ローンに組み込める費用/組み込めない費用:諸費用・修繕・登記

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空き家の購入や住み直し、相続後の再生で資金計画を立てるとき、見落としやすいのが「物件代金以外に出ていくお金」です。実際には、仲介手数料、融資手数料、登記費用、保険料、修繕費などが重なり、住宅取得の諸費用は物件価格の一定割合になることもあります。

ただし、これらがすべて同じようにローンへ入れられるわけではありません。住宅金融支援機構の案内では、建設費や購入価額だけでなく、一定の諸費用や工事費も借入対象になる例が示されていますが、民間金融機関では対象範囲が商品ごとに違います。大切なのは、「本体費用」「組み込みやすい諸費用」「別払いになりやすい費用」を最初に分けて考えることです。

まず押さえたい結論

結論から言うと、ローンへ入れられるかどうかは「住宅取得や対象工事に直接結び付くか」「契約書や見積書で金額が確認できるか」「その金融機関の商品が対象としているか」で決まります。物件代金や工事費だけでなく、登記費用、融資手数料、印紙代、火災保険料などまで対象にできる商品もあります。

一方で、置くだけの家具家電、引っ越し代、仮住まい費用、生活費、他の借入返済などは別払いになりやすく、同じ「家に関係する支出」でも扱いが分かれます。空き家の再生では、見積に載せた工事後から思いつく追加支出を混ぜないことが重要です。

区分 組み込みやすい費用 別払いになりやすい費用
本体 建物の購入代金、土地取得費、請負金額、リフォーム工事費 投資用目的の購入資金、住宅と無関係な出費
工事まわり 外構、地盤改良、取壊し、水道引込、据付工事を伴う設備 未契約の追加工事、置くだけの家具家電
諸費用 仲介手数料、融資手数料、印紙代、火災保険料、登記費用 引っ越し代、仮住まい費、生活費、予備費
登記 所有権移転・保存、抵当権設定に伴う費用 今回の取得と直接結び付かない相続登記費用など

ローンに組み込みやすい費用

住宅金融支援機構の案内では、住宅の建設費・購入価額に加えて、確認書類で金額が確認できる費用は借入対象になる例が示されています。空き家を買って直す場面では、次の費用は比較的検討しやすい項目です。

  • 建物の購入代金、土地取得費、請負契約書に載る工事費
  • 中古住宅の購入とあわせて行うリフォーム工事費
  • 外構工事、整地、造成、地盤調査、地盤改良、既存家屋の取壊し費用
  • 水道管・下水道管の引込み、水道負担金、浄化槽設置費用
  • 設計費、工事監理費、検査費用、住宅診断や耐震診断に関する費用
  • 仲介手数料、融資手数料、印紙代、火災保険料、地震保険料
  • 司法書士報酬、土地家屋調査士報酬、登録免許税などの登記費用

また、フラット35の案内では、カーテン、エアコン、照明器具などでも、請負金額や売買金額に含まれているものは対象になり得ると整理されています。つまり、同じ設備でも「あとで家電量販店で買う」のか「契約済み工事や売買条件の中に入っている」のかで扱いが変わることがあります。

さらに、中古住宅購入とリフォームを組み合わせる商品では、購入価額と工事費の合計を前提に借入額を考えられる場合があります。空き家をそのまま住める状態に戻す必要があるなら、本体価格だけでなく、工事費を同時に見積に入れておくほうが資金計画は立てやすくなります。

別払いになりやすい費用

反対に、住宅取得と関係がありそうに見えても、ローンに入りにくい費用があります。空き家の再生で特に見落としやすいのは次のような項目です。

  • 引っ越し代、仮住まい費用、荷物保管費用
  • 置くだけの家具、家電、カーテン類の後買い分
  • 生活費、車の費用、教育費など住宅取得と無関係な支出
  • 見積や契約に入っていない追加工事、予備費
  • 既存の消費者ローンやカードローンの返済資金

また、税金も注意が必要です。登記時に必要な登録免許税のように、ローン関連の費用として扱えることがあるものもあれば、不動産取得税や固定資産税の精算金のように、後から別に資金を用意したほうが安全なものもあります。金融機関ごとに取扱いが分かれるため、最初から「全部入る前提」で動かないほうが失敗しにくいです。

空き家特有の注意点として、相続登記が未了のまま残っている物件では、その登記費用が今回の住宅取得ローンと別の話になりやすい点があります。購入に伴う所有権移転や抵当権設定の費用と、過去の名義整理の費用は分けて考えたほうが混乱を防げます。

諸費用・登記費用の見方

「登記費用」と一口に言っても、中身は一つではありません。大きく分けると、税金として払うお金専門家へ依頼するお金があります。

費用名 内容 見ておくポイント
登録免許税 所有権保存、所有権移転、抵当権設定などの登記にかかる税金 住宅用家屋には軽減措置が設けられる時期があるため、申請時点の国税庁情報を確認
司法書士報酬 権利の登記手続を依頼したときの報酬 報酬額は一律ではなく、依頼前に見積を確認
土地家屋調査士報酬 表示に関する登記や測量が必要な場合の費用 建物表題登記や境界関係の有無で増減
融資手数料・保証料 住宅ローンの契約時にかかる費用 定額型か定率型かで総額が変わる
印紙代 売買契約書、請負契約書、金銭消費貸借契約書などに関する費用 契約書の種類や方法で違いが出る

国税庁の案内では、住宅用家屋の所有権保存・移転や住宅取得資金に係る抵当権設定には軽減税率が用意される時期があります。ただし、床面積や自己居住、登記時期などの要件があるため、税率だけを見て判断せず、登記申請時点の条件まで確認することが大切です。

また、日本司法書士会連合会では、司法書士の報酬は各司法書士が自由に定め、依頼者との合意で決まると案内しています。つまり、登記費用は「税金だから一律」ではなく、税額+専門家報酬+必要書類の取得費用の合計で考える必要があります。

修繕費を組み込むときの注意点

空き家の再生では、修繕費の扱いが最もずれやすいところです。結論としては、工事内容が固まり、見積や契約で金額が確認できるものほど組み込みやすいと考えると整理しやすくなります。

  • 屋根・外壁・水回り・内装など、見積済みの工事は対象にしやすい
  • 工事内容が未確定の予備費は入りにくい
  • 住宅に固定して設置する設備は対象になりやすい
  • あとで追加する家電や家具は対象外になりやすい

特に中古住宅購入とリフォームを一体で進める場合は、資金実行の時期も確認が必要です。住宅金融支援機構のリノベ向け案内では、工事完了後の検査を経て資金受取となる流れが示されており、購入代金の決済や工事代金の支払い時点で、別途つなぎ融資が必要になることがあります。

「ローンに入るか」だけではなく、いつ払うのかまで整理しておくと、契約後に現金が足りなくなる事態を防げます。空き家は修繕範囲が広がりやすいため、見積を取った段階で一度、工事項目を「今回必須」と「後回しでもよい」に分けるのがおすすめです。

申込み前に確認する流れ

金融機関へ相談する前に、次の順番で整理しておくと話が早くなります。

費用を3つに分ける

「物件代金・工事本体」「ローンに入れたい諸費用」「別払いでも用意する費用」に分けます。ここを曖昧にすると、審査前の資金計画がぶれます。

契約書と見積書をそろえる

売買契約書、請負契約書、工事見積書、保険見積、登記見積など、金額の根拠が分かる書類を集めます。対象範囲は書類で確認できるほど通しやすくなります。

金融機関に対象費用を確認する

「どの費用まで借入対象か」「火災保険や登記費用は入るか」「保証料は別払いか」を個別に確認します。商品説明の一文だけで判断しないことが大切です。

登記と税金の見積を別枠でも持つ

登録免許税の軽減要件や司法書士報酬の見積を確認し、たとえローンへ入れられる想定でも、現金対応できる余地を持たせておくと安全です。

資金実行の時期を確認する

購入代金の決済日、工事着工日、工事完了日、ローン実行日を並べ、つなぎ融資や自己資金が必要になる場面を先に押さえます。

公的情報の確認先

税率や登記の条件は見直しが入ることがあるため、最終判断は公的情報で確認するのが安心です。

公式サイトで最新情報を確認する

ローン商品ごとの対象費用は差があるため、実際に使う商品ページもあわせて確認しておくと安心です。

FAQ

売買代金とリフォーム費用は一つのローンにまとめられますか?

商品によっては可能です。住宅金融支援機構の中古住宅購入+リフォーム向け商品では、購入価額と工事費の合計を前提に考える仕組みがあります。ただし、民間金融機関では対象工事や資金実行の時期が異なるため、個別確認が必要です。

登記費用は全部ローンへ入れられますか?

入れられる商品もありますが、一律ではありません。所有権移転や抵当権設定に伴う登録免許税、司法書士報酬などを対象にする例はありますが、過去の相続登記費用などは別扱いになりやすいです。

家具や家電も借りられますか?

後から買う家具家電は対象外になりやすいです。一方で、請負契約や売買条件に含まれ、住宅への据付工事を伴う設備として整理できるものは対象になり得ます。契約への載せ方で扱いが変わると考えてください。

相続登記の費用も今回の住宅ローンに入れられますか?

今回の購入や建築に直接ひも付く登記費用とは別に扱われることが多く、相続登記の費用は別払い前提で見ておくほうが安全です。名義整理が必要な物件では、売買の前段階で必要になる費用を先に洗い出しておきましょう。

工事途中で追加費用が出たらどうなりますか?

当初の審査や契約に入っていない追加工事は、そのままでは借入対象にしにくいことがあります。空き家は解体後や開口後に補修範囲が広がることがあるため、予備費を現金で持つか、優先順位を付けて段階施工にする考え方が有効です。

つなぎ融資はどんなときに必要ですか?

ローン本体の資金受取より前に、購入代金や工事代金の支払いが必要になるときです。特に中古住宅購入とリフォームを一体で進める商品では、工事完了後の検査後に資金実行となる例があるため、支払時期を事前に確認しておく必要があります。

まとめ・Point3つ

本体以外も対象になることがある

物件代金だけでなく、仲介手数料、融資手数料、保険料、登記費用、一定の修繕費まで組み込める商品があります。最初から諸費用を外さず確認することが大切です。

別払いになりやすい費用を先に分ける

引っ越し代、仮住まい費、後買いの家具家電、予備費、住宅と無関係な支出は別払いになりやすい項目です。ここを混ぜると資金計画が崩れやすくなります。

契約前に対象範囲と実行時期を確認する

借入対象費用の範囲だけでなく、いつ資金が実行されるかまで確認しておくと安心です。空き家の再生では、工事費と登記費用の支払時期がずれやすいため要注意です。

迷ったら、見積の内訳を分けてから相談

空き家の購入や再生では、「入ると思っていた費用が入らない」ことが一番のつまずきです。物件代金、工事費、登記費用、別払い費用を整理したうえで相談すると、必要な自己資金も見えやすくなります。

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