空き家の売却、少し待って!活用を考える手順と成功事例で見えてくること

目次

賃料収入を得る活用例はどのようなものがあるか

ここからは具体的な空き家の活用例を、細かく解説していきます。まず、家賃や賃料収入を得る活用例から見ていきましょう。

空き家の活用としてよくあげられるのが、リノベーションを施して家賃収入を得るというものです。ただし、個人的にはあまりおすすめしていません。

前項でも触れたとおり空き家になる原因は様々ではありますが、放置されている空き家の場合、相続した物件を将来的に利用したい、もしくは解体費用が捻出できない、建物自体に価値がない等の理由が大半です。

家賃収入を得る方法としては、アパートやシェアハウスとしてリノベーションするというものがありますが、建築基準法を満たした賃貸物件にリノベーションをするというのは多額の費用がかかります。

また、ご自身が管理人をできればいいですが、賃貸借に関わる契約や管理業務は煩雑で委託するのが一般的。手数料が引かれてしまうので、経済的に余裕がないと選択できない方法です。

以下であげる方法のうち、一番現実的な賃料収入を得る方法は「民泊」になります。許可を受けるための基準が低く、管理もしやすいためです。

民泊の基礎知識や始め方について詳しくお知りになりたい方は以下をご参照ください

「民泊とは?空き家活用して民泊施設にするメリットや条件、問題を解説」

リノベーションして家賃収入

周辺地域に賃貸需要があり、家賃の価格帯でライバルがいない場合に限ります。賃貸借に関わる管理業務を管理会社に委託するか、サブリース会社を介在させるかで経費が大きく変わるので、収入に影響します。

《メリット》固定資産税などの維持費を家賃収入で相殺、場合によっては収益化できる

デメリット》リノベーション費用がかかる、借り手が見つからない可能性がある

シェアハウス

女性のみ、男女共同、外国人、学生等ターゲットを最初に決める必要があります。また、経営に専念できるのか、管理を委託するかで家賃収入と同様に収益にも変動があります。

《メリット》同じ面積であれば、アパートよりシェアハウスの方が借り手が多いため、家賃収入が多い。また、全員が一斉退去することは考えにくく、空き室になるリスクも回避できる。

《デメリット》入居者同士のトラブルが多く、管理業務が煩雑になる。短期入居・若者世代・外国人の利用が多い点をどう解決するかがポイント。

民泊経営

2018年に制定された住宅宿泊事業法(民泊新法)を押さえておく必要があります。

民泊新法は、既存の旅館業法の許可を取らずに営業を行う悪質な民泊事業者が急増したため、民泊の実態に即した法律の制定が急がれました。そのような経緯で施行されたのがこの法律になります。

《メリット》家賃収入よりも宿泊料の方が高いので、収益性がある。また、民泊新法により民宿などより低い基準で経営を始めることができる。

《デメリット》宿泊客による近隣トラブルや、観光地の近くではない限り集客が難しいビジネス。また、民泊新法により、最大稼働日数180日という点も踏まえても収益化できるかが分かれ目。

賃貸で収益を上げられた成功例を知りたい方はこちらを参照ください

「空き家を活用した事業の成功/失敗を分ける要素とは? 〜参入前に個人や企業が注意すること〜」「空き家活用の成功/失敗事例から見えること」

更地にして土地活用はメリットがある?

更地にして、空き家そのものではなく「土地を活用」するという選択肢もあります。ただし、解体費用がかかることと周辺地域における需要のリサーチが前提になります。

また、税金面では管理されている住宅の場合、固定資産税の優遇措置を受けられ、更地の1/6で済んでいたものが、更地にすると優遇措置の対象外となってしまいます。

更地にする前に、コストを回収できるのかをしっかりと計算し、収益化できる事業モデルなのかを慎重に検討することが求められます。

ここでは、土地活用として収益を上げられる可能性があるものをご紹介します。

駐車場経営

駐車場は、月極タイプとコインパーキングの2種類があります。月極駐車場は初期費用を抑えることができますが、看板など近隣住民にしか周知できないというデメリットがあります。

コインパーキングは利用率によって収益が上がりますが、事前の需要調査によっては収益が見込めない場合があります。また、ロック版や精算機など初期費用が月極駐車場よりかかるところもデメリットになります。

管理会社に設置や管理を委託するのが一般的なので、手数料や管理費用を差し引いた分が収益になります。地域によっては、赤字になる場合もあるので確実な方法とは言えません。

太陽光発電投資

太陽光発電設備を設置し、発電した電力を売ることで利益を出す方法です。ほとんどが初期投資のみであることが最大のメリットです。

周辺環境整備として雑草の撤去と発電設備の管理を行っていれば安定した収入が入ってくるので、リスクの低い土地活用と言えるでしょう。

野立て太陽光発電はランニングコストも低く、天災などによる損害に対しては建物と同様、保険に加入することで備えることができます。

貸地

需要があるかどうかと、ご自身がその土地を使う可能性がないことがポイントになります。期限付で貸すことも可能ですが、上物を建てられてしまうと転用がきかないので注意が必要です。

また、上物を立てられない契約とした場合、借り手がつきにくいため、地域によっては現実的とは言えません。

その他の土地活用

他にもコインランドリー、トランクルーム経営、コンビニの誘致等、土地活用と言っても様々なものがあります。ただし、いずれも初期投資がかかります。

更地にするための解体費用と初期投資を回収して余りある収益が出せるかが重要です。

<次ページ:空き家活用と自治体の再生に取り組む島>

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この記事を書いた人

リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。

次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。

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