空き家の”ホテル活用”に見る事業モデルの成功事例とその要素

深刻化する空き家問題を受け、近年、政府主導のサポートも大きく動きを見せています。また、制度を上手く活用し、ビジネスを発展させている事業者も増えている現状です。

今回は、空き家活用事業における、ホテル事業を参考に成功事例やその要因について深掘りをしていければと思います。

目次

成功事例:篠山城下町ホテルNIPPONA(ニッポニア)

ここからは成功事例を覗いていきたいと思います。難易度が高いですが成功した事業です。

施設概要

篠山城下町ホテルNIPPONA(ニッポニア)

篠山地域でのホテル事業です。

城下町全体を「ひとつのホテル」と見立て、地域に点在する築100年超の古民家を含む4棟を、宿泊施設、飲食店等として改装した宿泊施設として活用しています。モダンで美しい内装と、歴史や文化を体感できる仕組みが大きな反響を生んでいる先導事例となっています。

結果・反響

国家戦略特区への提案を行い、2015年11月からスタートしたホテル事業ですが、国内だけでなく日本を訪れる海外観光客にも大好評となっています。現在では関西各地にNIPPONIAホテル事業を展開し、素晴らしい売上を実績として残しています。

空き家活用の先導事業として、多くのメディアにも取り上げられているだけでなく、地域住民との共生を果たしており、境貢献の意義も充分に果たしている事業となっています。

成功要因3つのポイント

大きな成功を果たしたニッポニアさんですが、これに限らず事業の成功の要因としては、共通してこの3つのポイントがあると考えています。

  • 差別化要素/ニーズの創出(顧客ニーズにマッチした資源の有効活用)
  • コミュニティー形成(地域を総合的に活性化する仕組みの創出)
  • アライアンス/公的機関との連携

差別化要素/ニーズの創出

理由として前途の注意点の通り。空き家は地域により条件が様々です。まずは顧客を知ることからはじめましょう。

そして自身の地域特性を踏まえ、顧客のニーズと合致させるものを考案しましょう。

現在はAir BnBなど、民泊の参入障壁が下がり競合数多です。合わせてホテル事業の場合は設備投資にそれなりの金額がかかります。

例えば、こちらの例であると、一定数古来の日本文化を感じたい顧客は存在します。日本独自の資源を有効活用し、国内外問わず、古き良きモノを求める顧客ニーズを喚起している成功事例です。

費用対効果を最大化をするため、正しいコンセプトを策定したのち、事業開始することを推奨します。

コミュニティー形成

そして「個」で利活用するだけではなく大体の地域は人口減少をしているので、コミュニティーはセットで考えなければなりません。

コミュニティー形成において、補助金や斡旋をしてもらえることも大きなメリット。よって、公的な機関と共に連携して事業に臨むことが推奨されます。

例えば先ほどの例では上手に地元資源を利用しています。篠山の自然で育てられるブランド食材、料理。歴史性を残しながらリノベーションした古民家。地域の歴史と文化を、暮らしながら体感できる施設に仕立てられています。

また、着地型ツーリズム支援や地域ICTに関する情報支援も行い、地域団体との協力を密に行っているのも特徴です。地域を俯瞰して分析し、総合的に活用し活性化することのできる、唯一の立ち位置を確立しているのも強みです。

アライアンス/公的機関との連携

なお、こういった事業をする場合には官民連携や補助金は有効に活用しましょう。

集客などのアライアンスについて

コミュニティーや地方創生文脈の集客においては市役所などが働きかけて実施している場合も多くありますのでその動きに便乗することも一考してみてはいかがでしょうか。

補助金のサポートについて

空家等対策特別措置法の施行に伴い、除却・解体・リフォームの費用に対して、補助金を支給する自治体も増えてきていますので有効に活用すると良いでしょう。(しかし、支給額としては費用の10~50%と様々で、金額の上限も設定されています。実施している自治体も多いとは言えません。これから増えていくのでしょう。)

空き家「事業のサポート施策」も実施され始めています。ご自身の地域で探ってみると良いでしょう。例えば、象徴的な施策としては、東京都が行う、「空き家の新たな利活用モデル」となる事業プランの募集です。起業家による空き家利用や有効な活用モデル事業に対し、採択された場合は補助金が支給される内容です。

今後空き家ビジネスを計画する事業者にとっても、社会的に事業に着手しやすい環境整備も行われ始めています。

”社会的意義”高い空き家事業の参入も視野に入れてみてはどうか

空き家活用事業で比較的難易度の高い、ホテル事業のカテゴリでも、NIPPONIAのような成功事例はいくつかみられます。

それ以外にも民泊など難易度低いものも多くなってきています。様々な規制が緩和され、政府が推進する助成金や活用サポートも増え、着手しやすい環境となったのも大きく影響しています。

収益はそれぞれに違いますが、空き家活用はユーザーと価値を提供する地域の双方が、喜びを享受できる社会的意義の高い事業であるということは共通しています。

事業者としてはビジネスを通して社会貢献できる空き家事業を、事例や助成金を上手く活用しながら価値提供してみてはいかがでしょう。

なお私共空き家活用株式会社では空き家の物件探しから活用の仕方まで「一気通貫」でサポートしています。ご興味ある方はお問い合わせをお待ちしております。

NIPPONIAについてはこちらの記事もご覧ください

空き家の”ホテル活用”に見る事業モデルの成功事例とその要素|空き家活lab[contact-form-7 404 "Not Found"]

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コアスキルはマーケティング。施策立案/上流設計/全体PMが得意。いろんなベンチャーでインハウスで入ってマーケやってます。実はプロ格闘家という隠れた秘密もあったり、なかったり。

目次