「空き家」は「資産」であることに気づこう!
「空き家」とは、本来生かすべき資産
荒れ果てて廃墟化した「放置空き家」や「空き家特別措置法」による「空き家」所有者への監視の目の重圧などから、「空き家=悩みの種」というマイナスイメージが強いですが、「空き家」は本来は有効な「資産」です。
「足るを知る」という言葉にもあるように、まず、自分の持っているものを生かすことに目を向けてみることが大切です。
家でのリモートワークが辛いから、ホテルや他の部屋をレンタルするのではなく、自分の持っている「空き家」、地域にある「空き家」にも目を向けることで、「空き家」の新しい活路が見出せます。
「空き家」活用でSDGs(持続可能な社会)へ
「空き家」を放置するのはもってのほかですが、利用することもなくただ「空き家」を持ち続け、管理だけをするのも健康的ではありません。
「空き家」を所有しているだけでは、金銭的・心理的な負担になるからです。
せっかく資産を持っているのであれば、セカンドハウスとして楽しく自分で使ってみることから始めてみるのもいいでしょう。
コロナ禍のニューノーマルなライフスタイルでは、今までよりも柔軟に「住まい」について捉えることが可能になってきています。
「家」は本来、人が集う場所です。誰も住まない、誰も活用しない「家」は輝きを失い、みるみるうちに老朽化が進んでしまいます。
将来、子ども達が大人になった時、至るところに「空き家」がある日本の未来を想像したことがありますか?
覇気のない、環境にも悪い「空き家」がたくさんあることは、日本の未来のためによくありません。
コロナ渦で生み出されたニューノーマルな生活に照らし合わせながら、今一度「空き家」を有効活用できないか、考えてみましょう。
「空き家」をワーキングスペースに活用した事例集
【自分の所有する「空き家」をワーキングスペースに】
東京都千代田区の「大手町駅」の近くで勤務していたAさん。
高校生になる2人の子どもと共働きの奥さんと4人で、電車通勤のし易い東京都文京区にある「新大塚駅」近くのマンションに暮らしていました。
間取りはファミリー層によくある3LDK。
緊急事態宣言時、リモートワークとなりました。
Aさん一人であればそれほど、手狭ではなかったのですが、共働きの妻に加え高校生の子ども達もリモートでの授業となり、4人分の仕事や勉強のための十分なスペースはさすがに、確保できませんでした。
そこで、Aさんは3年前に両親より相続し「空き家」となっている西東京にある「高尾」の一軒家を仕事スペースとして活用することにしたのです。
定期的にメンテナンスを行い、時々は宿泊したりしていたので、ネット回線を引く程度の最低限の設備を整えるだけですぐに仕事場として活用することができました。
一軒家なのでスペースも十分にあります。
今では、「新大塚」にある自宅と「高尾」にある実家を、行ったり来たりしながら、二拠点生活(デュアルライフ)を満喫しています。
【「空き家」を借りてワーキングスペースに】
コロナ渦を契機に、会社がリモートワークを推進し、コロナ渦の収束後もリモートワークが主流になるという方針が発表されたBさん。
この機会にと、以前から考えていたUターンを実現しました。
ひとまず、実家で暮らす高齢の両親と同居を始めることを念頭に準備をしていましたが、実家ではなかなか作業効率が上がらないのではないかということが悩みでした。
そこで、Uターンをする前に「空き家バンク」で、手頃な一軒家を探すことにしました。
幸いなことに、実家から車で15分程の場所に、一人暮らしのおばあさんが暮らしていた平家の戸建てを見つけることができました。
「空き家」所有者の方は、遠方に住んでいるため、なかなか頻繁に手入れができないことに頭を悩ませており、当初予定していたよりも安い家賃で貸して頂けることになりました。
綺麗にメンテナンスが施されていたので、それほど手を加えることもなく、すぐに使える物件であったことも幸運でした。
仕事用の大きなヴィンテージデスクと本棚、自分好みの観葉植物を並べた快適なオフィス環境に、Bさんは大満足しています。
【所有する「空き家」をシェアオフィスとして提供】
一人っ子同士で結婚したCさん夫婦。晩婚だったこともあり、子どもはいません。
今、東京都内で生活しているマンションは、Cさんの両親から相続しました。Cさんの奥さんも、同じ東京都内に一軒家の「家」を両親から相続しています。
これまで、なかなか活用方法を見出せずにいましたが、コロナ渦で、「空き家」をシェアオフィスやサテライトオフィス、コワーキングスペースに利用している事例を知り、思い切って提供することにしました。
今では、近所に住むサラリーマンの方が、仕事場としてサクッと訪れることのできるコワーキングスペースとして機能しています。