親が施設へ入所したことをきっかけに、実家が空き家になるケースがあります。家族としては『管理を続けるのは大変だから売却したい』と思っていても、所有者本人は『思い出のある家をまだ手放したくない』と考えていることもあります。
今回は、母親名義の実家が空き家になり、家族の間で売却と賃貸活用のどちらがよいか迷っていたケースです。まず賃貸活用の可能性を具体的に確認し、その結果をもとに家族で時間をかけて話し合い、最終的に売却まで進めた解決事例をご紹介します。
※本記事は実際の相談事例をもとに、個人や物件が特定されないよう一部の情報を調整して掲載しています。賃貸活用や売却の可否、必要な修繕費、想定賃料などは物件ごとに異なります。
次の中にひとつでも当てはまるものがあれば、今回の解決事例が参考になるかもしれません。
✅ 親が施設へ入所し、実家が空き家になっている
✅ 家族は売却したいが、親は思い出のある家を手放したくないと言っている
✅ 売らずに貸す方法も考えているが、本当に賃貸できるのか分からない
✅ 賃貸にする場合、修繕にどのくらい費用がかかるのか不安
✅ 家族の気持ちも大切にしながら、現実的な方法を選びたい
この事例をひと目で
『貸して残す』選択肢も実際に検討したうえで、家族が納得できる売却へ進んだ事例です。
母親が施設へ入所して実家が空き家に。兄弟に利用予定はなく売却を考えていましたが、母親は家がなくなることに寂しさを感じ、売却を望んでいませんでした。
賃貸活用を提案できる不動産事業者3社を紹介し、修繕内容や賃料の見込みを確認。同時に、売却を選ぶ場合の相談先も用意しました。
現地確認で多額の修繕費が必要と分かり、賃貸活用を断念。約1年かけて母親と話し合い、売却の同意を得た後、仲介会社を選び売却しました。
母の施設入所で実家が空き家に。兄弟は売却を考えていた
対象となったのは、相談者の母親が所有している実家です。母親が施設へ入所したことで人が住まなくなり、空き家となりました。
相談者には弟がいましたが、兄弟ともに今後この家を利用する予定はなく、管理を続けていく負担を考えると、売却して整理するのが現実的ではないかと考えていました。
一方で、母は『まだ家をなくしたくない』と考えていた
所有者である母親は、思い出のある家がなくなることに寂しさを感じており、売却には賛成していませんでした。
相談者も母親の気持ちは大切にしたいと考えていたため、すぐに売却するのではなく、家を残したまま活用できる方法として賃貸を検討することになりました。
賃料収入が得られれば、空き家のままにしておくよりもよく、母親にも喜んでもらえるのではないかという思いがありました。
まずは『貸せるかどうか』を、3社の提案で具体的に確認
相談窓口では、賃貸活用に向けて修繕内容や賃料設定などを提案できる不動産事業者を3社紹介しました。
築年数が経過した住宅を賃貸にする場合、借り手を募集する前に修繕が必要になることがあります。そのため、単に『貸せそうか』という印象だけで判断せず、現地を確認したうえで、必要な初期費用も含めて検討しました。
賃貸活用は『貸せるか』だけでなく、修繕費と保有期間まで考えることが大切です
賃貸に出すために大きな修繕費が必要な場合、想定できる賃料や今後その家を何年保有する予定なのかによって、費用を回収できるかどうかが変わります。『家を残したい』という気持ちと、実際に必要となる費用の両方を確認してから判断することが重要です。
現地確認で建物の傾きが分かり、賃貸には多額の修繕費が必要と判明
紹介した事業者が現地を確認したところ、建物に多少の傾きがあることなどから、賃貸活用を行うには多額の修繕費が必要になることが分かりました。
相談者は、将来的には母親が亡くなった後に売却することも考えていました。そのため、賃貸のために大きな費用をかけても、十分に回収できない可能性があります。
こうした条件を確認した結果、相談者は賃貸での活用を断念しました。
約1年かけて母と話し合い、売却について家族で合意
賃貸活用を見送ったからといって、すぐに売却へ進んだわけではありません。相談者は母親とコミュニケーションを取りながら、実家をどうしていくかについて約1年かけて話し合いを続けました。
その結果、母親も売却に同意し、家族として売却へ進む方針がまとまりました。
20社の査定を比較し、仲介を依頼する不動産会社を選定
売却方針が決まった後は、相談窓口で20社の不動産会社から査定を取得しました。
査定結果を比較したうえで仲介を依頼する不動産会社を決定し、売却活動を開始。不動産会社へ依頼してから8か月後に売却が完了しました。
『貸す』も実際に検討したからこそ、納得して『売る』を選べた
賃貸と売却を比較し、家族で納得できる形で売却まで完了
賃貸活用を前提に3社の提案を受け、必要な修繕費を確認した結果、賃貸は見送ることに。その後、約1年かけて家族で話し合い、母親の同意を得て売却へ進みました。20社の査定を比較して仲介会社を選び、依頼から8か月後に売却が完了しました。
この解決事例から分かる3つのポイント
POINT 01
家族の気持ちも
大切な判断材料
所有者本人の気持ちと、家族が感じている管理負担の両方を整理することが大切です。結論を急がず、比較できる材料をそろえることで話し合いやすくなります。
POINT 02
賃貸は修繕費まで
含めて比較する
想定賃料だけを見るのではなく、貸し出すための修繕費や今後の保有期間も含めて判断すると、賃貸活用が自分たちに合うかを考えやすくなります。
POINT 03
売却は複数社を
比べて選べる
売却を選ぶ場合も、一社だけで決めず複数の査定や提案を比較することで、物件や家族の希望に合う不動産会社を選びやすくなります。
賃貸か売却か、決める前に条件を整理してみませんか?
『親は家を残したいと言っている』『管理を続けるのは大変』『貸せるなら貸したいが、修繕費が心配』。そのような場合は、どちらかに決める前に、賃貸と売却それぞれの条件を具体的に比較することができます。
アキカツカウンターでは、現在の状況やご家族の意向を整理し、必要に応じて地域の事業者につなぎながら、空き家に合った進め方を一緒に考えます。まだ『貸す・売る』が決まっていない段階でもご相談いただけます。


