物件を所有する方の中には、「古い実家を受け継いだけど、リフォームすれば収益物件にできるかも…」と考える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、もともと不動産投資を行なっていた方以外は「入居者が集まるかわからない」、「不動産経営はリスクが大きい」など、不安を感じることが多いでしょう。
そこで今回は収益性の高い物件の用途や駅近・築浅以外の物件でも収益を上げる方法などをわかりやすく解説します。
眠っている物件は「収益物件」になる可能性がある
収益物件とは、賃貸に出して賃料を受け取ることのできる物件のことです。
マンションやアパートのほか戸建住宅やテナント、オフィス、駐車場、トランクルームなど、貸主が賃料として定期的な収入を得られる物件のことを総じて収益物件といいます。
物件を購入して収益物件にするのは物件の種別(用途)によって難易度が異なりますが、初期投資が安くても数百万円、一般的には数千万円かかります。そのため、不動産経営の経験がない方や身近に不動産オーナーがいない方にとっては、資産形成の手段としてイメージしにくい手法かもしれません。
しかし親や家族から空き家を譲り受け、所有・管理している場合にはリフォームして収益物件にすれば、初期投資を抑えつつ不動産オーナーとして継続的な収益を得ていくことが可能です。
次の項目では、収益物件として利回りの高い物件はどんな物件なのか具体的に解説します。
用途で異なる物件の収益。テナントは利回りが大きいがリスクも
物件を賃貸に出したときの収益性(利回り)は住宅<オフィス<テナントとなります。
では1番収益性の大きいテナントとして貸し出すのが最良かというと、そうとも言い切れません。収益性の高い物件ほどリスクも高くなるからです。
オフィスやテナントは住宅に比べて市場が狭く、借り手が見つかりにくいという難点があります。駅近の大通り沿いの物件を所有している、オフィスとして借りたいという申し出を受けているといった特殊なケースを除けば、個人向けの賃貸物件として貸し出す選択肢が最も低リスクです。
また、空き家に多い戸建住宅はオフィスやテナントとして貸し出す場合には大規模なリノベーションが必要となり、費用がかさみやすいことからも、住宅として貸し出すことをおすすめします。
そのまま貸す以外に「一室賃貸」、「シェアハウス」も可能
戸建住宅はそのまま貸す以外にも「1階と2階で別の人に貸す」、「1階はオフィスとして貸す、2階は住宅として貸す」、「1部屋ずつのシェアハウスにする」といった貸し方も可能です。
1人の入居者だけに貸した場合、入居者が退去するごとに新たな入居者を探さなければなりません。戸建賃貸を希望するファミリー層は比較的長期間住み続けてくれる傾向はあるものの、入居者がいなくなれば収入はゼロになってしまいます。
1つの物件を複数人に貸すことで、空室リスクを減らし安定した収益を確保しやすくなります。間取りを分けるリフォーム工事は比較的規模が大きく費用はかかりますが、家賃収入ゼロのリスクを避けるためには有効な方法です。
収益を上げやすい物件は築浅・駅近。それ以外は?
収益物件の中でも入居者が集いやすいのは「築浅で立地の良い物件」です。
しかしお持ちの空き家がそうでない場合でも、収益物件にすることを諦めないでください。
ターゲットに合わせたリフォームや条件設定を行うことで、築浅・好立地の物件でなくても入居者を集めることは可能です。
ここでは、築浅・好立地の物件が人気の理由とそれ以外の物件で入居者を効率的に集める方法を解説します。
築浅物件は実質利回りが高い
利回り(収益)には表面利回りと実質利回りの2つがあり、表面利回りは年間の家賃収入を物件の価格で割ってパーセントで表記したもの、実質利回り税金や設備管理のための支出を考慮して計算したものです。
物件は築年数が経つにつれて修繕が必要な箇所が増えてくるもの。水回りや外壁、耐震工事などは費用も大きいため、中古物件では賃料が入ってきても実質利回りが低くなるのです。
リフォーム費用は築浅物件でもやがて必要となる経費ですが、物件と土地を購入して収益物件とする場合には初期投資が大きいため、資金繰り事業の開始から数年の実質利回りが重視される傾向にあります。
また、新築物件を希望する入居者も多いことから空室が出にくく、収益を上げやすいことも人気の理由です。
駅近物件はニーズが高い
駅から近い物件は住宅・オフィス・テナントのどれをとっても人気が高くなる傾向にあります。住まいを探している方にとっては利便性が良い物件は魅力的ですし、そうした人が集まってくる地域では商いも繁盛しやすくなります。
しかし、ファミリー層やシニア層、利便性よりも住み心地を重視する人には「近くに公園がある」「スーパーが近い」、「ペット可」といった条件の物件も一定の人気があります。
また、近くに大学や専門学校などがあれば学生に人気の物件となるでしょう。
物件の魅力に直結する施設の有無を調査することで、物件のウリにつながるような思わぬ発見があるかもしれません。
ターゲットに合わせたリフォーム
「新しいとはいえない」、「駅から遠い」物件でも入居者を集める方法として有効なのが、ターゲットを絞り込み、それに合わせたリフォームを行うことです。
キッチンをファミリー層に人気の対面式キッチンにする、女性向けのおしゃれな部屋にするなどの一般的なリフォームのほか、一部の人から需要の高いリフォームを行うことも効果的です。
ペットと暮らす人向けにペット用通路付きのドアやキャットウォークを設置する、バイク好きの人向けにおしゃれな駐車スペースを作るなど、ニッチな層をターゲットとしたリフォームも物件の収益性を高めることができます。
リフォームは必ずしも大規模である必要はありません。一般的な戸建住宅を全面改装する大規模なリフォーム(リノベーション)は、1000万円以上の費用がかかることもあります。
しかし率直にいえば、収益物件で高額なリフォームは不要です。必要のない箇所までリフォームしたばかりにリフォーム費用がかさみ、収益どころか大きな負債を抱えてしまうケースは多いため注意してください。
ターゲットを絞り込み、ターゲットが本当に必要としているリフォームや設備導入を優先し、コストを抑えて実質利回りを上げることを重視しましょう。
女性限定、男性限定、ペット可などの条件設定
「女性限定」や「学生限定」などの一般的な条件設定のほか、設定したターゲットに合わせたユニークな条件を設定することで、コンセプトに魅力を感じる人を効果的に集めることができます。
「ペット可」、「高齢者歓迎」、「外国人歓迎」、「フリーランス歓迎」、「楽器演奏OK」などの条件を設定し、必要に応じてリフォームや設備の導入を行いましょう。