空き家活用収益化において成功/失敗のポイントと事例~分かれ目はどこにある?~

最近話題の空き家問題。もはや他人事ではなくなってきてる方も多いのではないでしょうか?空き家は、何もしなければ、固定資産税や維持費がかかる、「マイナス」の資産です。

空き家を持つ方なら誰しもが、「何とか、空き家を活用し収益化したい!」と、切に願っていますよね。実際に、空き家を有効活用できれば、「マイナス」の資産から儲かる「プラス」の資産にすることが可能です。

失敗事例も多くある、空き家活用。そのリスクと成功の秘訣は一体何であるのか。失敗例を挙げながら、分かりやすく、紐解いて行きましょう!

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目次

空き家事業は成功する可能性もあるがリスクも大きい

なぜ、空き家活用には失敗が多いのでしょうか?

昨今の国を挙げての空き家活用ブームに乗り、空き家を活用しシェアハウスや古民家カフェなどの事業を始めた結果、初期投資すら回収できず、大損して失敗してしまう人も少なくありません。

空き家さえ持っていれば、一見すると、簡単に始められそうだと思うかもしれませんが、事業である以上、常にリスクがあることを必ず、念頭に置きましょう。


国としての斡旋の動き

2018年6月15日から、「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が施行されたことはご存知でしょうか?外国人観光客の増加や東京オリンピックを見据えての宿泊施設不足、空き家問題などを背景に、新しく成立した法律です。

これにより、一般の住居でも「民泊事業」ができるようになりました。

今までは、「旅館業法」により、人を宿泊させて収益を得る事業を行っていいのは、ホテルや旅館、簡易宿所や下宿だけでした。


制定された「民泊新法(住宅宿泊事業法)」

人を宿泊させる稼働日数が年間180日以内であれば、民泊の事業をしても良いことになっています。

もちろん、民泊を始めるには、事前の許可や申請は必要ですが、「民泊新法(住宅宿泊事業法)」によって、宿泊事業へのハードルは大きく下がりました。

空き家問題への関心は高く、様々な空き家活用の斡旋や法律などが制定されています。各地方自治体による、空き家活用への補助金や助成金制度などもその一つです。

空き家活用による収益化を急ぐあまり、誰もが安易に空き家事業に手を出してしまう傾向があります。

リスクを把握したアクションが重要である

空き家問題が顕在化するにつれて、法律や補助金などで、空き家が活用し易くなったことはメリットです。これまでより、空き家事業によって収益化をし易くなってきました。

正しく、活用することが大事!

事業である以上、失敗する可能性はあります。事前に情報や知識を得て、リスクを洗い出し、自分で把握しておくことが重要です。自分の持っている空き家とやりたい事業との統合性や、収益化へのシミュレーションを行い、失敗へのリスクを回避した上で、慎重にアクションを行いましょう。

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空き家運用の大枠パターンについて

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主な空き家活用の方法は、以下4点の選択肢に分けられます。

自分の持っている空き家の状態(居住可能なのか、修繕が必要かなど)や立地条件、資産価値などを把握し、どの活用パターンが最適なのか判断する目を養いましょう。

  • 誰かに貸す
     例) 一軒貸し、シェアハウス、Airbnb(エアビー)など
  • 自分で利用する
     例) 古民家カフェ経営、旅館経営など
  • 売る
     例) 不動産会社、専門買取会社など
  • 土地活用
     例) 壊してマンション、駐車場運用、コインランドリー運用など

パターン1:誰かに貸す

一口に、誰かに貸して賃貸収入を得る活用方法でも、様々なパターンがあります。

A そのままの状態で貸し出す(一軒丸ごと貸し)

最も難易度の低いシンプルな活用方法です。立地条件などの利便性が良く、物件の状態も良い、魅力的な空き家であれば、すぐ借り手が見つかり、家賃収入が見込めます。


B  シェアハウス

学生街や単身者が多く住むエリアなど、一軒家では広すぎて、なかなか借り手が見つからない場合に有効な活用方法です。1つの家を数人に貸し出すので、家賃を安く設定でき、単身者や学生のニーズに応えられます。また、家賃収入も複数人の住居者がいれば、1軒家で貸し出すよりも、多くなる場合があります。

C  Airbnb(エアビー)

観光客の方をメインターゲットに、民泊を行い活用する方法です。宿泊費による収益化が見込めます。外国人観光客の多いエリアなどは、特にニーズがあります。外国の方にとっては、昔ながらの古い日本家屋ほど、喜ばれ、価値のある物件と言えます。

D 借主負担DIY型で貸し出す

これまでは、貸主である空き家の所有者が、内装などを綺麗に、修繕するのが主流でした。借主負担DIY型では、住めない状況でなければ、修繕などを行わず、そのまま貸し出すことが可能です。借りた側が、修繕しながら、居住するパターンです。貸主にとっては、初期費用がかからず、綺麗になって返ってくる可能性があります。また、借主が自分で修繕するので、物件に愛着が湧き、長期契約に結びつくこともあります。借主にとっても、自分の好きなスタイルに修繕でき、原状回復の必要がないことなど、双方にメリットがあります。事前に修繕可能箇所の取り決め等は必要になってきますが、昨今のDIYのブームも相まって、ニーズは高まっています。

パターン2:自分で利用する

自分で住む以外にも、古民家カフェの経営をやってみたり、宿舎の経営をやってみたりする活用方法もあります。賃貸収入を得るより、かなり難易度は高くなりますが、上手く軌道に乗れば、大きな収益を生む可能性があります。

パターン3:売る

適した活用方法がなく、今後住む予定もない場合は、売却も視野に入れて考えましょう。空き家や土地を売り、資産を現金化する活用です。

放置している間に、固定資産税などの維持費だけが、かさんでしまいます。「特定空き家」に認定されてしまう可能性も高まります。

売却価格に納得できる場合は、空き家を売り、収益を得ましょう。大まかに、不動産売却と不動産買取という方法があります。

A 不動産売却

空き家を不動産として売る方法です。空き家物件の相場を確認し、信頼の置ける不動産会社に仲介を依頼し、物件を売りに出すのがオーソドックスな流れです。

B不動産買取

通常の不動産売却で買い手が付かない場合に有効です。古い家や、広すぎる家は、買い手が付きにくい傾向もありますが、専門買取会社や不動産会社なら買い取ってくれる可能性があります。不動産会社や専門買取会社には、空き家活用のための資金やノウハウが潤沢にあります。

新しく戸建てやマンションを建てて売るなどの様々な活用方法ができます。一般の個人より、不動産会社や専門買取会社の方が活用方法の幅が広いため、個人向けでは、なかなか買い手のつかない空き家物件でも買ってくれることがあります。

パターン4:土地活用

空き家を解体し、更地にした土地を活用する方法です。更地にした土地を、地域のニーズに合わせて、駐車場やコインランドリーにしたり、そこにマンションを建てたりして活用し、収益を得ることができます。解体費用がかかること、更地のままにしておくと、税金が上がってしまう点には留意が必要です。

上記のように、様々なパターンのある空き家活用。それぞれに、やはり失敗事例があります。次項からは、失敗例を挙げながら、なぜ、失敗に至ったのかを分析していきましょう。

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空き家を運用しようとして失敗した事例

例えば、自分で利用したり、誰かに貸したりするだけでも、以下のような失敗実例があります。


失敗事例1:シェアハウス

背景

Aさんは自分の持ち家の他に、両親から相続した空き家を持っていました。子ども達も、独立し別の土地で、地盤を築き、幸せに暮らしています。親族の中にも、その空き家で暮らしそうな人は見当たらない状況でした。

毎年、固定資産税だけがかかります。さらに、このままでは、特定空き家として認定され、増税されてしまうかもしれません。子どもや孫に、マイナスの遺産だけは残したくないと頭を悩ませていした。

実施内容

空き家を活用して、何とか収益化したいと思い、不動産運用について勉強を始めたAさん。そこで、思いついたのが、「シェアハウス」の事業です。Aさんの空き家の家の近くは、大学もあり単身の若い人が多く住んでいる地域でした。家賃を低く抑えられるシェアハウスには、ニーズがあると考えたのです。

Aさんの空き家は、トイレやお風呂の水回りが古く、今の若い人向きではありませんでした。そのため、トイレは洋式へお風呂も追い焚き機能をつけるなど、思い切ってリフォームをしました。その他、人数分の寝具の用意など、シェアハウスに必要な備品の調達も行いました。

準備も整い、不動産会社の人にも相談しながら、シェアハウスの事業を始めました。

しかしすぐに問題が発生しました。居住者間のトラブルです。

Aさんは、掃除やゴミ出しについて等、大まかなハウスルールはある程度決めていました。他の共同生活のルールについては、常識の範囲で何とか上手くいくと思っていたのです。


使い方、居住者同士の人間関係のトラブルもありました。Aさんはその度に、対応に追われました。女性専用のシェアハウスにしていたので、女性同士の難しい人間関係もさらに影響しました。

注意しなければいけなかったこと

振り返ると以下の要点が出てきます。

【シェアハウスという同居環境】

空き家を活用したシェアハウスの場合、アパートやマンションと違い、居住者が同じ家に住みます。個別に部屋があったとしても、キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは、共同となります。リビングなどは、共同スペースとなり、居住者間のトラブルが起きやすいです。

【流動的な同居環境と収益性】

また、シェアハウスは通常のマンションやアパートより、居住者が流動的で、家賃収入が安定しない面があります。シェアハウスの住民は、自分の家具や電化製品を持ってないので、身軽に他のシェアハウス等へ引っ越しがし易く、合わない居住者がいると、一緒に暮らせないからと、すぐ出て行ってしまう人も多くいます。

Aさんの場合も、居住者が学生や若い方ばかりだったので、長期で住む人はあまりおらず、長くても1年から2年でした。その度に、寝具のクリーニングや新しい居住者探しをしなければなりません。もちろん、収入も安定しませんでした。


【競合状況】

Aさんにダメージを受ける出来事が起こりました。Aさんのシェアハウスの近くに、単身者用のアパートや同業のシェアハウスが建ち始めたのです。最近では、シェアハウス業界も個人ではなく、大手のハウスメーカーが運営を行うこともあり、競合が激しくなってきています。

最終的には、、

Aさんのシェアハウスには、最後には、入居者が1人になってしまいました。入居者1人の家賃では、管理費などを考えると、大赤字です。

クレーム処理などにも疲れてしまい、空き家の時より維持費が発生してしまうので、Aさんは、シェアハウス事業を辞めることにしました。しかし、最後の1人は、居心地が良いので、シェアハウスから出て行ってくれません。契約上、出て行ってもらうことも、家賃を上げることもできず・・・。

Aさんは、今、シェアハウスを始めたことを心底、後悔しているそうです。


失敗事例2:賃貸

背景について

都心で働く50代のBさんは、職場への通勤や子どもの通学を考えて、都心から1時間以内の場所にマンションを購入しました。マンション購入の決め手は、最寄り駅から5分以内であることでした。郊外の田舎に住む、80歳を超えているBさんの両親は、日常の生活が不安になり、介護付きの老人ホームに入居することにしました。そのため、Bさんが実家を相続することになりました。

郊外の実家は、駅からも遠く、今の生活には不便なので、正直Bさんには必要ないものです。相続した後、実家の空き家の固定資産税の金額を知った時、何とかしてこの空き家を活用し、収入を得たいと考えるようになりました。このまま、何もしなければ、税金だけがかかってしまうと思ったからです。

実施内容

Bさんは、手っ取り早く、シンプルな活用方法である、空き家を丸ごと賃貸で人に貸し出すことにしました。幸い、両親が去年まで住んでいたこともあり、修繕せずに十分居住できる状態でした。誰かに貸すことができれば、家賃収入を得て、空き家を収益化する計画でした。

不動産会社を利用し、居住者を募集しました。数ヶ月後には、無事入居者が決まり、Bさんは、一安心。


しかし、、、赤字スタート

入居日早々に「クーラーが使えない」と電話がかかってきました。調べてみると、機器の故障でした。事前に調べた段階では、故障は見つからなかったのですが、古い設備なので、入居日までの間に故障してしまったのだと思います。

修理代が余分に発生し、初月から赤字スタートになってしまいました。

その後も、事前には把握していなかった、雨漏りやドアの建て付けなど様々な不具合が判明しました。Bさんは、それらの修繕費用を全て負担することになったのです。

Bさんは賃貸不動産の設備不良については、貸主が全額負担しなければならないことを知りませんでした。立て続けに、修繕費用がかさみ、収支は赤字です。

注意しなければいけなかったこと

Bさんは、下調べや下準備をせず、安易に空き家を賃貸に出した事を、後悔しました。しかし時既に遅し、都合良く、入居者は出て行ってくれるわけもなく、ましてや借地借家法があるので、出て行ってもらうお願いをすることもできません。

他にも、借主が貸主の許可を得て設置した設備は、退去時に貸主が負担することを知らなかったりと、不動産素人で賃貸事業が初めてのBさんは、驚くことばかりでした。

結局、Bさんの空き家の賃貸による収益化は、赤字経営のまま、失敗に終わりました。


失敗パターン3:Air BnB

背景

働き盛りの筆者は、実家にある空き家に頭を悩ませていました。固定資産税の他にも、人が住んでいないことによる、老朽化も心配でした。何とか、空き家を活用し収益化できないか、考えていた頃、民泊新法のニュースを目にし、空き家を活用した、Air BnBの事業を始めることにしました。

実施内容

旅行が趣味の筆者は、海外でAir BnBを使い宿泊した経験もあったので、以前からAir BnBの事業に興味がありました。

思いついたのはAir BnB宿泊費をもらい収益を出し、家の換気もでき老朽化も防げる!一石二鳥の事業だと思いました。

筆者の実家は、外国人観光客もよく訪れる場所で、実家の雰囲気も古き良き時代の日本家屋でした。Air BnBは、外国人利用客が多いので、その点は良い条件だったと思います。

悩まされる負のスパイラル

開業当初から様々な問題に悩まされてしまいました。

宿泊客のマナーが一番の要因です。深夜にパーティをし、騒いだり、飲酒をして暴れたり。隣近所からもクレームの嵐です。また、宿泊客同士のトラブルや喧嘩なども起こりました。その度に、対応に追われ、本業の仕事にも影響してしまいました。そういったトラブルの影響で、宿泊客からの低評価やマイナスの口コミも増え、新規のお客さんが来なくなってしまう負のスパイラルに陥ってしまったのです。

それ以外にも、宿泊客が帰った後の掃除やゴミの処理などを、清掃代行業者に依頼しており必要経費もかさみました。結局、採算が合わず、心労もあって、Air BnBの事業は辞めました。

注意しなければいけなかったこと

まず一つは文化の違いでいた。外国と日本は当然ながら文化が違います。日本人は察する文化(ハイコンテクスト)であるのに対し、外国は言語化されてないことは自由(ローコンテクスト)の文化です。適切な言語化とアテンドが必ず必要だということが後からわかりました。

もう一つは口コミの力です。近年口コミなどのナチュラルな顧客の声は広告を凌駕することがわかりました。よって文化の違いなどを考慮してトラブルが起きないように、良い顧客体験を与えることが重要だとわかりました。

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着目するべきリスクの共通ポイント

上記の事例を取りまとめると、共通する事柄が見えてきます。

1:収益性の知識について

事業を行う上で、基本的な部分の理解があるかどうかでアクションが変わってきます。自分が行おうとしている事業が、ストックビジネスかフロービジネスかをしっかり把握していますか?

その違いを知る必要があります。

ストックビジネス

新規に契約を結ばなくとも、継続的に利益を得ることのできる形態です。空き家活用では、賃貸やシェアハウスでの事業が当てはまります。一度契約を結ぶと、解約までの期間は、収益が継続的に安定し、収益体制の構築がしやすいです。

フロービジネス

常に新しい契約によって、その都度、収益を得る形態です。空き家活用では、古民家カフェやAir BnBが当てはまります。特に、カフェ経営などの飲食店は、固定費や変動費も緻密に計算しなければなりません。毎回の来店での収益となるので、収益が安定しにくく、見えずらいです。(ストック化しずらい)そのため、飲食店などは一番難易度が高い事業と言えます。


2:ニーズについて

空き家のある、土地のニーズを把握し、マーケティングの調査を行うことが必要です。土地によって、事業が大幅に収益化できるか否かが違ってきます。どういった活用方法に適しているか判断する場合も、土地のニーズを知っていることが、失敗を避ける上で重要です。カフェやAir BnBなどは特に重要です。周辺に観光スポットがあるのか?最寄り駅から徒歩圏内なのか、車でしか来れない場所なのか?など、自分の所有する空き家の土地のニーズに合わせた収益化可能な事業を行いましょう。活用に向かない土地の場合は、売却することも視野に入れましょう。空き家活用を行う上で、工夫が必要な土地の条件をいくつかご紹介します。

駅から遠い(駅から空き家まで信号が5個以上ある)子どもが少ない(近くの学校が閉鎖・合併している)治安が良くない(防犯注意の看板などが目立つ)
周りに空き家が多いスーパーやコンビニなどがなく買い物に不便近隣の家に駐車スペースがない
坂の上にある不動産屋が近くにない駅からのアクセスが車のみ(バスや電車がない)

3:契約観点でのリスク

貸主が、一番知っておくべきことは何でしょうか?

まず、何よりも知っていて欲しいのは「貸す側は法律的に弱く、借りる側が強い」ということです。貸す側には借りる側の生活を保障する義務があります。

そのため、生活の上で発生した修繕費などを負担しなければなりません。契約の段階で、できるだけリスクを排除した有利な契約を進めましょう。借主負担DIY型などもその良い例です。また、退去についても居住期間を設けた契約や、退去のお願いができるような契約であれば、リスク回避になります。賃貸に出す場合、事前にしっかり考えて契約書を交わすことが必要です。


4:ステークホルダーのリスク

ステークホルダーとは、事業を行うことで、影響を受ける人たちのことです。

影響とは良いことも悪いことも含まれます。空き家活用に置いては、近隣の住民の人たちなどが該当します。一般的に何かプロジェクトをする場合、ステークホルダーが多くなるほど問題が大きくなり、難易度が高くなります。

よって、事前に接点のある周りの全てのステークホルダーに関してのリスクも洗い出しておくことが良いでしょう。

例えば、Air BnBなどは異文化の人種の方々と交わることによる摩擦や、シェアハウスでは若者が多くなるという点において、その周りにいる住人の存在も視野に入れリスクを想像する必要があります。

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実施・判断の前に把握しておくべきこと

空き家活用の失敗事例から見えてきた、共通のリスクを踏まえ、空き家を活用する方針決定において、把握しておくポイントをまとめます。



売却したらどれくらいの金額になるか

売却での資産価値はどのくらいあるのかを必ず調べましょう。売却での資産価値と空き家活用事業でのリスクと収益の見込みを比べ、売却か活用かどちらが良いのか判断することが大事です。売却の見積もりサイトなどを活用し、ご自身の空き家の資産価値を把握しましょう。

NTTグループ運営のHOME4U

HOME4U

https://www.home4u.jp/

大手不動産6社合同運営のすまいValue

大手6社によるカンタン一括不動産売却・査定

参考:https://sumai-value.jp/lp/

どういう活用の種類があるのか

売却ではなく活用を考えている場合、どのような活用方法があるのでしょうか?あらかじめの知識を仕入れてリスト化しておきましょう。

空き家を活用する場合

以下に一例をまとめてみました。

  • 賃貸物件
  • シェアハウス
  • Air BnBや民泊
  • コワーキングスペース
  • 古民家カフェ
  • 店舗用物件

空き家を壊し土地を活用する場合

以下に一例をまとめてみました。

  • アパート経営・マンション経営・戸建賃貸経営
  • 賃貸併用住宅・サービス付き高齢者住宅経営
  • 事業用賃貸経営・駐車場経営・トランクルーム/貸し倉庫
  • コインランドリー経営・太陽光発電での売電
  • 貸地として土地のみを貸す

選択肢をあらかじめ整理しておくとあとが楽です。

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活用方法を決定した後のリスクの洗い出し方

活用方法を決めた後は、失敗事例から見えてきた共通点を、自分がこれから行う空き家活用に当てはめて、もれなく洗い出しましょう。

活用の収益性

まずは収益性をシュミレーションしましょう。

利回り・・・・空き家を活用する際にかかる初期費用(リフォーム代や修繕費など)に対する収益の年間の平均割合。初期投資があまりにもかかるリフォームや銀行から融資を受ける場合などは、しっかりと計算し、検討しましょう。

限界収益・・限界収益=売上ー変動費     

民泊で考えると、変動費は宿泊客を受け入れた場合の水道光熱費やクリーニング代などがあります。限界利益から、固定費(水道光熱費の基本料金や定額のネット通信費、空き家を維持するための固定資産税など)を引いた金額が利益になります。単純に家賃や宿泊費を収益と考えないようにしましょう。

収益タイプ・・フロービジネスなのかストックビジネスなのか、収益タイプを把握しましょう。


ニーズの有無

もう一度、始めようとしている空き家活用事業にニーズがあるのか、冷静に考えてみましょう。手法としては、3C分析やカスタマージャーニーなどの思考フレームワークが有効です。

3C分析

 3つのCは、それぞれ、1顧客・市場(Customer)2 競合(Competitor) 3 自社(Company)のことです。これら3つの着眼点に基づいて、自分の行う事業を分析してみましょう。

このような記事を参考にするとベターです。

例えばですが、シェアハウス事業を行う場合について簡単な3C分析を行ってみましょう。

1顧客・市場(Customer)
 ・自分のシェアハウスに、居住してくれる人はいるのか?
 ・立地条件は?
 ・顧客の欲しいものやニーズはどこにある?

2 競合(Competitor)
・近くに競合他社はいないのか?
・潜在競合はあるか?
 (シェアハウスだけでなく、安い単身用のアパートや学生寮などはあるか?)

3 自社(Company)
・競合他者と自分のシェアハウスとの差別化要素はどこにあるか
 (クオリティーなのか、値段なのか、ニッチさなのかetc,,,)

自分のシェアハウスにしかできない、魅力や利点、セールスポイントを明確にしておくことが重要です!



顧客の目線の一連の動き(カスタマージャーニー)

顧客の一連の流れを旅のようにマッピング、企業や商品の課題抽出や戦略策定に使用するフレームワークのことです。上の3Cよりいつどこで、何をするか具体的アクションに結びつきやすいのでおすすめです。

参考:CJ Design: 3分でわかるカスタマージャーニーまとめ

Air BnB事業を行う場合について顧客となるターゲットを明確化し、そのターゲット(ペルソナ)が商品を知り→選び→購入→口コミを書くまでの、思考や動作の流れを時系列で把握し分析することです。

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カスタマージャーニーの例

ぜひ上記サイトを参考にして、簡単なカスタマージャーニーを作成してみましょう。

まずは、ペルソナを明確化します。カスタマージャーニーでは、この設定したペルソナが、どうやって自分のAir BnBを、知り、比較し、予約まで至るのかを、まず、考えてマッピングします。その後、宿泊し、評価(口コミやレビュー)を行うまでの行動を考えましょう。

その中の感情もどう思うかを想像して同時に書き出しましょう。

その一式を俯瞰するとユーザーの行動に添えていない、自らに課題や発案が思い浮かぶはずです。そこを逐一書き出して行けば具体的アクションとなります。

カスタマージャーニーを用いマッピングと仮説立案、効果検証ををしっかり行えば、ニーズの有無やターゲット像、セールスポイントなどが明確化、差別化でき、成功する可能性が大きくなります。


3:法律についての専門知識の習得

もう一つ必ず抑えておいて欲しいのは法律分野です。借地借家法など、契約に関する知識を勉強しましょう。

法律や専門的な知識を事前に知っておかなければ、後々、大きな問題が発生したり、損益が出るリスクもあります。また、居住する際や、宿泊する際の、注意点も洗い出し、事前にリストを渡し、違反した場合の罰則なども明確にしましょう。

シェアハウスのハウスルール(部外者の宿泊の禁止や深夜の入浴禁止、冷蔵庫の使い方など)やAir BnBでの宿泊ルール(喫煙禁止、騒音禁止、パーティの禁止など)より細かく、提示することが重要です。

4:ステークホルダーの洗い出し

最後は「誰が」「誰に」「誰と」やる?をもう一度考えましょう。

自分で全てやるのか、どこかに管理を任せるのか、ターゲットは誰か、相談先・仲介先、リフォーム会社などはどうするのかなど、細かく洗い出しましょう。

忘れてはならないのは、空き家活用を行うに当たって、どういう人たちにデメリットやメリットがあるのかです。近隣の住民の方には、特に配慮しましょう。デメリットがある場合は、事前に説明し、解決策を考える必要があります。

事業を行う前に、これら一つ一つを丁寧に洗い出せれば、そこにあるリスクに気づき事前の対策は考案できるはずです。失敗することもなく、成功への道が見えてきます。

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石橋を叩いて渡り成功の道をつかもう

繰り返しになりますが、収益が発生するものにリスクがないということはありません。その事業において自分にしかない価値が提供できそうでもリスクを洗い出しておくに越したことはありません。

石橋を叩いて、リスクを全て洗い出しておくことが、成功の確率を高める秘訣です。

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この記事を書いた人

旅行会社勤務を経て、フリーランスのライターへ転身。古民家シェアハウスに住み、Airbnbを利用して海外を旅した経験から、日本の空き家問題に興味を持ち、明るい未来に繋がる記事を書いています。

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