「地方移住」3つのパターン
一括りに「地方移住」と言っても、形態は様々。
自分が求める「地方移住」後の、生活スタイルがどのパターンに当てはまるのか、しっかり吟味しておきましょう。
自分の性格やライフスタイルに合わせて、無理のない土地を選択することが大切です。
≪地方都市への移住≫
インフラが都内とさほど大差がない地方都市へ移住するパターンです。
長野県の松本市、山梨県の甲府市など、東京都内から比較的アクセスのし易い地方都市は近年人気の移住先となっています。
都内ほど人も多くはなく、慌ただしくもなく、それでいて生活水準や生活様式は都内にいた頃と比べても、過不足なく過ごせるのが魅力です。
教育水準も田舎と比べると高いので、お子さんがいる方にも人気。
ただ、その分、自然がいっぱいなど「地方移住」によくある長閑な雰囲気はなく、物価もそれほど安くはありません。
≪観光地への移住≫
「軽井沢」や「那須」など、観光地にある地方へ移住するパターンです。
観光地であるので、自然環境も良く、おしゃれなカフェやショップなどもあります。
その一方で、通常の田舎と比べて物価や物件が高く、観光シーズンには多くの観光客が訪れるので人通りや車も多く、渋滞や人混みに悩まされることもあります。
≪限界集落・過疎地≫
筆者の住む長崎県の島原半島など、僻地や過疎化にある田舎町へ移住するパターンです。
安価な「空き家」物件も多くあるので、手頃な「住まい」が見つかり易いです。
人も少なく、自然を大いに感じられるので、家庭菜園をしたり伸び伸びと過ごせます。物価も安く、ご近所さんからのお裾分け文化も浸透しているので、生活コストを抑えることも可能。
一方で、田舎・集落特有の文化や風習もあります。都内に住んでいる時には、あまり感じないコミュニティがあるので、煩わしく感じることもあります。
地元に住む方とのコミュニケーションをポジティブに捉えて生活するスキルが必要です。
筆者のUターン実体験から感じる「地方移住」
18年振りにUターンして気づいたこと
筆者は、18歳で進学し、その後就職を経て、2019年4月におよそ18年振りに地元である長崎県南島原市に生活の拠点を移しました。
仕事はWebライターをしています。南島原市は人口約4万人の高齢化が進む過疎地域です。
島原半島の南に位置し、長崎市内や大村空港からは車で2時間強かかります。JRも通っていない、僻地です。
しかし、自然には恵まれており、有明海に囲まれ、雄々しい雲仙普賢岳も美しい、海も山も川もすぐ側にあります。
東京都内での生活が長く、18年の間ですっかり都内の生活が馴染んでいました。久しぶりの田舎での生活は気づかされることが多々あります。
- 害虫、獣害など都会では考えなかったことに配慮するようになった
筆者の住む家の近くは、野山に囲まれています。畑も多く、川もすぐ近くにあります。
そのため、猪が頻繁に出没しています。また、蜂や蛇、ムカデなど危険な虫や生物が日常に溢れています。
無闇に怖がらず、防備と警戒心を忘れずに、様々な生き物と共存する心構えが大切です。
- 公共交通機関が機能しておらず、車は必須アイテム!
都内で生活している際に、車の必要性を感じることは皆無でした。すっかりペーパードライバーと化していました。
しかし、地元に帰ってきた今、想像以上の「車」の必要性を痛感しています。バスや電車は、本数も行先もわずかで、ほぼ生活には利用できないです。
また、意外な盲点がありました。
- 「空き家」バンクの利用制限(市外の人のみ利用可能)
「空き家」の記事を書きながら、「空き家バンク」に興味が湧き、自分の住む市町村の「空き家バンク」を調べてみました。
実家だけでは、自分の所有する本や荷物など手狭になってしまうので、「空き家バンク」で「家」を探すことにしたのです。
しかし、利用条件が、「市外に住む、地方移住を考えている人」となっており、既に住民票を地元に移してしまっていたので利用することができませんでした。
都内から引っ越す前に、「空き家バンク」を利用しておけばよかったと感じています。
しかし、それ以上にメリットがありました。
- ゆったりとした時間の流れと食費の安さ(頂き物が多くある)
都内で生活していた頃と比べて一番に感じることは、ゆったりとした時間の流れ。
毎朝夕の散歩が日課で、朝日と夕日を毎日感じられるのは幸せです。人混みもないので、自分のペースでのんびりと人生を進めていける実感があります。
また、近所の方や親戚の人々から野菜や果物に魚、お菓子など、たくさんの頂きものがあるのも助かります。
家の前に畑があるので、来年は家庭菜園にチャレンジする予定です。
筆者が辿り着いた、デュアルライフ(2拠点生活)
地元での田舎生活も大好きですが、都会での快適な生活もまた良いものです。
おしゃれなカフェで美味しいコーヒーと心地良い音楽と共に仕事をする時は至福の時。
18年間で培った、人間関係も都内にあります。友人たちとお酒を飲んで語ることも、筆者の人生に不可欠なものです。
筆者は、デュアルライフ(2拠点生活)を選択しました。
コロナで海外へは行けなくなりましたが、地元、海外又は東京という拠点を持ち、住む場所に囚われず生活しています。
東京や海外では、安価なシェアハウスや知人や姉妹宅を拠点に3ヶ月〜6ヶ月生活しています。
子どもがいるいない、結婚しているしていないなど、様々な条件によって変わってくるとは思いますが、自分らしくストレスレスな生き方や生活の仕方を柔軟に考え、できることから実行していくことが大切だと感じます。
コロナ渦で、「地方移住」「自然環境」を意識し始めた人は多いと思います。
難しく考え過ぎず、自由な発想で少しずつでも良いので行動に移していくことが、これからの未来を生き抜くヒントになると、自身の「地方移住」の形から考えています。