コロナウィルスは、私たちの生活を一変させる破壊力を持ってやって来ました。
経済や人体への影響は未だ、不確かであり、不安にさせる要員であることは紛れもない事実です。
しかし、自然環境やライフワークバランスへの関心の高まりなど、プラスにも作用しています。
「空き家」への需要の高まりもその一つ。
今回は、コロナ渦で塩漬け状態だった「空き家」が売却に成功している事象について解説していきます。
所有する「空き家」に頭を悩ませていませんか?
日本に溢れかえる「空き家」
日本社会は今、働き方改革、教育問題など様々な岐路に立っています。
「空き家」問題もその一つ。
高度経済成長期から続く、新築信仰の意識は根強いままで少子高齢化を迎え、人口は減少しています。
更地にすることによる、固定資産税増額の懸念や新築物件を建てて売るという不動産ビジネスの収益モデルなどの要因から、「空き家」はそのままに、新しい山を切り開き、海を埋め立て、「家」は建設され続けています。
令和元年に総務省が発表した、「住宅・土地統計調査」には、”空き家は 848 万9千戸と 3.6%の増加,空き家率は 13.6%と過去最高”と記されています。
また、”総住宅数は6240万7千戸と2.9%の増加,1世帯当たりの住宅数は1.16戸”とも、記されています。
この数値は、日本の「家余り」の状況を具体的に示しています。
日本には、自分の住む家の他に「空き家」を所有している人が数多くおり、どうするべきか悩んでいる人はあなただけではありません。
そう遠くない未来に「空き家」を相続する人もいるでしょう。
「空き家」問題は、もはや他人事ではなく、誰しもが向き合う必要のある事象なのです。
「空き家」放置という選択は絶対にしてはいけない!
「空き家」を活用も売却もしないとどうなるのか??
「空き家」を相続し所有すると2つの負担がかかります。
≪1つ目は、固定資産税という金銭的な負担≫
固定資産税は、1月1日時点で固定資産税台帳に名前の記載されていた人に課される税金。
「空き家」を所有している間は、ずっと支払う義務があり、逃れることはできません。
≪2つ目は、「空き家」管理に伴う、心理的負担や労力負担≫
「放置空き家」は、周辺の景観や治安の悪化、ゴミの不法投棄、害虫の発生、災害による家屋倒壊リスクの増加など、様々な悪影響を及ぼします。
「空き家」を放置することで、近隣住民の方からクレームが出る恐れもあります。
自分が住まない、使わない「空き家」でも、所有者である以上は、絶対に放置をしてはいけません。
管理し小綺麗にメンテナンスをし続ける責任があります。
そのためには、定期的に草むしりや換気、掃除を行わなければならないのです。
「空き家」を所有している以上、定期的に「空き家」メンテナンスに、時間を割くことは必須。
住んでいる場所と遠く離れた場所に「空き家」があり物理的に定期的な「空き家」管理が不可能であれば外注する必要があります。
その場合、固定資産税の他に、管理サービス会社への報酬費用も発生することになります。
「空き家特別措置法」を知っていますか?
増加する「放置空き家」に対して、国も対策を講じています。
2015年には、「空き家特別措置法」が施行されました。
「空き家」を放置し、「特定空き家」に指定された場合は、固定資産税の増額や、所有者負担の強制撤去など厳しい処置が取られるようになりました。
【参考】
「特定空家等」とは、
①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
②著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③適切な管理が行われないことによ著しく景観を損なっている状態
④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にある空き家等をいう。(2条2項)
顕在化する日本の「空き家」問題に伴い、「空き家」を放置することに対する、監視の目は厳しくなってきています。
「空き家」を売却することで、負担から開放される
自分や親戚の人が使う見通しもなく、賃貸やその他の活用方法も見出せない場合は、「売却」も一つの健全な選択です。
思い出の詰まった実家、仏壇があるなどで躊躇する人もいますが、活用方法がないまま、所有し続けることは、負の資産を持ち続けることになります。
仏壇は、魂抜きなど適切な供養を行えば、処分し小さな仏壇へ位牌を移すことができます。
先々のことを見据えた上で、「空き家」を所有するメリット、デメリットを考慮し、「売却」も視野に入れながら「空き家」としっかり向き合うことが大切です。