空き家活用のアイデアはじめの一歩 気軽にはじめる空き家利用5選

空き家の活用といいますと、どうしても大規模なリノベーションをしなければならなかったり、売却の場合は家財道具をすべて処分しなければならなかったりと大仕事です。親が亡くなったことで実家が空き家となり、葬儀だけでも大変だったのに空き家の処分まで……となると親族の話し合いも必要となり時間がかかります。そんな中、空き家の活用の中でも気軽に始められるものを今回は集めました。そこまで手をかけること無く、活用する方法を今回は5選ご紹介したいと思います。また、建築基準法の接道義務によりセットバックが必要となった空き家の提案もご用意しました。どうぞご覧ください。

目次

空き家を所有した際の困りごととは

意外と知らない空き家の定義

『空き家』という言葉を聞きますと、すでに何年も放置されていて窓ガラスなども割れている…いわゆる廃墟を思い浮かべる方が多いと思います。

実は空き家とは、1年以上人が住んでいない家のことをいうのです。

「あ、それならうちは違うわ。だって月に1回必ず風通しいっているもの」と思う人もいるでしょう。しかし風通しは住んでいる事にならないため、その家に居住していないのであれば、それはもう立派な空き家なのです。

そのため、別荘なども空き家に分類されるものがあります。

半年ごとに別荘と家を住み替えている…などであれば別ですが、1年のうち3日~1週間程度の利用であれば、やはり別荘も空き家といえます。

気が遠くなる家具の処分

家具の処分の際に気をつけること

空き家の売却や利活用を考える際に、まずやらなければならないのは家財道具などの処分です。思い出の詰まった家具や、持って帰ると邪魔になってしまうものの高価なタンスなどの家具。できれば取っておきたいけれど、空き家を売却や利活用する際には、どうしても処分しなければなりません。

家財道具の処分は、一軒家でおおよそ20万円~50万円ほど。

また、家財道具を処分する際に気をつけなければならないのは、ネットなどに悪徳業者が多いことです。

見積もり以上の金額を現場で追加費として請求され、予定していたよりもお金がかかってしまうことも……。そうならないためにも、家財道具を処分するさいには不動産業者などに紹介してもらうとよいでしょう。

仏壇の処分について

家具の処分の中でも、特に処分に困る家具の一つに仏壇があります。

仏壇はなんとなく自分の家に引き取りにくいものです。インテリアなどはお構いなし存在感がありますし、先祖代々の位牌などもあり粗大ゴミなどに出すわけにはいきません。

そんな時は、菩提寺に仏壇の処分について相談をしましょう。

ただ、これまでずっと菩提寺に連絡をしておらず、仏壇の処分だけ相談をすると檀家としての付き合いも一緒に復活してしまうことがあります。

菩提寺に相談しづらいのであれば、仏具店に仏壇の処分について聞いてみると良いでしょう。仏具のプロですので、処分に対する段取りも安心です。

それ以外には、もし葬儀を上げる前であれば葬儀業者に相談するのも一つの手といえます。

私自身は、葬儀業者の方に亡くなった父の所有していた仏壇の処分を依頼したのですが、葬儀の手配と一緒に全てを任せることができ、非常に助かりました。

売れない空き家を所有してしまったら

空き家の場合、売れない空き家というものがあります。

市街化調整区域に建っている家などは、家を建て替えることもできないため、古い家屋のまま売り出すこととなり、土地の価値としても低くなります。

また400万円以下の空き家の場合、不動産業者が手にできる手数料は18万円と少なく、空き家を売却するために現地調査や、看板、広告などを打ち内覧などの際には現地の案内などをしていますと、あっというまに経費だけで足が出てしまいます。

そのため、空き家の売買仲介を断る不動産業者も多くいるのです。

そうした売れない空き家は、特定空き家になってしまうと固定資産税が6倍になってしまうため、特定空き家にしないためのぎりぎりの管理を行わなければなりません。売ることもできない『売れない空き家』は、固定資産税などの税金と管理費などの経費がかさみ、負の財産となるのです。

空き家を負の財産にしないためにも、売れない空き家こそ早急に利活用する必要があります。

空き家を処分せず気軽に短期活用する方法

1.軒先貸し ガレージセールやフリーマーケット

ガレージセールや、フリーマーケットの場合、クッキーの販売など飲食を出さないようであれば、特に許可などは必要ありません。(飲食の場合は保健所の許可が必要です)

ジモティなどのサイトを利用して、出店者を募集して行えば空き家をうまく利用することができます。空き家の不要品を売るついでに、出店者も募集すれば一石二鳥です。

特に工事などはしなくても、軒先貸しくらいの軽い気持ちで空き家を利活用することができます。

軒先貸しの最大の利点は、取っておきたい家具などは処分せずに一部屋などにまとめれば、保管庫としても空き家を利用できる点です。

もちろん部屋を施錠するなど、ちょっとした日曜大工程度の工事は必要となりますが、一部分だけの短期貸しだからこそといえます。

収入としては微々たるものですが、家に人の流れができることで空気が対流し、家が傷むのを遅らせることができます。

2.キッチンカーにスペースを貸し出す

これは空き家自体を貸し出すというよりは、空き家に付属している庭や駐車場など空きスペースを貸し出すという方法です。

もしくは、空き家を撤去した空き地を貸し出してもいいでしょう。

キッチンカーへの土地の貸し出しは、駐車場などの利活用よりも初期投資を安く抑えられます。売り上げの数%を賃料としてもらい受けることができるのも魅力的です。

キッチンカーと出店場所のマッチングプラットフォームなど、さまざまなサイトがありますので登録としてキッチンカーを誘致しましょう。

ただ、キッチンカー営業を依頼する場合は、空き家のある地域の保健所への営業許可証を業者に取得してもらう必要がありますので注意が必要です。サイト利用する際に、確認すると良いでしょう。

もちろん集客できなければ意味がありませんので、入念なリサーチが必要にはなりますが、そうしたリサーチはマッチングサイトの運営会社にお願いすることも可能です。

コロナ禍によって自宅やシェアオフィスなどでのテレワークが増えている状況もあり、意外な場所に需要があることも。

詳しくはこちらの記事もご覧ください。

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セットバックありの空き家の場合

売れない空き家の条件の一つに、「再建築不可物件」「セットバック要」と条件のついた空き家があります。

現在の建築基準法では「建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接道すること」という条件があり、旧建築基準法で建築されている古い建物を取り壊しますと、土地が家を建てられないほど狭くなることも……。

そんな時もキッチンカーの誘致などであれば、空き地を有効に利用できる場合があります。

<次ページ:少しだけ手を入れて活用する方法

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この記事を書いた人

雑誌編集を経て、現在はフリーの編集ライターに。空き家や外壁塗装など家周りのライティングが得意。「家の間取」を眺めていれば、ごはん三杯までいけます。

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