「空き家でビジネスをしたいが、活用方法がわからずそのままにしてしまっている。収益化するには費用がかかるし、儲からないのでは困る。大きなリスクをとらずに活用する方法はないだろうか」
空き家でに何か考えているあなたは、こんな風に悩んでいませんか?できることなら空き家を活用して収益化したいですよね。
しかし、空き家を活用しようとして失敗する例も少なくありません。そこで今回は、空き家活用の成功要因を事例を交えて詳しく解説します。
また、実際に空き家を改造して民宿として活用している「千山庵」の代表・上野さんから、現在に至るまでの失敗や成功に結びついたポイントを伺いました。
空き家活用に成功した「ゆあさ」の”千山庵”にフォーカス
和歌山県湯浅町は、世界遺産である熊野古道が通る宿場町として栄えた町で、醤油発祥の地としても知られています。
白壁の土蔵や格子戸など、醤油醸造の伝統を残す家屋が多くが残るエリアは文部科学省から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
地区内にある宿泊施設・千山庵が空き家ビジネスとして成功を納めた要因にフォーカスしてみましょう。
千山庵とは
千山庵(せんぜんあん)は、空き家となっていた古民家をリニューアルして作られた貸切宿泊施設です。
宿泊施設として利用するために内装を大きく改修しましたが、基本的な造りは建築当初の雰囲気を残しています。宿泊客にブログで紹介されるなど口コミで人気が集まり、テレビ取材や雑誌撮影などの依頼も舞い降りてくるようになりました。
千山庵をやることになった「官民連携」の背景
今回、「千山庵はなぜ成功したのか」と興味が湧き、千山庵の代表である上野真歳さんにお話を伺いました。
千山庵の創業者、上野さんのこれまでについて
上野さんのご実家では、船を使ったビジネスを行なっていた曽祖父からの流れを受け継ぎ、鮮魚店や海産物の物流事業などを営んでいました。
しかし「時代の変化に合わせてビジネスモデルを転換しなければならない」と感じ、地元の特産品であるみかんのEC販売事業をスタートします。
ブランドみかん「越冬紅」はテレビ朝日の『ごはんジャパン』でも紹介されるほどの人気となり、全国からオーダーを受ける日々となりました。
湯浅町とのタッグ
そんな中、湯浅町の自治体は空き家活用するプランを構想していました。上野さんはゲストハウスなどの事例を提示し、活用プランを提案します。結果、補助金などのサポートを受けられることとなり、事業の一環として空き家を活用することにしました。