コロナ禍でも利用可能な、空き家活用の補助金例。町を蘇えらせる住宅や店舗活用のポイントもご紹介。

新型コロナウィルスの影響で、私たちの生活様式は変化しました。

このような状況でやむを得ず閉店する店舗が増えるなか、町の文化や伝統を守るために何ができるか。空き家店舗や空き家の活用を積極的に行うことこそ、私たちができる数少ない取組みではないでしょうか。

そして、「町を守りたい」そんな想いを後押しする制度が、自治体による空き家活用の補助金制度です。

以前からの補助金を含め、空き家活用に関する補助金は自治体ごとに整備され、今までより利用しやすいものになっています。

今回は、コロナ禍での空き家活用のポイントを含め、町を蘇らせる足掛かりとなる補助金について、一緒に確認していきましょう。

目次

コロナ禍における空き家活用

空き家活用の補助金を確認する前に、まずは空き家活用の現状と、今後の展望を整理していきます。

空き家の民泊活用が減少傾向へ

インバウンドとオリンピック需要の期待感から、ここ数年増加傾向にあった空き家の民泊活用。

空き家の7割程度が民泊として活用されてきましたが、今回の新型コロナウィルスによる旅行客の減少も影響し、一転して厳しい状況となりつつあります。

観光庁が発表している「宿泊旅行統計調査」では、2020年7月度における日本人の宿泊数は前年同月比で約-45.7%、外国人宿泊者に至っては前年同月比で-97%と、大きく減少している現状です。

今後も感染症が増加傾向となる冬季をまたぐことから、引き続きコロナ禍での民泊運営は非常に厳しくなると言えます。

事業者としてはこの先の社会の流れを考察し、柔軟な活用を行うことが大切だと言えそうです。

地域の商店街など空き家が増加

地域によっては町の生活を支える個人店舗や商店街が、やむを得ず閉店するケースも増えています。

特に高齢者の多い地域では生活に直結することもあり、自治体を中心に店舗活用の補助金や施策を実施し、早急な対応を進めている状況です。

事業者としては空き店舗活用などを通し、町を盛り上げることもできるでしょう。

新しい働き方は、空き家活用の糸口か?

空き家の柔軟な活用を模索する中で注目されているのが、リモートワークを中心とした「新しい働き方」のスタイルです。

特に、電車通勤の必要な都心部や市街地の企業を中心として、リモートワークや在宅勤務が導入され始めました。

企業によっては本社とは別にサテライトオフィスを設け、新型コロナウィルスとの共存を想定した働き方へと、少しづつシフトしています。

2020年、人材派遣大手のパソナグループは、関西中心部にも近い淡路島への本社機能移転を発表しました。

「会社に行かなくても仕事ができる」新しい働き方のモデルを目指し、地域の活性化と一体となった取り組みを開始しています。

このような大手企業の動きもあり、今後の空き家活用においても、サテライトオフィスや移住者向け住宅の需要は、さらに向上する見込みです。

実際に、空き家のサテライトオフィス活用に対しては、誘致や助成も積極的に行われています。

今後は、ビジネスに関連する分野も含めた空き家の新たな活用方法にも、柔軟に対応していくことが求められて始めていると言えます。

コロナ禍でも使える空き家活用の補助金

では、いよいよコロナ禍でも利用できる、空き家活用の補助金事例をみていきます。代表的な実例を紹介していますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

≪鎌倉市≫耐震改修工事等費用の補助制度

神奈川県鎌倉市では、旧耐震基準に沿って建てられた空き家を対象に、耐震改修の補助を行っています。

条件は市又は市指定の耐震診断が一定の耐震基準に満たない場合で、100万円を上限として耐震改修の1/2が補助される制度です。

≪枚方市≫若者世代空き家活用補助制度

大阪府枚方市では、40歳以下の若い世代の夫婦と子育て世代を対象とした、空き家活用の補助金制度を実施しています。

具体的な補助内容は、空き家除去後に新築する場合は上限100万円、リフォームの場合は100万円以上の工事費に対して、上限100万円までを補助金として支給するものです。

≪京都市≫京都市空き家活用・流通支援等補助金制度

京都府京都市は市内の空き家、特に京町家の保全活用を目的として、活用資金の補助制度を整えています。

対象となるのは地域のコミュニティーの場や学生の住居、クリエイターや移住者の住居としての活用です。

ほかにも補助金支給の対象に指定されている活用用途もありますので、活用をお考えの場合は京都市HPをご覧ください。

また空き家活用の補助金額として、改修工事に掛かる費用の2/3を支給しており、一般空き家の上限は60万円まで支払われます。

さらに一定の条件を満たす京町家に対しては、上限を90万円まで引き上げて支給する制度もあります。

店舗としての利用ももちろん可能ですので、幅広い事業者にとって、開業の後押しとなる補助金制度であると言えるでしょう。

このほかにも、コロナ以前から実施されている自治体の補助金制度もあり、現在も活用できる制度が多くあります。

感染拡大防止の為、申請方法が以前に比べて簡略化されていますので、事前調査の上、積極的に活用すると良いでしょう。

編集部注:補助金制度については、2020年当時の情報に基づき掲載しております。最新情報は各自治体のHPなどでご確認ください。

<次ページ:まだある!空き家の”店舗活用”に対する補助金制度>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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