空き家の不動産活用考察〜地方における空き家の現状と今後の活用ポイント〜

2019年12月27日2023年7月6日

地方・駅前の空き家を活用し成功する(失敗しない)為のポイント

では、これまでの空き家の不動産活用における情報を踏まえ、空き家活用を成功に導く為のポイントを整理していきましょう。

成功の為にピックアップするべきポイント

１、対象の地域やニーズのリサーチ

対象の地域に住む住民や企業へのリサーチは大切です。データや信頼性に乏しい主観的な情報だけでなく、実際に住む人が感じるポイントや、ニーズの収集をすることで、失敗のリスクも少なくなります。

２、住民や施設との連携

特に地方では周辺住民や地域施設との連携も、成功には欠かせない要素です。新しい人やサービスが入る場合は、抵抗や不安を抱える方も少なくありません。地域活性の観点としても、地域住民の想いや生活は無視できないものです。積極的に説明し理解を得ることで、通常のプロモーションロジックにはない効果も期待できるのです。

３、コストと利回りを考える

最後に不動産活用のポイントとしては、できるだけコストを抑えた、利回りの高い物件から事業を進めることがリスクを最低限にします。地域にもよりますが、物件は300万円～500万円程度、利回り20％程度の物件なら運用しやすいでしょう。事業運用が失敗した場合、土地を売却するとことまでを事前にプランニングに含めておけば、リスクを抑えた事業を進めることが可能です。

判断基準

空き家の不動産活用における判断ポイントは、ニーズの有無です。

不動産物件が飽和している地域であれば別用途での利用が懸命ですし、地方だとしても場所によってはニーズの高い物件も存在します。リサーチを丁寧に行うことと、定期的に通える地域であることも、選定における大切な判断ポイントといえるでしょう。

失敗しない為に気をつけること

当然ですがリスクを考慮して事業展開することが、失敗に対する一番の対策です。

１、投資対効果

物件購入の際もリフォームの際も、初期投資をできるだけ抑え、徐々に設備補強するイメージで行う方が良いでしょう。初めからリフォームに投資して開始した場合は、賃料に上乗せする必要があり、ニーズを取り込めない可能性もあります。

２、競合状況

地方の地主物件周辺や、駅前の建設ラッシュの地域は避ける方が賢明です。資金力のある地主や企業と競争することになるので、結果安定した収益が得られず、事業継続が難しくなる場合もあります。

始めは特に、ライバルが少なく、需要が存在する地域での不動産運営がいいのかもしれません。ノウハウや情報を積み上げながら空き家事業を育てていくことが、成功への近道といえそうです。

新たな不動産活用の方向をプラン二ングも一考すべき。

空き家にリノベーションを施し、人を増やすことで、街を蘇らせる効果も見込める「不動産活用」。不動産事業の構想を進める材料として、空き家活用の地域選定、ポイントや注意点も把握しておきたいものです。

駅前・地方に関わらず空き家の不動産活用においては、リスクを抑えて事業を立上げ、地域住民とともに成長させていくスタイルが、最も成功にも近いようです。また、都心に自宅を持つ方が、セカンドハウスとして、地方の空き家を購入する「セカンドハウス戦略」が注目を浴びていることも、不動産活用を新たな角度から後押ししそうです。

事業としての収益はもちろん、地域貢献の要素も高い空き家活用事業は、今後、新たなアイデアや活用方法の提示をする必要がありそうです。不動産活用をお考えの場合は、地域のニーズを汲み取った新しい方向性の活用をプランニングしておくと、今後の事業展開にも活すことができるのではないでしょうか。