日本では空き家が増加の一途をたどる中、この問題を解決しようと民泊として利活用する人が増えていました。
外国人観光客も増え続け、旅館やホテルでは提供できない地域に密着したサービスや伝統的な日本家屋で日本文化を堪能してもらうなど、工夫を凝らした民泊ビジネスが活発になっていました。
ところが、コロナ禍にある現在。外国人観光客は激減。
国内も非常事態宣言により観光どころか外出自体も自粛が必要でした。この影響を受けて旅館・ホテルはもちろんのこと、個人で民泊をやっていた事業者は特に大きな打撃を受けています。
この記事では、これから民泊を始めようと思っていた方に、民泊の基礎知識から関係法令を。
さらに、コロナ禍を乗り切るための方策まで、「今後の民泊ビジネス」についても徹底解説していきます。
諦めないで現状を打開するためのアイデアを沢山載せていますので、是非最後までご覧ください。
空き家の増加と放置という現状
日本の空き家問題は広く知られていますが、そもそもどうしてこんなに空き家が増えているのでしょうか。また、その多くが放置されているという現状も重要な問題です。
ここでは、空き家が増えるシステムと放置されていく原因を探っていきます。
空き家予備軍=持ち家の現状
まずは、総務省によって5年ごとに行われている『住宅・土地統計調査』より、最新のデータ(平成30年)をご覧ください。
抜粋:『総務省 平成30年住宅・土地統計調査』
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/tyousake.html
赤い丸印を見て頂くと驚愕の事実が分かります。
【高齢者夫婦のみの世帯の持ち家率は87.4%】
この事実が空き家の増加に大きく関わっています。
つまり、親の世代は約9割が自分の家を持っており、通勤の利便性や孫の学校などの理由で離れて暮らしている子供は、別の家に住んでいることになります。
この親に対して子にあたる世代もまた、持ち家率が65%を超えており、この子供同士が結婚すると親の世代の家が2軒空き家になる可能性がある=空き家予備軍なのです。
放置の理由
放置の理由は様々なものがありますが、代表的なものを以下にあげてみましょう。
- 想い出がある→処分や売却をしたくない
- 通勤や生活に不便
- 将来、孫の世代が使うかもしれないから所有しておきたい
- 撤去費用がかかるため、やむなく放置
いずれの理由もよくあるものですが、建物は放置すればするほど老朽化していきます。さらに、大きなリスクを背負うことになる場合も?!売却したくない人も、「手入れ」は重要になってきます。
放置は百害あって一利なし!そのリスクとデメリット
放置に繋がる原因は先に触れましたが、実際に放置したまま年月が経過すると、建物の老朽化だけではなく、他のリスクが高まります。
所有している空き家の立地にもよりますが、周辺に実際にお住いの住宅がある場合、倒壊の危険や犯罪の温床、景観を損なう、周辺地域の地価下落、固定資産税の値上がりなど、多くのリスクがあります。
詳しくは、以前別の記事で解説していますので、興味がある方はそちらをご覧ください↓
「空き家の火災保険おすすめは何か? 空き家における放火リスクと対策について」|空き家活用Lab
自分たち自身では手入れや管理が難しい場合は、空き家を管理してくれるサービスなどもありますし、期限付きで賃貸に出すという方法もあります。