空き家をスケルトンにするメリットとは? 空き家をリノベーションしてフル活用

空き家をスケルトンリフォームしたらいくらかかるの? そんな素朴な疑問にお答えします。
築年数が20年以上の空き家を活用する際に、リフォームやリノベーション工事は 避けて通ることはできません。 少々の手直し程度のリフォームから、スケルトンリフォームまで空き家には どのようなリノベーションが向いているのかを詳しく解説します。
この記事を読めば、空き家のリノベーションについてのメリット、デメリットが分かります。

目次

空き家のリノベーション方法は活用目的で変わる

リノベーションとリフォームについて

リノベーションやリフォームという言葉を良く耳にしますが、意味合いが似ているこの2つの言葉。それぞれどんな意味なのでしょう。
空き家のリノベーションを考える前に、まずは言葉の意味からご説明致します。
実はリフォームという言葉自体は、和製英語なので日本国内しか通じません。
日本語の「住宅リフォーム」に相当する英語としては「renovation」とされています。
現在の日本では、リフォームは「家を修繕する」といった意味合いで使われることが多く、それに比べてリノベーションは使用の用途の変更や、バリアフリー化など「住み心地をグレードアップさせる」という意味合いで使われることが多いようです。
ただ、スケルトンリフォームの場合は、家の躯体(スケルトン=骨)を残して、その他は造りなおすリフォームのことを指します。
つまりリノベーションという言葉の中に、スケルトンリフォームが含まれるイメージです。
ただ、この2つの言葉は施工会社によっても曖昧なので、依頼する会社にきちんと施工範囲や内容について確認をしましょう。

空き家を「貸し出す」ためのリノベーション

まずはコストを考える

空き家のほとんどは、築20年を超える物件です。賃貸として考えるのであれば、メンテナンスとしてのリフォームやバリアフリー化などのリノベーションが必要となります。でも古い家ですと、廊下幅が車いすで通れるとされる80㎝よりも狭く、バリアフリー化が難しい場合も。
バリアフリー化のために、間取りの変更ができるスケルトンリフォームをすることも出来ますが、スケルトンリフォームするためにかかる費用は、1300万円~1700万円前後(2階建て、30坪の場合)です。賃貸に出すことを考えますとコストがかかりすぎてしまいます。
空き家を賃貸に出す場合、コストと収益をまず考えましょう。

空き家をスケルトンにして貸し出すメリット

空き家を貸し出す際にスケルトンリフォームすることはお勧めできませんが、空き家の内装をスケルトンにしたまま、貸し出すことは可能です。
貸主のメリットととしてはリフォームをしないことで、リフォーム費用をかけず貸し出すことができます。借主としては自由に内装や間取りを決めることができるので、内装費がかかるものの自由度が増し、DIYをするのが好きな人には嬉しい物件となります。
ただし、物件によってはスケルトンにするだけで数百万かかる場合もあるので、工務店などにいくらくらいでスケルトン工事が可能かなど、相談しましょう。

空き家に「住む」ためのリノベーション

空き家を手に入れるのであれば、住むためにどのようなリノベーションやリフォームが必要か考えましょう。スケルトンリフォームを行えば、耐熱工事や、耐震補強工事を合わせて行うことも可能です。
闇雲に「空き家を安く買って、住みたい」だけを考えてしまうと、いざ住んでみたら住みにくい間取りだったり、壁や屋根などが傷んでいたりしことで雨漏り補修が必要になることもあります。
ほとんどの空き家は、長く人が住んでおらず、家が傷んでいる場合がほとんです。
住むために必要なのはリノベーションなのか、それともリフォームなのか、しっかりと見極めた上で空き家を手に入れることが重要です。

リノベーションしやすい空き家を選ぶために

空き家を探す際に、どのような建築方法で建てられた家かを確認することは非常に大切です。
空き家はできるだけリノベーションに費用をかけることなく貸し出すことが、黒字経営するためのポイントです。2×4(ツーバイフォー)住宅の場合間取り変更が難しく、無理な間取り変更をすると余計なコストがかかってしまう場合も。
ですので、物件を選ぶ段階から賃貸に出すことを考えているのであれば、2×4住宅は避けた方が無難です。
また1981年以前に建てられた空き家も、耐震補強工事が必要となる場合が多いので、費用をかけたくないのであれば避けることが賢明と言えます。

スケルトンリフォームすることで手に入れられる自由

駅近や住環境の良い場所は、どこも土地の余剰はなく、目的の土地を探すことはなかなかできません。でも空き家であれば、すでに建物が建てられている条件の良い土地を手に入れることができます。
ただ、古い家ですと住むには不便な間取りの場合も。そんな時は空き家をスケルトンリフォームすると暮らしやすい間取りに変更することが可能です。
空き家をスケルトンリフォームするためにかかる費用は、2階建て30坪の家の場合1300万円~1700万円前後です。家を更地にして一から家を建て直すよりは、グッとコストを抑えられます。
空き家の基礎を活かして自分好みの家にすることで、自分らしい家を手に入れることができるのです。

空き家の耐震性をアップするリフォーム

空き家を購入や相続した際に、一番の問題点となるのは1981年6月以前に建てられた家です。
旧耐震法をもとに建てられているため、現在の耐震法では許可の下りない重さの瓦などが屋根にのっていて、住むこと自体が危険な場合もあります。
その場合は、スケルトンリフォームをすれば、耐震補強のリフォームも同時に行えます。

ライフステージに合わせたリノベーション

親などから相続した空き家に住むことにした場合や、田舎暮らしにあこがれて空き家を買い取り住む場合は、自分のライフステージを考えてリノベーションする必要があります。
終の棲家にするのであれば、1700万~2000万円ほどかけてスケルトンリフォームに断熱工事、耐震補強工事、バリアフリー化なども追加し、徹底したリノベーションをしましょう。
幼い子どもを育てる一時だけの田舎暮らしや、転勤先の住まいとして、別荘としてなどであれば日常生活の維持ができる範囲のリフォームをし、コストを抑えることが重要です。

<次ページ:空き家をスケルトンにする際の落とし穴

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この記事を書いた人

雑誌編集を経て、現在はフリーの編集ライターに。空き家や外壁塗装など家周りのライティングが得意。「家の間取」を眺めていれば、ごはん三杯までいけます。

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