0円空き家のメリット。その一方で思わぬ出費も
メリットは、なんと言っても家が低価格で手に入ることでしょう。自然豊かな土地で、新築戸建てや中古住宅を購入するよりも、グッと低い金額で家を持つ事ができます。
ただ、その反面、0円空き家は0円ゆえに補修費用がかかるのです。
水道管の交換や、その他電気系統などの工事、屋根の葺き替え、天井や壁裏の補修などなど。補修費はかけようと思えば、きりがありません。
空き家を安く手に入れたいのであれば、大がかりな所以外は、自分でコツコツと補修することも視野に入れる必要があるでしょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。↓
０円で手に入る！？無料で空き家を手に入れるメリット・デメリットとは|空き屋活用Lab
0円空き家だけど無料じゃない！？
0円空き家で見落としやすい点として、よくあるのが税金についてです。
空き家バンクを見ていたら、タイミングよく自分の探していた土地に0円空き家を発見。しかしいざ交渉をしたら、かなりの税金はかかることが発覚。
これじゃあ0円じゃないじゃないか…とがっかりされる方も。
0円空き家は、決して完全無料の物件ではないのです。
それはあくまでも建物の値段のことであって、0円で家を譲渡してもらう場合でも税金はかかります。
0円の空き家に対してどうして税金がかかるのか……。 それは、課税のために元にする価格は、取り引きする0円ではないからです。
相続税評価額や、固定資産課税台帳に記載された金額に対して課税がなされるため、税金はある程度の金額となります。
それでは、どのような税金があるのか詳しく見ていきましょう。
≪空き家にかかる税金≫
【贈与税】
0円空き家の場合、土地と家屋の贈与を受けたことになるため、贈与税の対象となります。
贈与税の評価額は相続税評価額をもとに算出され、税率は超過累進税率です。
評価額も0円かな？と思いがちですが、あくまでも相続税評価額をもとにするので、0円ではありません。
また贈与税には1年間110万円の基礎控除があるため、110万円を超えた額が課税対象となります。
【不動産取得税】
0円空き家の取り引きは、空き家の持ち主から贈与されたとみなされます。
ですので、空き家の贈与を受けた場合、不動産取得税の対象になるのです。
不動産取得税を算出するための価格は、固定資産税台帳に記載された価格であって、取り引きをする価格ではありません。
【登録免許税】
空き家を0円で手に入れたら、土地と家屋の所有権移転登記が必要です。
その際には、登録免許税がかかります。
登録免許税は、0円空き家の場合贈与とみなされますので、土地と家屋のそれぞれ固定資産課税台帳に記載された価格の２％が課されます。
【固定資産税】
固定資産税は、毎年1月1日に固定資産課税台帳に記載されている所有者に対して税率1.4％で課税されます。
空き家のある土地が市街化区域の場合、都市計画税も課税となります。
≪0円空き家だからかかる補修費用≫
税金の他にも、デメリットの説明でも上述しました通り、補修費用がかかります。
0円空き家の家屋は、建物として価値がつかないものがほとんどです。
水回り、電気周りなどの工事や、シロアリや害虫などの問題がある場合も。
空き家の価格が0円だからといって、まったく資金を用意していないと補修などをすることが出来ず、結局ただボロボロの家を手に入れただけで、住むことが出来ないということも。
最低限の税金の支払いと、補修費用を用意した上で交渉に入るようにしましょう。
安く空き家を手に入れる「空き家バンク」
空き家バンクのメリットは、自治体のサービスを利用して、格安で家を購入することができ、地域活性化にもつながることです。
自治体によっては、補助金等が出る場合もあります。
デメリットは、空き家バンクの場合営利目的のサービスでないため、所有者と購入希望者が直接交渉しなければならないことが多いということです。
自分で交渉する直接交渉
空き家バンクを利用する場合、通常は所有者との直接交渉が主流ですが、この直接交渉にはメリットもあれば、デメリットもあります。
【メリット】
間に人が入らないことで、中間マージンや手数料などが発生しません。価格も交渉次第なので、初期費用も抑えることが可能となります。不動産取引の知識があるのであれば、お得に手に入れることが可能です。
【デメリット】
直接交渉ゆえに、トラブルになる場合があります。
家の境界線の位置が違っていたり、所有者の話では雨漏りをしないとのことだったのに、住んでみたら雨漏りがあったり…などです。
その他にも契約の際にプロが仲介しないため、契約に不備がありもめてしまう場合も。
不動会社などに仲介を頼む間接交渉
空き家バンクの交渉でも、手数料を支払えば不動産会社などに仲介を頼むことはできます。
【メリット】
不動産会社などに仲介役を頼む間接交渉のメリットは、不動産取引のプロに交渉をお願いできることです。直接交渉よりも、トラブルは少なくなります。
家の現状を調べるインセクターの手配なども依頼することもできる場合があるので、より安全に空き家の購入ができます。
0円空き家は家自体に問題が多く、不動産会社など家の売買のプロや、空き家のプロが間に入ってもらえることで、安心して空き家の購入が出来ます。
【デメリット】
不動産会社などに支払う、手数料が発生することです。
でもその手数料を「費用がかかってしまった」とするか、「この費用でリスクを回避した」とするのかは、空き家購入者の考え次第かもしれません。
