ー今、空き家となっているご実家はどうされていますか?
関係がよくない親族が相続放棄をしたかどうか分からないため、主人が施設に入所されている義母の面会に行った際に、家に寄って換気などの最低限の管理をしています。
老々介護のこともあり、義理の両親の仲は良くありませんでしたが、主人と話し合って数か月してから義父の他界を義母に伝えたところ、「寂しい」と泣いていました。夫婦のことは夫婦にしかわからないのだな、と実感したのを覚えています。
―お義父様が亡くなられてから、相続放棄までの間にご実家の片付けはされましたか?
義父が亡くなってから相続放棄までの間に、義母の荷物を少しだけ取りに行ったり、できる荷物整理は少しだけしました。
―ご実家で犬を飼っていたそうですが、引き取ってくれたのはどなたですか?
犬を引き取ってくれたのは、義母の親族です。うちは犬を飼えないので、本当に助かりました。お礼にいまでも毎年お中元やお歳暮などを送っています。
相続放棄してもずっと残る、心のしこり。それでも専門家に頼んでよかったこと
―今困っていることはありますか?
義父が他界しても実家のことはずーっと心の中にあります。私でもそうだから、主人はもっとあると思います。放棄されているから、更地になっても買い手がつかないと気持ちはさっぱりしないのかな?と思います。
―義理の妹さんやご親族に、相続放棄をしたのかを確認することは今後ありますか?
個人的には相続放棄したかを確認するつもりはないです。主人にも負担をかけることが分かっているから、私から主人に促すつもりもないです。
―相続放棄に関する一連の流れの中で良かったこと。いつかはこうしたい、こうなったらいいなという事はありますか?
弁護士さんから「すべての手続きが終了しました」の一言を受けた時には、メンタル的にとても助かりました。
相続財産管理人制度を使えば、相続放棄した建物でも処分したりできることが分かったので、遺族年金が貯まってきたら取り壊しなどの対応ができればすっきりするとは思います。
―同じようなケースの方にメッセージがあればお願いします。
精神的に大丈夫そうであれば(総資産や相続に関する選択肢など)ギリギリまで調べたほうがいいと思います。今回、取材のお話を頂いて改めて調べなおしたら未だに「そうだったの?」ということが沢山あったので、相続放棄期限の3カ月ギリギリまで調べたほうがいいと思います。
また、弁護士さんにお願いをするとそれなりのお金がかかりますが、結果的には良かったです。法的に「間違いないです」とびしっと言ってもらえる安心感があり、方向性を示してもらえたことが支えになりました。自分でやろうか悩まれている人には、弁護士さんなど法律の専門家に頼むことも検討してみて欲しいです。
私自身も分からない事ばかりで、年末年始の忙しい時期だったこともあり調べられる範囲で調べてはみましたが、同じような体験談が見つかりませんでした。私だけがこんな状況なんだと、不安になりました。
この記事が、同じような境遇の方に少しでもヒントになることがあれば嬉しく思います。
取材後記
まずは、本来であれば取材に応じられるようなテーマではないのに、快諾して頂いたTさんにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
今、日本では空き家が増加しています。
これはこれで1つの事実ではありますが、人が暮らしていた家が空き家になるには、住まれている方が何らかの理由で住まなくなるというタイミングが先に訪れます。
入所・入院・他界・・・。理由は様々ではありますが、ご親族が亡くなられることに伴う相続の問題は、葬儀の手配や遺品整理など人生でそう多く経験することではない事態の対処と並行して進めていかなくてはなりません。
相続放棄の期限は、相続人であることを知った日から3カ月。
遺産の調査などに時間がかかる場合に延長の手続きができますが、法的な手続きもまた人生でそう多く経験することではありません。
また、家族関係が希薄になっている現代において、親族が全員集まって決めなければならない遺産放棄という選択肢も大変厳しい選択肢となるケースも少なくないでしょう。
しかし、「いつか」は突然訪れます。
未曽有のスピードで超高齢社会を迎えた日本。高齢者の持ち家率は8割を超え、他人事では済ませられなくなっています。相続について考え、話し合っておくことは早いに越したことはありません。
その日が来た時に慌てないために。
こうしておけば良かったと後悔しないために。
亡くなられたご親族の遺志と残されたご家族が納得した結果を得るために。
この記事を読まれることで、あなたが相続について話し合うきっかけになる事を願って。
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