世田谷区の空き家数は全国トップ!眠れる財産の効率的な活用法を考察します。

世田谷区の空き家数がどのくらいあるのか、皆さんはご存知でしょうか。 2018年の住宅・土地建物統計調査によれば、約4万9千戸もの空き家が確認されています。 これはなんと、国内の自治体において全国トップの空き家数。 憧れの住宅地としても人気のあるエリアにも関わらず、多くの空き家が使われないままとなっている現状があるのです。

では、なぜ世田谷区では空き家が増え続けているのでしょうか。今回は世田谷区の空き家増加の背景も確認しながら、眠る物件を財産として蘇らせるための効率的な活用法を、現代のトレンドを踏まえて考察していきます。

空き家活用における補助金や、民間のサポートも整理していますので、是非参考にしてみてください。

目次

人気の高い世田谷エリア。空き家の現状とは

まずは、世田谷区の空き家の現状をから確認してきましょう。

世田谷区における空き家の現状

世田谷区の空き家は1998年頃から増加しており、2018年の住宅・土地建物統計調査では、約4万9千戸の空き家が確認されています。

なお、前回の2013年の調査では、空き家数約5万3千戸と過去最高の記録となりました。

1988年から2008年までの統計をみると、約3万戸から4万戸の間を推移していましたが、2013年・2018年の調査では約5万戸と大きく増加しており、世田谷区の高齢化が進んでいることからも、増加傾向はしばらく続きそうです。

世田谷区は「その他空き家」が非常に多い

世田谷区の空き家は「その他空き家」に分類される物件が多いのが特徴です。
具体的には、一般的に賃貸や売買の取引をされておらず、今後の活用方法も決められていないような物件だといえます。

このような空き家は、所有者の入院や長期不在であるケースが多く、放置されがちな物件。
対応が遅れれば治安の悪化にも繋がる為、自治体もサポートを行いながら対策や活用を促している物件です。
この「その他空き家」は、自治体の支援も整備され比較的活用しやすく、利活用を通して社会貢献できる取組みがしやすい物件だと言えます。
住宅地として比較的人気の高いエリアですので、空き家を活用せず眠らせておくのはまさに宝の持ち腐れです。
上手く活用することで素晴らしい財産になる、そんな空き家物件がまだまだ多く残っている地域となっています。

世田谷区の空き家、その増加理由は高齢化・・・だけではない

次に、世田谷区における空き家増加の原因を探っていきます。空き家増加の原因から、今後の街の様子も予測できますので、是非ご参考ください。

空き家増加の最大の要因とは?

世田谷区の空き家増加の最大の原因は、高齢化に伴う空き家対策の遅れです。
世田谷区は、三軒茶屋、二子玉川、駒沢など住宅としての需要が高いエリアで、古くから人気の住宅地ということもあり、多くの高齢者の住まいがある地域となっています。
その為、特に一戸建ての住宅に住む高齢者を中心に長期入院や死去するケースも増え、やむおえず空き家となる場合が増加しているのです。

また、近年では人口ボリュームの多い団塊の世代が70歳以上を迎え、それに伴って空き家となる物件も増えてきています。
世田谷区内の年齢別人口をみても、現在も70歳以上の世帯が多くあることから、空き家の利活用が進まない場合は、今後も空き家数が増え続けると予測できるのです。

一方で若い世代の暮らし方も要因に

空き家数増加は高齢者が多いことだけではなく、若い世代の夫婦に共働きが増えてきたことにも起因しています。
現代人の多くは仕事を中心とした暮らしとなっているため、元々世田谷区に住んでいた方も、より都心へアクセスしやすいエリアへの移住や職場近くのマンションに暮らすことで、物件を手放すケースも増えているようです。
また、世田谷区の空き家物件を求める若い世代が、購入しづらい物件価格である点も空き家増加の一因となっています。

世田谷の人気エリアは今でも比較的物件価値は高く、若い世代の手に届かない価格の空き家も多いものです。
同じ一戸建てであれば、補助などを考慮して新築を選択する世帯もあることからも、世田谷の空き家物件は利用されにくい現状があると言えます。

それでも人気!世田谷空き家が財産になり得るワケとは

では、タイトルにもある「世田谷区の空き家物件は財産である」その理由について整理していきます。

世田谷区に住む世帯は増え続けている

人気住宅エリアの多い世田谷区は、今も依然として需要の高いエリアです。
1993年に約40万世帯あった総世帯数は、現在も年々増加しており、2013年には50万世帯を越えています。
このことからも空き家活用の認知を進め、利用価格を工夫するだけでも、世田谷区に住みたいというニーズはまだまだあると言えるのです。

特に下北沢などを中心に、若い世代に人気のエリアも広がりをみせており、価格を抑えたマンションやシェアハウスの増加もあり、比較的住みやすくなったのも一因だと言えます。
空き家事業を進めるうえでは、このような若い世代の動向や価値観を踏まえ、活用の方針を決めることもお薦めです。詳しくはこの後の章で、整理していきましょう。

都心と郊外を繋ぐアクセスの良さ

世田谷区には京王線や京王井の頭線、小田急線や東急田園都市線など多くの鉄道が走っています。
都心から郊外へと延びる沿線が多くあり、それぞれへのアクセスに非常に便利な地域であるのも特徴的です。

昨今の働き方の変化に伴う、郊外移住やサテライトオフィスなどにも利便性の高いエリアで、都心に住む方にも、郊外に住む方にとっても、どちらからもアクセスしやすいエリアであることは、事業活用を進める上でも非常に有利であると言えます。

住宅環境としても水準の高い環境

世田谷区では、比較的高い建築基準や景観保護に関する条例も整備されており、住みやすい住環境が整えられています。
また、駒沢オリンピック公園や多摩川河川敷、等々力渓谷を始めとする公園も約500箇所ほど整備され、自然と住宅のバランスを考慮した街づくりが行われているのも特徴です。

地域の緑化には「世田谷みどり33」という目標を掲げ、約10年後の2032年には区の1/3の緑化を推進することを目指しています。
将来的には自然と街が一体となったエリアとなり、さらに住み良く働きやすい環境が整備される方針です。

地域の環境は空き家の住宅活用はもちろん、様々な事業にとっての大切な要素。世田谷区では、幅広い事業に対応できる環境整備が進められています。

<次ページ:世田谷区の空き家を有効に活用する方法>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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