空き家を求める人はどんなメリットを期待しているか
現在は、空き家を活用しようという動きも大きくなってきています。ここでは、事業としてではなく、個人で空き家を求める人が空き家に期待するメリットをご紹介していきます。
低価格
価格が安いことは大きなメリットです。ただし、どんな人にもこのメリットがあるわけではありません。都内の空き家マンションは、ここ数年でも価格の下落が見られず、高止まりしています。
また、安く買っても老朽化が激しく、構造部分に問題があれば、修繕費用のほうが高くつく場合が多いので、単純にメリットだけとは言いきれない部分があります。
好立地?!
築年数が経過している空き家ほど、その土地で最初に建てられた可能性が高いので、駅に近いなど好立地であることが多いという記述が散見されますが、そもそも好立地であれば空き家にならないのでこの点には疑問があります。
ただし、田舎で特に川の近くなどでは、川の内側と外側で地盤の強度が変わります。外側には遠心力が働き、また水が溢れやすいので、川の内側のほうが好立地となります。このような立地に空き家をお持ちの方は、活用のチャンスがありますので、買い手や借り手がつかないだろうと諦めるのは早計です。
助成金
過疎化や少子高齢化が激しい自治体は、Uターンだけではなく東京出身者や都内在住者に向けたIターン事業を活発に行っています。住民票を移すなど条件はありますが、住居を無償で提供したり、住宅改修のための費用を負担、就農支援など、様々な取り組みをしています。
そこで暮らしている人では気づけない宝がある
先に触れた助成金もそうですが、地方の自治体が力を入れている事業として「地域おこし協力隊」があります。 地域の魅力を発掘、発信してくれる人に報酬を支払うことで、PRしてもらう事業です。
その土地その土地の魅力が今注目されています。ですが、そこで生まれ育った人には当たり前すぎて、それが宝だと気づかないことが沢山あります。地方移住者が自治体と協力して、その土地の特産品を作るなどの活動が盛んに行われています。
空き家購入にはデメリットがつきもの?!
空き家を購入すると、最近まで入居者がいた建物と違って、思わぬところに老朽化が進んでいる場合があります。 修繕が可能なのものと厳しいものとがあります。建物をどんなに安く購入できても、ここに問題があると、結果的には修繕などにかかる費用が高くつくポイントがあります。
ここでは、マンション・戸建てに関わらず、空き家を購入する際にチェックしておくべきポイントを解説します。
物件を見極める5つのポイント
①耐震基準
1981年に建築法が改正され、新耐震基準になりました。それ以前の建物は、新耐震基準に適合するための工事が必要になります。
②電気・ガス関連機器の修繕
電気やガスなどの設備は、耐用年数が10~15年といわれています。マンションでも戸建てでも、その耐用年数に大きな差はありませんので、入居してすぐに取替なければならないなんてことにならないよう、最新の取替工事日を確認しておくことをお勧めします。
③欄干
特に昔ながらの日本建築で木造の場合は、欄干に亀裂が入ると、構造上もろくなります。建築の基礎となる部分なので、内見をされる際には欄干に横一文字の亀裂がないかどうかを必ずチェックさせてもらいましょう。
④天井
瓦が一部剥がれていたり、少し雨漏りしている程度だと、素人でも直せるんじゃないかと思われがちですが、雨漏りを甘く見てはいけません。水が屋根から浸透し続けると、天井を支える柱が腐り、天井まるごと改修工事しなければならなくなります。
また、上を向いた状態での作業はDIYで簡単にできるものではありません。室内から雨漏りがないか確認することはもちろん、可能であれば屋根に水をかけさせてもらいチェックしましょう。
⑤シロアリ
柱などの基礎部分がしっかりとしていれば、床や壁はDIYでも修繕がしやすい部分ではあります。ただし、シロアリが発生している場合は致命的なので、どんなに安い物件でもお勧めできません。
シロアリの活動限界は6℃と言われており、寒い屋外では見かけませんが、温かい屋内であれば年中活動することができます。シロアリ予防の薬液効果は5年と言われているので、対策を行っていないところでは、耐震性能すら下がっている可能性があります。
床下を確認させてもらえれば一番いいですが、難しい場合は押し入れの天井に必ずある点検口や、畳をはがしてチェックしましょう。
「空き家バンクに掲載する」はちょっと待った!
ここまでは空き家を探す方に向けて、効果的な探し方などを解説してきましたが、ここからは空き家をお持ちの方に、売る以外の具体的な選択肢についてご紹介していきます。
空き家の所有者にある5つの選択肢
①自分で住む
ご自身で住める環境であれば、一番の選択肢になると思います。建物は人が住まないと老朽化が加速します。もし、昔ながらの日本家屋なので、建築様式などを理由に老後が心配という方がいましたら、介護保険のサービス利用をおすすめします。
要介護認定を受けて、要支援・要介護の認定が下りなければ使えませんが、手すりの設置や浴槽を低いタイプに変更するなどの「住宅改修費」が、20万円を限度として、介護保険で1割(所得により2~3割の方もいます)負担で済ませることができます。
②貸す
最近は個人で田舎に移住をし、自治体の費用を活用して空き家をセルフリフォームしたり、レンタルスペースやカフェとして活用する事例が増えています。持ち主に補助金は出ませんが、移住者に対する支援を手厚く行ってい自治体が急増していることが、背景にあります。
相手が個人なので不安があるかもしれませんが、セルフリフォームを施してくれるケースもあるので、将来的に住むことをお考えの方にはおすすめの選択肢です。
③民泊やシェアハウスとして有効活用
お子様の独立などをきっかけに住むことをお考えの方に、もう一つおすすめの選択肢が、ご自身で民泊などを運営するという方法です。海外旅行者は東京や都心部よりも、田舎に興味を持っている方が多いです。
周りに宿泊先が無かったり、値段が高い場合は差別化になるので需要があります。また、収益は大きくなくても人が暮らしてくれるので、老朽化が進まず価値的な方法です。
④売る
売却にあたっては、不動産会社を慎重に選ぶ必要があります。注意点や売却の流れなどをご紹介していますので、よろしければご参照ください↓
地方の中古マンションやアパートはどうするのが一番お得?問題点と活用方法
⑤更地にして土地活用
更地にして土地活用するという方法もあります。ただし、建物の解体は素人だけでできるものではなく、また出た廃材についても処分する場合には費用が発生します。費用を回収して利益が出る活用の仕方がいいのですが、人口が減少している地域では駐車場なども収益が期待できません。
ただ、立地によっては活用が期待できる場合があります。例えば、ボート釣りなどができる場所が近くにある場合、ボートごと駐車場に駐車できる旅館などはほとんどありません。敷地が広いのであれば、そういった特殊な需要に対応するという方法も1つです。また、農園やキャンプ場として貸し出すという方法もあります。
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