筆者がアドレスホッパーとして感じたことは以前に記載しましたが、今回は私の知人で地元福岡から上京して、東京でアドレスホッパーになった女性の知人が、実際に経験した喜びや、手続きなどの悩みをまとめました。
女性のアドレスホッパーはまだまだ珍しいので、アドレスホッパーになってみたい方、アドレスホッパーという暮らしに興味のある方は是非ご参考になさってください。
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アドレスホッパーとは
「アドレスホッパー」は、特定の拠点(家)を持たずに、あちこちを移動しながら暮らしていく生活スタイルのことです。
アドレス(住所)をホッピング(転々と)することから、アドレスホッパーと呼ばれています。 ホテルやゲストハウス、マンスリーマンションなどを利用し、移り住んで暮らします。
賃貸の家を手放したきっかけ
彼女は計画的アドレスホッパーではなく、気づいたらアドレスホッパーになっていました。
当時は福岡の不動産会社に勤務し、単身用の賃貸マンションに住んでいましたが、2018年1月に会社をやめてフリーランスになろうと上京したことがアドレスホッパーになったきっかけでした、
同業で稼いでいる先輩のもとで学ぶために、東京に1ヶ月滞在の予定で出てきました。
東京で出会った人達は、個性に溢れ、活発で魅力的で、また降りる駅ごとに表情の違う東京という場所にも魅了され、彼女は東京滞在の延長を決めました。
春まで、夏まで、、と延長していく間にいつしか福岡の家は解約し、本格的に東京に居つくことになります。
最初は近いうちに福岡に帰る予定だったため、特定の家は借りずにシェアハウスを住みながら管理して転々としたり、短期ルームシェアサービスで新しい出会いを楽しんだりしました。
そんな暮らしを楽しむうちに、気がづいたらアドレスホッパーになっていました。
アドレスホッパーの楽しさ
・所有しない自由
特定の家を持たないことは、生活する上での家具家電の所有や、人生の年数ともに積み上がっていった思い出のモノたちから開放されることでした。今まで必要不可欠だと思っていたモノたちから開放されて初めて、自分自身の身軽さ、自由さを知ったのです。
主に徒歩か電車移動のため、荷物はスーツケース1個と、リュックサック1つ。
そうすると余計なモノを持てないので、持ち物はなるべく小さく、1つで何役も兼用できるようなものになっていき、ものがなくても工夫して代用できる創造力が生まれます。
ある時、ドミトリー(相部屋の格安宿泊施設)で服をかけるものがなかったとき、2段ベッドに手持ちのズボンをくくりつけてハンガー掛けにしました。ハンガー掛けの紐ぐらいは買ってもかさばりませんが、こういう小さな発想を思いついて実行するとき、DIYをしているときのように楽しくなります。持ち物が少ないからこそ、工夫することで楽しく毎日を過ごせていました。
・どこにでも行けるという喜び
旅行は、一時の非日常であり、旅が終われば家に帰ってきます。帰る家がない、もしくは目まぐるしく変わっていくというのは、それ自体が旅の延長であり、非日常こそが日常になります。
定住地をなくすことは、人生が旅を続けることそのものなのだと思い出させてくれます。望み、実行することでいつも違う景色を見続けることができることを、アドレスホッパーの暮らしは全身で体感させてくれます。
・街全体が家になる
シャワーは町の銭湯で。洗濯は近くのコインランドリーで。アメニティがなくなったらコンビニで調達して、ごはんは近所の定食屋で。古着は友達からもらって、着なくなったらまた別の人にあげれば良い。雨が降ったら、アイカサで傘を借りられる。使えるサービスをとことん使って、モノもシェアしていけば、街全体が自分の家みたいに感じてきます。
家も、これと同じ。自分が生きていく道中で、必要な時にその宿を借りるのです。
・その日暮らしを楽しむ
いつもと違うことをしていると、予想外のことがたまに起こります。
あると思っていたアメニティがついてなかったり、使ったことのない設備に戸惑ったり。ときには、予約したと思っていた宿が予約できていなかった、なんてこともあるかもしれません。毎日が予想外の連続だから、そんなアクシデントも自然と楽しむマインドになってきます。
しかし、本当に宿が確保できなかった日に、頼れる場所はあったほうがいいです。
いつでも泊めてくれる友人が何人かいるとか、エリアごとに当日でも大体泊まれる宿を知っておくとか、住居系のサブスクサービスに登録しておくなど。野宿を極めるとか、オフィスに寝る、だって迷惑にならなければ最終手段の一つです。もちろん、マナーと安全には充分に注意してください。
いざというとき、とれる選択肢があるのとないのとでは心の余裕が全然違います。
あちこち泊まりながら、こういう選択肢を増やしていくのも楽しみの一つです。
アドレスホッパーの不便なところ
・常に今後の滞在先のことを調べ、検討する必要がある
どこにでも行けるということは、常に判断の連続でもあり、いつも次の住処について考える時間やエネルギーを使うことになります。これが面倒に感じたり、苦痛であればそもそもアドレスホッパーは向いてないでしょう。
・手荷物は少ししか持てない
本当に身軽にアドレスホッパーを楽しみたいなら、荷物は1回の移動で持ちきれる量が目安です。荷物が少ないほど移動も楽になるので、アドレスホッパーでいればいるほどミニマリスト思考になっていきます。暇さえあれば、もっと荷物を減らせないか考えています。
彼女の場合は、手荷物はスーツケース1つとリュックサック1つで、衣服(各数枚)、電子機器(PC、スマホ)、通帳などの重要書類、日用品(化粧品、歯ブラシなど)を入れていました。
しかし、本当に手元の荷物しか所有物がないわけではありません。彼女の場合は、実家に荷物を置かせてもらえたため、卒業アルバムなどの思い出の品や季節外の服などは預かってもらっていました。必要なものは、帰省のときに持っていったり送ってもらったりしてました。
荷物問題は、アドレスホッパー仲間とも度々話題になります。大体の人が実家や、どこかに一部の荷物を預けているケースがほとんどです。家族や友人を頼るか、レンタル倉庫などのサービスを利用すると良いでしょう。
・住民票の場所、郵便物の受け取りに工夫が必要
日本にいるなら、どこかの住所に住民登録をしなければなりません。かといって、移動のたびに住所変更をするのでは煩雑すぎます。実家や友人の家に置かせてもらうか、個人事業主で事務所を借りている方などはそこに置いている場合がほとんどかと思います。
彼女の場合は、最初は真面目に大きな移動のたびに住所を変えていました。3回目ぐらいで役所の人から「なぜこの短期間にこんなに引っ越しをするのか」と不審がられ、それからは、近くの友人の家に置かせてもらっていました。
ちなみに、住民登録は、届け出をしないと住民基本台帳法第52条により五万円以下の過料が発生する可能性があります(実際に払わせられた事例は聞いたことがないですが)。きちんと、管理できる住所に届け出しておきましょう。
・高クオリティの住環境を求めるなら賃貸よりお金がかかる
家賃がない分、生活費が安く抑えられると思われがちですが、アドレスホッパーはある程度の住環境を求めるなら、賃貸よりもお金がかかると考えていたほうがよいです。立地や綺麗さ、個室の広さなどが同条件であれば、たいていは賃貸物件のほうが1ヶ月あたりの費用は安くなります。ホテルではアメニティや受付などのサービスの価値が料金にプラスされているからです。
出費を抑えてアドレスホッパーを楽しみたいなら、シェアハウスやゲストハウスを利用したり、定額であちこちの宿に泊まれるADDressやHafHなどのサービスを上手く活用することをおすすめします。
彼女の場合は、東京でシェアハウスが大好きになり、いくつかのシェアハウスに住みながら運営管理をしていました。また、ゲストハウスに清掃をしながら住ませてもらったり、住居系の新サービスをお試しで利用させてもらったこともあります。キャンペーンを上手く活用したり、人とのご縁が増えたり自分が価値を提供することで安く住める場合もあります。
本記事では、女性がアドレスホッパーになったきっかけと、アドレスホッパーになってみて感じたメリット・デメリットについてまとめてしました。
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