空き家が抱える問題やトラブル
空き家に起こるトラブルとその解消方法
空き家のトラブルには様々なものがあります。
トラブルの内容の紹介と、最後にまとめて解決策についてご紹介いたします。
空き家を「ただ家を無人にしているだけで近所に迷惑なんてかけていないのに…」などと安易に考えていませんか?
空き家は所有しているだけで、さまざまなトラブルが起こるのです。
空き家のトラブル5選
1 庭の荒廃
庭付きの戸建ての場合、少し気候の良い時期に庭を放っておけば、雑草は伸び放題になり、近隣にも雑草の胞子が飛ぶことで雑草を繁殖させ迷惑をかけます。
また害虫、害獣の巣にもなるため、スズメバチ、野良猫、ネズミなどの繁殖を助長させることも。
木がある場合などは、枝が伸び隣家に侵入するなどして、近隣からの苦情の元となります。
2 環境の悪化
人が訪れず雑草が繁殖する空き家は、見栄えも悪くなります。
また人の出入りがなくなり締め切った家は、空気の対流がなくなったことで暑さや寒さで木部が膨張したり収縮したりするため、そうした家の動きにより障子が破れ、ガラスなどにもヒビが入り最悪割れてしまうことも。
その状態で放置しますと、すさんだ外観が不法投棄などの問題を引き起こしやすくなり近隣の環境を悪化させます。
3 不審者侵入
環境悪化によって、不審者の侵入を招くこともあります。
ガラス窓などが割れたことで、容易に侵入が可能となり、不審者が家に住み着いてしまうことも。
実際に私も古家を見学した際に、浮浪者の人が寝ていたと思しき布団を見たことがあり、驚いたことがあります。
それ以上に恐ろしいのは、麻薬などの売買の場所として使用される、性犯罪の場所などに使われるなど、より凶悪な犯罪の場として「空き家」が使われてしまうことでしょう。
4 放火
無人の家は、放火犯にとって絶好の場所です。 雑草などの枯れ草も、燃焼剤に一役買いますし、何よりも人目につかないため放火は容易です。
令和2年2月12日発表の消防庁が発表した「令和元年(1~9月)における火災の概要(概数)」によると、出火原因の第4位は「放火」で、出火原因の7%にもあたります。
「放火の疑い」まで含めると11.7%。出火原因の堂々1位です。 放火は、他人事ではないのです。
5 倒壊
木造住宅などは、使わなくなると急速に建物が傷み、老朽化します。そのため、大型の台風などがありますと、倒壊の恐れが高まります。
また、昭和56年以前に建てられた家の場合、旧耐震法で建てられていますので、地震などに弱く、運よくこれまで持っていたとしても、今後の地震などの際に倒壊の恐れがあります。
【 解決するためのヒント】
- 1.庭の荒廃
- 2.環境悪化
- 3.不審者侵入
については、空き家を定期的に 管理することで防ぐことができます。
庭の手入れ、家の空気の入れ替えを定期的に行えば、空き家が廃屋化することはないでしょう。
自分で行えば交通費のみでできますが、庭の手入れのための造園業者や、空き家管理サービスに依頼をするとなりますと、庭の手入れは職人一人につき15000円~30000円ほど。
空き家管理サービスは、ひと月1万円前後のものが多いようです。 空き家管理サービスについて詳しくは、以下をご覧ください。
参照:空き家の管理代行会社の賢い選び方 ! 〜費用感や選び方と注意点・無料管理方法〜|空き家活用Lab
また、万が一窓ガラスなどが割れた場合や、台風などにより雨漏りが発生した場合には、人が住んでいない家であったとしても修繕が必要です。
外壁の塗装が持つのは、基本的に10年~15年と言われていますので、それくらいの時期には一度空き家の大修繕も必要となるでしょう。
- 4.放火
- 5.倒壊
については、火災保険に入ることをおすすめ致します。
1~3のトラブルを避けるために、空き家を適切に管理すれば、4,5についてはある程度さけることはできますが、万が一放火された場合に家が焼けたら後処理をしなければなりません。
その際に火災保険に入っていれば、保険金で家の片づけなどをまかなうことができます。
家の倒壊なども、風災の場合は火災保険の特約でカバーできるものもありますので、契約の際には風災もカバーするものにするとよいでしょう。
「特定空家」を1年超放置したら税金6倍に
「空家等対策特別措置法」と「特定空家」にしない方法
≪特定空家に認定される家とは≫
年々増え続ける空き家ですが、国はそんな空き家問題を解消するために、迷惑な空き家に法的処置をとる「空き家対策の推進に関する特別措置法(空家対策措置法)」を平成27年2月26日に施行しました。
この法律によって、1年を通して建築物の使用実績が無い場合「空き家」として認定され、さらに著しく景観を損なうなどの迷惑な状態にある空き家は「特定空家」となります。
「特定空家」に認定されてしまうと固定資産税は、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)であれば6分の1、一般住宅用地(200㎡を超える部分)は3分の1の減額がされなくなり、都市計画税についても小規模住宅用地では3分の1、一般住宅用地では3分の2の減額がされなくなります。
助言、指導、勧告から1年あまり放置しただけで、税金が6倍になってしまうので注意が必要です。
【 解決するためのヒント】
空き家は、放置をしても、管理をしてもお金がかかります。
放置は最初こそお金がかかりませんが、6倍となった固定資産税、3倍となった都市計画税などだけでなく、空き家の撤去費等…最後に大きな金額が自治体から請求されます。
そして管理をしたとしても、管理費以外に固定資産税、都市計画税、光熱費(電気、水道)の最低料金、家の修理費や庭の手入れなどがかかるのです。
税金は土地や家の大きさや地域によって価格は変わりますが、おおよそ50万円ほどです。
将来空き家の利用予定があるのであれば、特定空家にしないためには、これらの費用を払って空き家を正しく管理をすることは必須ですが、もしも利用予定がないのであれば、早々に売却をすることが得策です。