空き家放置の問題点とは何か?眠れる空き家を蘇えらせるために始めたいこと

目次

眠れる空き家の活用方法とは?

空き家は解体による対策を行うことも可能ですが、地域で眠れる空き家を再利用する「活用」の観点から、代表的な活用方法を整理していきます。

住宅として活用

眠れる空き家を早期に整備すれば、長く住居として活用することも可能です。また、時代や生活にあわせたリノベーションを施すことで、子から孫へ、そのまた子へと、後世へ財産を引き継ぐこともできます。

想いのこもった物件は、長い間地域活性に寄与する、かけがえのない財産となるでしょう。

民泊・ホテルとして活用

眠れる空き家に日本的なリノベーションを施し、海外観光客を中心とした旅行客向けの民泊活用を行うのも一般的です。

地域に根付いた古くからの建物をリノベーションし、新たな魅力を引き出した宿泊施設として「NIPPONIA」などのホテル施設も注目を浴びています。

同施設は自治体などと連携を図りながら、全国数か所の過疎地域を中心に展開。宿泊施設だけでなく、地域単位をプロデュースしながら街を活性化し、国内外から利用客を取り込んでいます。

宿泊に留まらず、次のアクションである観光までを視野に入れた取り組みが、利用客の評判を呼んでいる施設です。

「NIPPONIA」についてはこちらの記事でも解説しています。

空き家の”ホテル活用”に見る事業モデルの成功事例とその要素|空き家活lab

店舗や集会場などに活用

地域に必要な店舗や、町内会などを行う集会場としての利用も、状況によっては有益な活用法となります。

店舗の場合は、独自の事業として進めるのが一般的ですが、公共性の高い集会場の場合は地域との連携を図りながら進めることで、資金面での負担を軽減しながら活用を進めることができるでしょう。

自治体や専門事業者を通し、物件を引き取ってもらう

自治体や空き家専門企業などが持つ、空き家データベースに登録することで、有効活用できる事業者や個人へ物件を渡すことがも可能です。

自社や個人での活用用途がない物件や、地域の為に活用して欲しいという想いがある場合は、自治体や専門機関へ一度相談してみるのも良い方法と言えます。

眠れる空き家を蘇らせる為に、私たちができること

空き家放置の問題点や解消に向けた取り組み、活用事例をここまで確認してきました。ここでは、それらを踏まえて私たちができることを確認していきます。

あくまでも提案としての一案です。地域や自らの状況にあわせて、できることを一緒に考えながらご参考ください。

物件所有者でなくてもできることは何か

暮らしている又は仕事で関わっている地域を歩き、倒壊の恐れがある物件や長く放置されている物件を見つけた場合、自治体への相談を行うことは、心掛けひとつで私たちができることです。

早めの発見が早めの対策に繋がり、物件価値の向上や地域の治安維持にも繋がります。地域を皆で守る意識を持つことで生活も事業も進めやすくなることはもちろん、想いの詰まった温もりのある地域となるでしょう。

眠れる空き家のなかで気になる物件がある場合は、購入し活用することも私たちができることのひとつです。

通常売却物件であれば、看板や立札が表示されていますが、所有者に直接交渉し購入することもできます。所有者がわからない場合は、法務省で不動産登記簿を確認し、調べることも可能です。

交渉の難航や調査の手間が惜しい場合は、空き家専門企業などのサポートを活用することも助けとなるでしょう。

物件所有者、事業者ができることは何か

所有者や事業者であれば、空き家の早期対策が最も大切です。早期の対策は不要な税金を避け、改築や整備のコストも軽減することができます。

何より地域や周辺住民にとっても、心地良い環境を創る一因となりますので、できるだけ早い対策を心掛けましょう。

また、先述したホテル「NIPPONIA」のように、地域・自治体と連携した取り組みも、今後必要な取り組みとなるはずです。空き家活用を中心として、眠れる地域を活性化することで、事業運用においても良い作用が期待できます。

先進的な高齢化社会でもある日本ですので、応用の効く取り組みや効果的な事例であれば、全国はもちろん世界への横展開も可能な事業モデルとなるでしょう。

<次ページ:眠れる空き家活用から見えてくる未来とは何か>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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