは実際に売却する場合の流れをシミュレーションに沿って見てみましょう。

個人に対する売却シミュレーション

「仲介」といって、個人を対象として不動産会社に仲介してもらい売却する方法です。買主は個人になるのでクリーニングや原状回復のリノベーションを入れる必要はありますが、不動産会社に売るより高く売れるメリットがあります。ただし、買替など売却時期に期限がある場合は、最低でも数か月かかるこの方法はデメリットにもなります。

①相場を調べる
↓←リノベーションを入れるのであればここまでに済ませておく
②複数の不動産会社に査定してもらう

③媒介契約を結ぶ

④売却活動

⑤売買契約を結ぶ

不動産会社に対する売却シミュレーション

「買取」といって、不動産会社に直接売却する方法です。不動産会社は買い取った後にリノベーションを入れて一新し、自社の物件として販売をします。相手が不動産会社なので、売買契約に関わる書類など煩雑な手続きをしてもらえるメリットはありますが、リノベーションありきなので買取価格をかなり引き下げられてしまうというデメリットが大きいです。

①相場を調べる

②複数の不動産会社に査定してもらう

③売買契約を結ぶ

「仲介業者は熱心に販売活動をしてくれる」は大間違い?!

媒介契約のイロハ

不動産を売却する際、売却活動を行って買主と売買契約を締結してくれる不動産会社との契約を「媒介契約」と言います。媒介契約には「一般」「専任」「専任専属」があり、それぞれ以下のような違いがあります

  • ①一般媒介  ・・・複数社と媒介契約を結ぶので競ってもらうことがで
              きます。「仲介手数料は売買契約を締結した不動
              産会社」
    に支払うことになります。
  • ②専任媒介  ・・・1社と媒介契約を結び売却活動をしてもらいます
  • ③専任専属媒介・・・1社と媒介契約を結び、売却活動をしてもらいます
              正し、売主が個人で買主を探すこともできません。

複数の会社が競って売却活動をしてくれるので、売主にとっては「一般」が一番いいのですが、実は一般により売買契約の締結までいっているのは全体の35%しかありません。

実はここに落とし穴があります!

不動産会社としてはせっかく頑張っても他社が先に売買契約を締結してしまったら、仲介手数料は1円ももらえません。専任・専任専属にしてもらえば、仲介手数料というゴールは確約されているので、一般媒介契約があること自体を説明すらしない会社が多いのです。仲介業者が熱心に販売活動をしてくれるかは「 専任・専任専属媒介」か「一般媒介」の契約で大きく変わってくるかもしれません。

<次ページ:住むor売却の二択は古い?「活用」という第三の選択>

sakuya
この記事を書いた人
リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。 次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。