コロナ禍で再発見!「空き家ビジネス」は、不動産業界の救世主!?

コロナウィルスの流行は、私たちの生活を根底から揺るがす大きな変革をもたらしました。

経済や人体への大打撃だけではなく、自然環境の保全や働き方などを見つめ直し、持続可能な社会や経済活動の実現へ大きく舵を切る畝りを生み出しています。

不動産業界も例外ではありません。日本が抱える深刻な問題「空き家」が、新しいビジネスチャンスに繋がると注目され始めているのです。

今回は、様々な「空き家ビジネス」について紹介していきます。

目次

日本には「空き家」という眠れる資産が潤沢にある!

日本の「空き家」の現状=「資産」が転がっているという視点

令和元年に総務省によって発表された、「住宅・土地統計調査」によると、日本には「空き家」が、およそ849万戸存在しています。

人口減少の著しい過疎地域だけではなく、人口集中の激しい都会でも「空き家」は増加傾向にあります。

「空き家」は増加している一方で、新しい家も建ち続け、「家余り」の現象を引き起こしています。建て替えるでもなく、既存の「空き家」をリノベーションするでもなく、「空き家」をそのままにしたまま、新しい家が建設されているという、奇妙な状態です。

政府も深刻な「空き家問題」を打破すべく、施策に乗り出しています。

令和元年に国土交通省にが行った「既存住宅流通市場の活性化」政策に伴う調査報告によると、日本の中古物件のシェアは、全体のおよそ14.7%となっており、アメリカ83.1%、イギリス87.0%など、欧米諸国と比較しても低い数値です。

視点を変えて見ると、まだまだ中古物件市場は伸びしろがあり、それだけ「有効資産」があるという捉え方ができます。

コロナウィルスが生み出した新しいウェーブ

コロナウィルスは、私たちの固定概念や生活様式を大きく進化させるインパクトを与えました。

三密を避ける意識、都市集中型社会への問題提起、リモートワークによるオフィスという概念の揺らぎ等、様々な新しい価値観を生み出しています。

地方への分散もテーマとなり、個人の地方移住や地方へ本社を移す企業も出現してきています。

パソナグループが淡路島へ本社機能を移転させたニュースは大きな話題となりました。そのような流れの中、自ずと、「空き家」への関心は高まりをみせているのです。

「空き家」の負の要素だけに注目するのではなく、「空き家」は眠れる日本の資産であるという発想の転換が必要な時代が到来しています。

「空き家ビジネス」は持続可能な社会活動への布石!

想像してみよう!「空き家」だらけの日本を!

「空き家」だらけになった日本を想像したことがありますか?

筆者は、2019年に過疎地域である長崎県南島原市にUターンしました。毎日の日課である朝夕の散歩の時によく目にするのが「空き家」。

綺麗に管理され、掃除の行き届いている「空き家」もあれば、廃墟化してしまった「空き家」もあります。

人が住まなくなってしまった「空き家」は、輝きを失い、どことなく寂しい雰囲気が漂っています。

中でも、特に「放置空き家」は悪目立ちしています。放置された「空き家」は、老朽化も激しく、周辺の景観や治安の悪化、ゴミの不法投棄、害虫の発生、災害による倒壊のリスクの高まりなど多くの悪影響を引き起こす要因となるのです。

「空き家特別措置法」と、困りはてる「空き家所有者」

増え続ける「放置空き家」の対策の一貫として、政府は「空き家特別措置法」を2015年に施行しました。

これにより、「放置空き家」に対する監視の目は厳しくなってきています。

「空き家」を放置し、「特定空き家等」に指定されてしまった場合、固定資産税の増額、所有者負担による強制撤去などより強い対処がなされます。

【参考】

「特定空家等」とは、

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

・著しく衛生上有害となるおそれのある状態

適切な管理が行われないことによ著しく景観を損なっている状態

その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

にある空き家等をいう。(2条2項)

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001080534.pdf

頭を悩ませているのは、活用する術のない「空き家」を所有する人たちです。

遠方に住んでいたり、高齢であるなどの理由から、「空き家」の管理ができず、「空き家」の定期的なメンテナンスを外注し、固定資産税の他にも「空き家」管理のための、金銭的な負担が増えている人が数多くいます。

「空き家」を生かすことは、明るい未来へ繋がる

「空き家」を放置してしまえば、「空き家」は確かに負の遺産となります。

日本の「空き家」に問題意識を持ち、生かすビジネスは、明るい未来への投資となり、「空き家」を有効な資産へと変えることができるのです。

新しい家を建てるために、土地を開拓し、山を切り開き、海を埋め立てる前に、「空き家」にもっと目をむける必要があります。

持続可能(SDGs)に発展、開発し経済活動をしていくことが今、不動産業界でも強く求められているのです。将来を担う子どもたちへの責任でもあります。

「空き家」ビジネスの可能性!

コロナ渦で新たに見えてきたビジネスチャンス

コロナ渦で大打撃を受けたインバウンドビジネス「空き家」活用の定番であった、民泊は下火に。

しかしそれによって新たな「空き家」の活用方法にスポットが当たりはじめています。

コロナウィルスが生み出した新しいウェーブ。

三密回避やリモートワークによる働き方の変容に伴い、「住まい」や「オフィス」、「バケーション」にも変化が起こっているのです。

リモートワークの浸透による働く場所に囚われない「住まい」は、地方移住に伴う「空き家」の住居としての価値を高め、三密回避をするために、ビルのテナントではなく「空き家」をサテライトオフィスにする企業も出てきました。

その他にも、コワーキングスペース、ワーケーション施設、グランピング施設などの活用が注目されています。

<次ページ:「空き家」を彩る様々な活用パターンを見ていこう!>

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この記事を書いた人

旅行会社勤務を経て、フリーランスのライターへ転身。古民家シェアハウスに住み、Airbnbを利用して海外を旅した経験から、日本の空き家問題に興味を持ち、明るい未来に繋がる記事を書いています。

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