空き家を所有するなんて他人事だと思っていませんか?現代の日本社会では「家余り」の状況が続いています。1世帯当たりの住宅数は1.16%と報告されていることから分かるように、空き家を相続し所有する事は誰にでも起こり得る問題です。
そこで今回は空き家を所有することで起こる負担や空き家を放置することの弊害を解説。そして空き家を有効活用する選択肢の一つとして「空き家の買収」に焦点を当てて詳しく説明していきます。 空き家を所有する事は他人事ではありません。実家を空き家にしないためにも、事前に検討して一緒に向き合いましょう。
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相続する「実家」は、「空き家」になりますか?
「空き家」を持て余す人々
今、日本には「空き家」を持て余し、頭を抱えている人々が多くいます。
核家族化、超高齢化社会、少子化など、日本の社会情勢も「空き家問題」を後押ししているのです。
総務省統計局の調査では、2018年の段階で、日本の「空き家」総数は、およそ849万戸。
1世帯当たりの住宅数は1.16%と報告され、この数字を単純に見ても、日本の家余りの現状が分かります。
2025年には団塊世代が後期高齢者となり、「空き家」は今後も増えていくと予想されます。
「空き家問題」はもはや、他人事ではなく、実家や親戚家など、「家」を相続する可能性がある人には誰にでも起こり得る問題です。
また、「空き家問題」は、自分だけの問題ではなく、地域社会、子世代・孫世代と代々に引き継がれる問題であることを認識しましょう。
「空き家」を所有することで起こる負担
「空き家」を所有することの何が一体負担になるのか、具体的にイメージできていますか?
「家」を相続したら、「納税の義務」と「管理の責任」が発生します。
負担① 【金銭的な負担】
「家」を相続すると、必ず固定資産税を納める義務があります。これは、「家」の所有者である限り永続的なものなので、金額はさほど大きくはなくても、じわじわと負担に感じます。
その他にも、相続した「家」を定期的に掃除したり、点検したりするための費用も考えられます。
実家が遠方にある、持病があって行けないなど、自分で「空き家」のメンテナンスができない人は、外注する費用が、自分で行う人も交通費などが発生するのです。
負担② 【心理的な負担】
「家」は、人が住まう場所。本来であればそこには、生活があり、地域の方との交流もあります。
放置された「空き家」があることは、地域の方にとっては困り事。「空き家」所有者には、「空き家」を綺麗に清潔に安全に保っておく、責任があります。
地域の方と「空き家」を巡って、トラブルにならないようコミュニケーションを取ったり、様々な気苦労もつきものです。
相続する予定の「実家」について事前に真剣に考える必要性
相続する予定の家が「空き家」になってしまう可能性が高い場合、前々から「空き家」をどうするのがベストなのか考え、検討しておくことは非常に重要です。
自分一人で考えるのではなく、親兄弟姉妹、親戚などを交え、みんなで話し合い、お互いに意見を交わし合いながら、「空き家」と向き合うことが大切です。
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なぜ「空き家」放置は絶対NGなのか!?
なんとなく、「家」を引き継いだけれど、自分で住むこともなく、何かに活用することもなく、「なんとかしないとなぁ・・・。」と考えながらも、毎日の生活や仕事に追われ、ついつい「空き家」のまま、そのままという人も多くいます。
この章では、「空き家」を放置することの弊害について書いていきます。
「放置空き家」の悪影響
「空き家」をそのままにして、放置するという選択は、自分のためにも、未来の子どもたちのためにも、周辺環境に暮らす人々、社会にとっても健全な選択ではありません。
人が住まない、人が寄り付かなくなってしまった「空き家」には、たくさんの負の要素があります。
ゴミの不法投棄、スズメバチなどの害虫の発生、犯罪の誘因、災害による家屋倒壊のリスク増など様々。管理の行き届いてない、「放置空き家」が増加することは、社会の荒廃に繋がり、街から活気を奪います。
「放置空き家」だらけになった、日本の未来を想像すると心が痛むのです。
このような、「放置空き家」に対応すべく2015年に施行されたのが、「空き家特別措置法」です。
「放置空き家」への是正勧告や所有者負担の強制撤去執行など、より強い措置が取られるようになり、「空き家」への世間の目はより厳しくなってきていると考えられます。
「空き家」を綺麗に清潔に安全に保っておくことは、「空き家」を所有する上での、最低限のモラルとして捉え、心構えておきましょう。
活用する予定のない「空き家」は、手放すことも一つの手段
自分で住む予定もない、賃貸に出したりして活用することもない「家」は、そのままでは「負」の要素が大きいです。
管理の負担を軽くするために、建物を解体し更地にしても、今度は固定資産税が最大で6倍にも跳ね上がってしまい、金銭的な負担が増大します。
思い切って使わない「空き家」を手放し、活用できる人や会社に利用してもらう選択は、資産をプラスの方向に有効活用することになります。
それだけでなく、周辺の環境や地域社会への貢献となり、サステイナブルな未来へと繋がるのです。