今問題視されている「空き家問題」空き家の定義は『1年間』がキーワード!維持費用を含む注意点と幅広い活用方法をご紹介します

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空き家を放置した場合の注意点とは?

では「空き家」と定義づけられた場合、放置しておくとどのようなデメリットがあるのでしょうか?うっかり空き家と判断され、対策が遅れた場合も同様の注意点があります。取り返しのつかない事象が起きる場合もあるため、代表的な項目について確認しておきましょう。

物件の老朽化や破損など

空き家の放置によって破損などが起こると、様々な事故の原因になる場合があります。屋根や壁、塀の倒壊により、通行人や近隣の住宅を傷つけ、多額の賠償金が必要になる可能性も少なくありません。また、ゴミの不法投棄や不審者の侵入、害虫の発生などにより近隣住民に迷惑を掛け、地域の治安を損なう場合もあります。

地域によっては、敷地内への車や家具の不法投棄など発生しており、処分費用を所有者が負担することになるケースもみられています。早めの対策を心掛け、不要な放置には十分注意する必要があるでしょう。

「特定空家等」指定の場合は、多額の税金が必要に

「空家等対策特別措置法」により、管理が行き届かず地域や近隣住民に防災、衛生、景観などの悪影響を及ぼす「特定空き家」であると指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、多額の税金を支払うことになります。

具体的には、固定資産税が当初の額に対して最大6倍となり、地域によって必要になる都市計画税については、最大3倍の金額になってしまいます。自治体からの空き家対策の助言や指導に対応せず、勧告・命令を経過するに従い、ペナルティは重いものになる事例のひとつです。空き家に該当すると分かった場合は、早期対策が必要だと言えるでしょう。

最低限維持する場合も、維持費用が発生する

空き家を活用せずとりあえず維持する事も可能ですが、その場合は維持費用にも注意が必要です。まず、税金としては固定資産税のほか、地域によって必要となる都市計画税を支払うことになります。そのほか、インフラである電気や、水道の料金も含めての概算が必要です。

また、物件管理を依頼する場合は、管理費用が必要になりますし、建物保険に加入している場合は、保険の費用も必要です。そのうえ、定期的な状況確認のため、自宅から離れた物件であれば、交通費等も計算しておく必要があります。      地域によって維持費用は異なりますが、年間30万円程度掛かる試算もあるので、早めの対策や活用がお薦めです。

空き家を手放す方法

空き家と定義された場合、空き家を手放すということも対策方法のひとつです。ここでは、空き家を手放す方法と注意点を確認していきます。

空き家を売却する

空き家を売却する場合は、専門機関や不動産業者を通じて売却することが一般的です。物件の状態や地域なども査定の対象となりますが、購入ニーズがある地域なら手早く対策が行なえる方法だと言えます。

しかし、不動産や空き家の知識の少ないまま不動産業者などに仲介を依頼すると、売却金額の目安が分からないので注意が必要です。場合によっては、言われるがまま買い叩かれるケースもあるので、売却方法や他の活用方法を十分検討したうえで手続を進めると良いでしょう。

空き家を譲渡する

知人や地域住民などを介して、必要とする方へ空き家を譲渡する方法もあります。注意点としては、具体的に譲渡する相手が決まっていれば手間も少ないが、そうでなければ譲渡先を探すところから動く必要があります。

万が一譲渡前後のトラブルがあった場合は、自分で全て対応する必要があるため、目に見えないリスクもあります。     そのほか、譲渡に際して必要になる書類作成も自身で行う必要があり、トータルでみれば比較的時間と労力が必要となる場合もあるので覚えておくと良いでしょう。

更地にして土地を売却する

空き家を取り壊して、活用できる土地として売却する方法も一般的な対策方法です。この方法で最も注意が必要なのは売却先と税金です。更地にした後に売却先選定が難航すれば、住宅用地の低減措置が受けられない為、固定資産税を更地にする前の最大6倍ほど高く支払う必要があります。

売却できず所持し続ける場合は、高くなった固定資産税を継続して支払い続けるはめになるので注意したいところです。  更地にする場合は売却先選定を事前に行ない、地域によって用意されている解体費用の補助金などを活用すれば、費用負担を軽くして対策することができるでしょう。

空き家の幅広い活用方法

最後に空き家の活用方法について整理していきます。全国的にも収益を得ながら地域活性にも繋がる活用事例が増え、幅広い用途で活用できる点も空き家の魅力です。自身での活用や専門サービスを利用する方法までありますので、代表的な手法をピックアップしてお伝えします。

空き家を貸す

空き家の活用方法としては、専門機関や不動産業者を通じて、空き家を賃貸物件として運用することもできます。資産として所持しておき、手放したくない場合には良い方法だが、借り手が居ない場合のリスクもあり、税金の支払いも考慮が必要です。業者を通す場合は仲介料も必要となるので、最低限の基礎知識や相場観は身につけて活用したい方法でしょう。

空き家専門機関や空き家サイトなどに登録する

空き家サイトなどを介して、空き家を利用したい方へ物件を提供する方法もあります。自治体が運営する「空き家バンク」や、弊社にて運営している「AKIDAS」などへ登録すれば、必要としている個人や法人へ物件を受け渡すことが可能です。

地域活性や社会貢献の観点としても有効な方法で、空き家まわりの相談もできる為、信頼して任せることができます。   自分で活用する手間が取れない場合や、リスクを少なく空き家を手放す場合にお薦めしたい方法です。

空き家を活用する

自身の所有する空き家を、自分で活用する方も増えてきています。必要なリノベーションを施すなどして、住宅や民泊など幅広い用途で活用することも可能です。地域によっては集会所や店舗としても活用でき、新築物件とは違う味わいある空間に興味をもつ方も増えています。

また、以前から地方においてはデザイナーのアトリエや、サテライトオフィスなどにリノベーションし、街おこしのツールとして活用する方法も人気です。昨今のテレワーク業務の浸透によって、今後のニーズも高まる期待のある活用方法ですので、一考してみても良いでしょう。

空き家の活用は、能動的に収益を得ることができるので、先々も資産を地域と共有としながら活用していく楽しみがあります。また、事業化を考えている方にとっては、所有している空き家の成長が地域の活性に結びつくことで、事業拡大の足掛かりにすることもできることも魅力です。空き家の対策が必要な場合は、活用の手段も視野に入れながらご検討頂くことをお薦めします。

<次ページ:空き家は手早い整理や賢い活用が鉄則>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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