相続「する」側の基本。空き家予備軍が最初に読むべき、実家の処分の税、管理など

放置は危険!空き家を相続した場合の管理方法

親が死んだ後、空き家となった家は定期的に管理を行う必要があります。人が住まなくなった空き家は住んでいる間より傷みが速くなるため、こまめに手入れしなくてはならないのです。

具体的な管理方法としては以下のようなものがあります。


≪屋外≫

  • 掃除・雑草の手入れ
  • 外壁、屋根のチェック
  • 雨どい、排水のチェック
  • 防犯対策 など

≪屋内≫

  • 換気
  • 通水
  • 掃除
  • 雨漏りや破損箇所のチェック
  • 害虫、害獣の駆除
  • 防犯対策 など

理想としては1ヵ月に1〜2回程度、上記のような管理を行いましょう。空き家がお住まいの家からすぐの場所にあればさほど負担でもないかもしれません。しかし、住まいが遠い方や仕事や子育て、介護などを抱えている方には、定期的な管理作業が辛く感じることもあるでしょう。その場合には、管理業者に委託するという方法もあります。

* * *

業者に管理を依頼した場合のコストは?

管理業者に管理作業を依頼した場合の費用相場は下記のとおりです。

作業内容頻度・時間料金
屋内外を管理月2回(1時間)15,000円程度
屋内外を管理月1回(1時間)10,000円〜13,000円程度
屋外を管理月1回(30分)15,000円程度

一般的な業者に依頼した場合、5,000〜10,000円で管理を依頼することが可能です。

管理作業代行には様々なサービスがあり、ユニークなものではNPO法人 空家・空地管理センターの運営する「100円管理サービス」があります。(毎月1回、外からの目視で空き家の状態を確認し、写真付きの報告書を所有者に送付する簡易的な管理サービス)

しかし、いずれは空き家を売却、活用することを検討しているなら、屋内外ともにしっかりと管理を行い、家の状態を少しでも良く保つようにしましょう。

* * *

親が死んだ後の空き家問題を解決するための選択肢

親が死んだ後、空き家を所有することで起こる問題を避けるには「売却しかない」と思っていませんか。

しかし、売却以外にも様々な選択肢があり、所有者や家族によって最適な選択は異なります。様々な選択肢を見て、ご自身に合った選択をしましょう。ここでは、「空き家をどうするか」の方針のヒントとなるアイデアをご紹介します。

1. 本人が住む

空き家を所有する本人が住むという選択肢は、最もシンプルな方法です。

空き家の状態によってはリフォームが必要となる場合もありますが、家に思い入れがあり、自分の納得のいく形で残したいと考える方にはおすすめです。しかし、空き家とは別に自分の住まいを所有している人がほとんどですから、「これまでの住まいをどうするか」という点がネックとなります。

2. 所有者本人が店舗やオフィスとして使用する

飲食店を経営する、起業してオフィスとして使用するなど、ご自身で空き家を活用してビジネスを行う方法です。ホテルやカフェなど設備投資や人件費が多くかかる事業は、事業そのものの難易度が高いため、専門的な知識と経験が必要となります。

一方で、初期投資や人件費が少ない活用方法も出ています。 ご自身の特技がある場合はクラフト教室などを行ったり、他にも撮影スタジオ、レンタル収納スペースなど、資格・知識などがなくても手軽に始められるサービスはあります。

この点について詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

参照:ウィズコロナで仕事場に困る人が急増!空き家活用は「ワークスペース×kakeru」がおすすめ!

3. 賃貸物件として貸し出す

状態の良い空き家であれば賃貸物件として貸し出し、収益を上げることが可能です。

賃貸物件で収益を発生させるために最も大事なのは立地です。駅近物件や近隣に商業施設や大学などがあるエリアでは、賃貸物件の需要は高いでしょう。個人向けの賃貸物件として貸し出す以外にも、店舗やオフィスとして事業者向けに貸し出すこともできます。

駅から離れた住宅地や人気の少ないエリアでは、どうしても入居者が集まりにくくなります。しかし「ペット可」、「子育て世代向け」、「高齢者の入居歓迎」などの価値を付けることで入居者にとって魅力的な物件になることも。ターゲットに合わせた条件を提示できるようリフォームを行い、入居者を集めましょう。

家を貸し出して不動産所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要となるため注意してください。

<次ページ:選択肢の4以降は?、そしてまとめ>

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この記事を書いた人

リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。

次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。

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