連載|これからの住居-多拠点生活(1)

東京は人気がなくなった?

新型コロナウイルスにより普及したリモートワーク。
リモートワークの普及は、今まで勤務先へのアクセスを気にしていた方々に、郊外移住を促したとも言われています。
郊外移住の流れは本当なのか、そして地方居住と都内居住を両立させる多拠点生活について考察していきます。

住民基本台帳移動人口報告より転出超過数を算出してみます。
確かに、東京は例年と比較しても転出数の割合が増加していることが確認できます。

ただ、東京転出超過の大きな要因は外国人の転入の大幅な減少が大きく占めています。
未だに日本人の多くは、移住先に東京を選ぶ傾向があるものと思われます。

* * *

地方での時間の流れ方

読者の方には地方出身の方も多いのではないでしょうか。
筆者も地方出身です。

しかし、今や地元での居住年数を「東京での居住年数」が上回るタイミングとなってきています。

そのようなタイミングでアドレスホッパーをやってみて思うのが、都内で住んでいるときと地方に住んでいるときの”時間の流れ方”の違いです。

地方と東京で時間の流れ方が違います。
これは周りの環境が要因と考えています。

東京では、昼夜問わずタクシーが道路を走っています。
電車はたった10分の間に何度もお客様を乗せ下ろししています。
「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などがなければ、朝まで開いているお店は少なくありません。

スマホの普及により、仕事でもプライベートでも24時間仕事をする・コミュニケーションを取るということが可能になりました。
東京にいれば、周囲の人々の多くが同じ環境にあるのではないでしょうか?

一方で地方で住むと、東京とは環境が全く異なることが多くあります。
電車は1時間に1本あればよく、乗り過ごしたときの絶望感は東京では味わえません。

お店は19時頃には閉店し、タクシーもすぐに手配できません。
周りの環境は活動をOFFにしろと言わんばかりの状況を突きつけます。

21時にもなれば、周りは静かで活動している人がいないのではないか?と思わせます。
このような状況だと時間がゆっくりと流れるように感じます。


このとき、自分には時間が豊富にあるように感じます。普段、「時間がない」と、言い訳し手をつけていないことにも自然と手をつけるようになります。

* * *

多拠点生活で得る心の余裕

前述しましたが、スマホの普及により活動時間が大きく拡張しています。
仕事の指示はいつでもできるようになりました。労働時間は増加の一途をたどっています。


それがもたらしたものは心の余裕の無さではないかと思うのです。

例えばエレベーター。乗降した後、皆が閉じるボタンを押し早く扉を閉じようとしたがちではありませんか?また、出社時間になっても会社に来ない同僚に苛立ったりします。

住環境は人の生活に直結します。
周りの環境を変えることは、自分の生活を変えること。

多拠点生活は、知らぬ間に染まっている自分の生活をデトックスする効果があると私は思っています。
住む環境で、生活も心の在り方にも自然と影響が出てきます。

次回は、実際にどのようにして多拠点生活をするかについて話してみようと思います。

(了)

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この記事を書いた人

賃貸管理、ホテル運営、レンタルスペース運営、シェアハウス管理の経験を経て、使い方(運営)で不動産の価値を最大化する事業を行っています。プライベートでは、家を持たず転々とするアドレスホッパーをしています。

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