日本全国に「空き家」を所有し、頭を悩ませている人が数多くいます。
そんな中、無料でもいいから「空き家」を譲りたいという声も聞こえてくるようになりました。
日本に「空き家」が増える一方で「空き家」の再生や「空き家」と人を結ぶマッチングサイトなど、様々な明るい取り組みがなされているのも事実。
今回は、「空き家」の売却・買収・譲渡について解説していきます。
「空き家」を所有するって大変ですよね？？
「空き家」所有者の切実な悩み・・・。
平成30年の総務省統計局による、「住宅・土地統計調査」では、日本全国の「空き家」総数は、およそ846万戸、総住宅数の13.6%を「空き家」が占めています。
（参考：https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf）
自分の住む家の他に「空き家」を所有している人は珍しくありません。三姉妹である筆者も、ゆくゆくは「実家」が「空き家」となることを想定しています。
これからの日本社会を生きていく上で、「空き家」問題を抱える人は多く存在し、向き合って行かねばならないのが実情。
「空き家」を所有すると、固定資産税の支払い、「空き家」を清潔安全に維持するために定期的な掃除・換気等を行うメンテナンスなど、金銭的・心理的負担が発生します。
そのため、「空き家」を所有し頭を抱えて悩ませている人は多くいます。
「空き家」の無償譲渡という新しい価値も出てきた！
「空き家」を清潔安全に維持するためのランニングコストを考えると、「タダでも良いから手放したい！」と思う人々が出てくることも不思議ではありません。
最近では、売る・貸す以外に「無償譲渡」という新しい価値も生まれてきました。
参考：https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_01143/
「空き家」を手放す3つの方法
① 仲介売却
不動産会社に仲介に入ってもらい不動産を売却すること。不動産会社と媒介契約を結び、「空き家」の買い手を探してもらいます。
媒介契約とは、不動産売却において仲介を依頼する際に結ぶ契約のことです。
不動産会社は、「空き家」の販促活動を行い、売却に成功した場合にのみ報酬が得られ、売却時の売買契約など法的な手続きも行います。
② 不動産買取
不動産会社に不動産を売却すること。不動産会社に直接「空き家」の買取りをしてもらいます。
③ 無償譲渡
無料（0円）で、不動産を譲り渡すこと。「空き家」を活用することがなければ、固定資産税や管理のための費用や労力だけが嵩むため、「空き家」を無償でも良いので譲渡したいと思う所有者も増えてきています。
仲介売却→不動産買取→無償譲渡のステップで進んでいく
「空き家」を手放す方法の難易度は、仲介売却→不動産買取→無償譲渡の順に進んでいくと考えられます。
駅近など立地条件が良い、「空き家」の状態が良くすぐにでも居住できるなど魅力的な「空き家」であれば仲介売却を視野に入れましょう。
一方、田舎の過疎地域にある「空き家」、状態が非常に悪く修繕が必要などの理由から買い手がつきにくい「空き家」の場合は、最終的には無償譲渡になる可能性が高いです。
次章からはそれぞれの、「空き家手放し方法」の特性を知り、自分の所有する「空き家」に適した方法探していきましょう。
仲介売却と不動産買取の違いと手順
仲介売却と不動産買取の違いを詳しくみていこう！
仲介売却と不動産買取の大きな違いは、買い手にあります。
仲介売却の際は、個人から個人に売却されることが多く、不動産買取は個人が不動産会社に売却します。
買い手が個人であるか不動産会社であるかが大きく違う点です。
そのため、売却のスピードと価格に違いが見られます。広告・宣伝活動をして買い手を探す必要のない不動産買取は現金化できるスピードが早いです。
しかしながら、価格設定が仲介売却した場合よりも安くなることがあります。
自分ではどうすることもできない廃墟化した「空き家」でも、不動産会社なら再生のため資金を投入し有効活用してもらえる可能性があります。
買い手がつきにくい物件、居住するためには大幅な修繕が必要な物件、事故物件などは買取にした方が良いでしょう。
買取保証という方法もある
「買取保証」とは、仲介売却と不動産買取の中間の取引のことです。
不動産会社と仲介売却のため媒介契約を結びますが、期間が決まっているのが通常の仲介売却と違う点。
あらかじめ、仲介売却する期間を取り決め、期限までに買い手が見つからなければ、不動産会社に買取してもらう流れとなります。
仲介売却と不動産買取の手順と注意点！
【仲介売却】
- 「空き家」の相場価格を調べる
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売り出し価格を決める
- 内覧対応
- 売買契約
- 引き渡し
- 確定申告
※2.か6.までの行程は、買い手がどのくらい早く見つかるかに委ねられる。
【不動産買取】
- 「空き家」の相場価格を調べる
- 不動産会社に買取査定を依頼
- 買取価格の提示・交渉
- スケジュール打ち合わせ
- 売買契約
- 引き渡し・決済
- 確定申告
※2.から6.までの行程は、早ければ1週間程度で完了することもある。
仲介売却と不動産買取の両方において、事前の調査が肝になります。
売却・買取価格交渉をする前に、自分で事前に所有する「空き家」の相場・価値を把握して不動産会社へ依頼をしましょう。
不動産会社に全てを委ねるのではなく、あくまでも対等な立場で交渉するために、自分の「空き家」について関心を持ち、主体的に調査をしておくことは大切です。
仲介売却の場合は、3ヶ月以内に買い手が見つからなければ、何かしらの対策を講じた方が良いとされています。
売出価格が相場や需要と乖離していないか？不動産会社に問題はないか？など、買い手がつかない原因を探る必要があります。
仲介売却にも不動産買取にも言えることですが、仲介や買取を依頼する不動産会社はよく吟味し自分に合う良い担当者さん、不動産会社を見つけましょう。
特に買取の場合、買取価格の査定は複数の不動産会社へ査定を依頼し、買取価格を比較するようにしましょう。
