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アパートとは何か?その意味とマンションとの違いを徹底解説!借り手の心理を知ってアパートを再建

アパートとは何でしょうか?

また、アパートとマンションの明確な違いを知っていますか?

漠然としたイメージはあっても、この質問にはっきりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

この記事ではアパートとは何か。具体的な定義やマンションとの違いを徹底解説!さらに、アパート・マンションをお探しの方にはそれぞれに向いている人はどんな人かを、具体例を交えながらご紹介。

現代の新しい「住まいの探し方」についても詳しくご紹介します。

アパートやマンションを貸したい方にも、探す人の目線は参考になりますので、最後までお読み頂ければ幸いです。

アパートの明確な定義とは?意味や違いについて

アパート、マンション、コーポ、フラッツ・・・共同住宅には実に様々な名前があります。

見た目がアパートのように見えても名前に「マンション」とついていたり、頑丈そうな造りなのにアパートのような名前がついている場合も?!

実はアパートとマンションを決める明確な定義は存在しません。

では、アパートやマンションにこだわって物件を探すとき、どのように探したらいいのか?それぞれの名前の違いや、不動産業界での認識などを解説していきます。 

アパートの本来の意味

アパートは英語ですが、「apart」本来の意味は「離れて」という意味で、不動産とは全く関係のない単語です。日本語の「アパート」と同じ意味合いで使われているのが「apartment house(アパートメントハウス)」もしくは「flats(フラッツ)」。しかしながら、こちらは日本のマンションのような大規模な集合住宅を指す言葉です。

マンションの本来の意味

「mansion」は、英語で不動産の物件を指しますが、物件の規模は「大邸宅」。日本で言うならば「お屋敷」に近いイメージです。なお、賃貸ではなく分譲マンションで日本と同程度の規模の場合は「condominium(コンドミニアム)」が近いイメージになります。

間違った使われ方と、不動産業界の広告により、皆さんがお持ちのイメージが生まれました。

アパートやマンションによく使われる名称

豆知識のような感じになりますが、日本の集合住宅によく使われる名称の原語と本来の意味をリストアップしてみました。

<アパートによく使われる名称>

  • コーポ(和製英語)=cooperative house(共同住宅)※実際の英語にはありません。
  • カーサ(イタリア・スペイン語)=家
  • メゾン(フランス語)=家、住宅

<マンションによく使われる名称>

  • コート(英語)=中庭
  • ガーデン(英語)=庭
  • キャッスル(英語)=城
  • レジデンス(英語)=大邸宅、高級住宅
  • パレス(英語)=宮殿

これらは、日本ではよく目にする名前ですが、海外ではあまり使われません。海外ではマンションのような共同住宅ではなく、広い平屋の戸建てがメインであることも理由にあります。また、よく使われる名称の差は、借り手や買い手のイメージをよくするために使われています。

似たようなアパートでも企業により名前が異なる?!

見た目は作りが似ている物件でも、販売を請け負う会社によってアパートのような印象を受ける名称もあれば、マンションのようなイメージが浮かぶ名称の物件もあります。なぜこのようなことが起こるのか。名称を決める不動産業界の裏側を見てみましょう。

アパートかマンションかは書類に載らない?!

不動産を購入、建築すると「不動産登記簿謄本」や「登記事項証明書」といった書類に所有者として提出をし、登録をすることになります。不動産登記簿謄本と登記事項証明書は名称が異なりますが、同じ意味合いをもつ書類になります。

これらに掲載される情報は、次のようなものになります。

  • 構造
  • 階建て
  • 面積
  • 住所
  • 所有者
  • 担保権者

ご覧頂いてわかる通り、「アパートかマンションか」といった物件種別は記載されません。これは先に触れたとおり、明確な定義が無いからです。

では、不動産会社はどのようにして、アパートかマンションかを区別しているのでしょう。

企業によって区分の条件は様々

結論から伝えますと、「企業による」ということです。

最も一般的なのは、「造り」もしくは「階建て」によって区分している企業です。

「造り」で分けている企業は、

  • アパート→木造、プレハブ造など
  • マンション→鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などで区分しています。

「階建て」で分けている企業は、

  • アパート→2階建て
  • マンション→3階建て以上としているところが多いです。       

上記はあくまで例ではありますが、販売・仲介をする不動産会社の多くがこういった分け方をしているため、皆さんのイメージと近いのはそういった背景があるからです。

「管理面」から見たアパートとマンションの違い

ここまで解説してきた「造り」や「階建て」の他に、「管理面」にも大きな違いがあります。ここでは、その点を中心に解説していきます。

分譲アパートはない?と不思議に思ったことはありませんか?

マンションには賃貸マンションと分譲マンションがあるのに、アパートは賃貸のみ。分譲アパートがないことを不思議に思ったことがあるのは私だけではないはず。その理由はずばり「利益」の問題です。

いくら木造で住宅設備を最小限にしたとしても、建物を一棟建てると数千万円はかかります。近年人気が再燃している鉄筋コンクリート造のメゾネットタイプのマンションになると、10戸以下でも1億円はかかります。

個人の資産家が投資目的で建てるにしろ、企業が建てるにしろ、当然「賃貸」もしくは「分譲」の形で利益が出るようにしなければなりません。日本は国の面積が世界的に見ても大きくはないので、立地にもよりますが土地が高い傾向があります。

同じ値段、同じ広さの土地に建てるのであれば、老朽化が進み、空室の危険性があるアパートを建てるより、階建てを増して頑健な物件を建てる方が、一戸あたりの賃貸料も抑えることができます。

アパートは定期的な修繕の費用を考えても、階建てによる戸数制限を考えても、採算が合わないことが、分譲アパートが存在しない理由です。

管理会社・管理組合がないアパート

マンションは賃貸にしても、分譲にしても管理会社ないし管理組合をおかなければなりません。管理費を毎月徴収されるわけですが、管理してくれる人がいるおかげで、清掃や修繕などを行うことができ、清潔で景観を害さず、資産価値を保つことができます。

一方アパートは、管理会社を置かなければならない決まりがないため、大抵は所有者が管理人となるか、管理人を雇う形で運営をしています。このため、清掃などが行き届かない場合が多く、住民がゴミの出し方などのルールを守り、高い意識で暮らさないと、景観・防犯・資産価値等の点においてデメリットが大きいです。

老朽化が激しいアパート

前項の管理とも関係しますが、特に木造のアパートの場合は老朽化が激しくなります。資産価値の基準にもなる「造り」から見ても、減価償却は以下のようになっています。

  • プレハブ造     19年
  • 木造        22年
  • 鉄骨造       34年
  • 鉄筋コンクリート造 47年

木造と鉄筋コンクリート造では、2倍以上耐用年数が変わってきます。勿論これはひとつの目安であって、実際の建物の耐用年数は素材や立地、住み方、管理によっても大きく変わってはきますが、木造アパートの老朽化がマンションよりも早く進むのは確かです。

借り手から考える
「アパート向きの人」と「マンション向きの人」

アパートとマンションの違いは、不動産会社が決めていて具体的な定義が無いことはお伝えしてきました。ここからは、前項でご紹介した不動産業界で使われている区分を中心に、アパートマンションの違いから、どのような人が向いているのかをそれぞれ解説していきます。

アパートの特徴と向いている人

①一般的にアパートの方が家賃が安い

アパートに分譲はないことはご紹介しましたので、「賃貸」に絞って考えてみると、概ねアパートの方が家賃が安い傾向があります。家賃を抑えて趣味などにお金を使いたい方や、分譲マンションを購入するための貯蓄をしたい方はアパートが向いているといえます。

②ご近所の顔が見えるお付き合いがしたい

特に都心部では隣近所のご挨拶もなくなっているので、誰が住んでいるかも分からず、騒音などのご近所トラブルが起きやすくなっています。また、マンションは管理会社が入っているため、清掃なども業者が行ってくれるので、ご近所づきあいがより減少しています。

隣近所やアパートの住民と交流をしたい方や、顔が見えるお付き合いがしたい方にはアパートがおすすめです。

マンションの特徴と向いている人

①ランクの高い住宅設備

特に築年数が長い木造アパートに多いですが、洗濯機が外に配置しなければならなかったり、浴室が共用といった物件もありますが、マンションにはこういった物件はほぼありません。

また、浴室乾燥やビルトインタイプの食洗機、洗濯物を室内で干せるなど、マンションの方が住宅設備のランクが高い物件が多いです。家事などにかける時間を短縮したり、綺麗に生活をしたい方はマンションの方が向いています。

②高いセキュリティ(防犯設備)

一人暮らしで不安になるのが「防犯」。オートロックやシャッターなど防犯設備が整っているのもマンションの特徴です。また、階建てでアパートとマンションを区分している場合はマンションは3階建て以上になるので、侵入を心配したときに高い階層を選択できるのも魅力の一つ。

③ご近所づきあいは少なめに、静かに暮らしたい

地方ではアパートでも静かに暮らすことができる場合もありますが、「造り」で区分した場合木造のアパートは隣近所の音がかなり気になるところ。現代はSNS時代。個人で録画や録音をしたものを投稿する人も多いので、防音性に優れた物件に住みたい方はマンションが適しています。

また、ご近所づきあいは極力少なくして、プライバシーを守りたい方にもマンションがおすすめです。特に高級マンションは二重のオートロックやエレベーターもキーカードを持っていないと使えないなど、ハイセキュリティな物件が数多くあります。

名称にこだわらない現代の住まいの探し方

私は古い人間なので、一人暮らしをする際にアパートよりマンションを探してしまいますが、若者の世代では物件の探し方に新しい傾向が見られます。

「暮らし方」をベースに物件を探す

シェアハウスという言葉が当たり前になって久しいですが、現在の住まいを探す基準として「自分らしく暮らせるかどうか」が重要になっています。

こういった流れに対して、アパートやマンションにも変化が起きており、いわゆるアパートらしい建物やマンションらしい建物ではなく、境目が曖昧になってきています。

借り手にとっては選択肢が増えており、「これだけは外せない」という条件に合った物件を探せるようになっています。

築浅の最新アパートの特徴

古くからあるアパートをリノベーションしたものではなく、比較的新しい築浅のアパートでは、オートロック完備や防音を施している物件が増えてきています。同様の設備があるマンションと比べるとアパートの方が安くなりますので、物件選びの条件として防犯が外せない方は築浅のアパートを探してみると、ぴったりの物件に出会える確率があがります。

管理組合が活発なマンション

一方、マンションでも資産価値を落とさないための工夫として、管理組合の活動が活発なマンションがあります。主に分譲マンションがこの傾向が強いものの、賃貸マンションでも管理会社が色々な取り組みをしているところがあります。

例えば、地域のお祭りにマンションとして出店をしたり、マンションの敷地内でフリーマーケットを開催し、地域の人達も参加できるなど、地域に密着したマンションづくりという流れが出てきています。

安全のためにマンションに住みたいけれど、人との繋がりも保ちたいという方はこういったマンションを探されるといいでしょう。

増加しているアパートの空き家!その原因と再建方法

ここまでは、アパートとマンションの違いやどういった物件が誰に向いているかといった借り手の目線で解説をしてきました。ここからは、アパートの空き家をお持ちの方の目線で、空き家の原因と対策について触れていきます。

なぜアパートの空き家が今増えているのか

アパートの空き家が増えている原因は様々ありますが、主なものが以下になります。

  1. 人口に対する過剰な供給
  2. 建物の老朽化
  3. 親世代から相続したアパートをどうすればよいか分からず放置
  4. 社会情勢が変化し周辺環境が変わる中で、立地・間取りなどがマッチしていない。

アパート空き家の再建方法は「地域」によって変わってくる

アパート空き家の再建は楽ではありません。リノベーションを入れるなど方法はありますが、周辺環境に「賃貸需要」があるかどうかで大きく結果が変わってくるからです。

従って、都市部などの賃貸需要がある地域では、リノベーションをして防犯設備や間取りの変更など、借り手にとって魅力となるポイントを作ることが再建のカギとなります。

また、地方では個人の賃貸需要にマッチさせるのではなく、高齢者のための住宅などに一新することが再建のカギとなります。

リノベーションによる中古物件の収益化については、以下に詳しい情報を掲載していますので、ご覧ください。

空き家となった中古物件の収益化は可能か?成功事例と効果的なリノベーションをご紹介

アパート空き家を探している方は弊社にご相談を!

この記事では、アパートとはそもそも何か、マンションとの違いを中心に解説。

また、それぞれの違いからどういった人に向いている物件なのかをご紹介してきました。

少子高齢化が急激に進む中で、周辺環境が大きく変わり、地域の需要に合わない物件は空き家となって放置されているのが現状です。

さらに、若者の世代では物件の選び方や求める機能も変化しており、新築のアパートはマンションと区別がつきにくい、高いセキュリティを完備した物件も増えています。

こうした築浅の最新アパートに対して、老朽化が進んだ中古物件の再建もまた地域の課題となっています。

弊社ではそういったアパート空き家をお持ちの方に対して、個々のケースに合わせて活用のためのご相談を受けつけております。

また、そういった物件を活用したい企業様に向けても、求める条件に最適な物件を、独自の方法で収集した情報の中からご提案させて頂いております。

是非、お気軽にお問い合わせください。

sakuya
この記事を書いた人
リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。 次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。