たつの市の魅力を発信し、旅行者と街をつなぐ場所を
「城下町は閉鎖的」は嘘?地元の人にも愛されるゲストハウス
ー オープンしたゲストハウスでは、面白い取り組みをしていらっしゃいますよね。ホームページで街の歩き方が紹介されていて、とても興味深く拝見しました。
足立 ゲストハウスをしていて、お客さんに一番聞かれるのが「(このへんって)何があるの?」「何ができるの?」ということです。たつの市はまだまだ知られていないところも多く、このPERCH GUEST HOUSEを通して街の魅力を発信していければと思い、街の歩き方をホームページにのせました。
アクティブに街を楽しみたい人にも、インドアに過ごしたい人にも選択肢があるように用意しています。スタッフが町歩きをして取材をしてくるのですが、少しマニアックなところもあるかもしれません(笑)。地元の人でも、知らない場所があるので……。
最近では、「インスタで見て来ました」とおっしゃるお客さんもいらっしゃいます。
今、たつの市では僕みたいに古民家をつかってレストランなどを開業したところが4~5軒あったり、30代で移住してくる家族がいたりと、街が新しい一面を見せているのです。
現在はコロナ禍によって、少し盛り上がりに欠けるところはありますが、これからますますよい形になればと思います。
ー たつの市の住民はどんな人々ですか?
足立 もともとここは城下町でしたので、街としては閉鎖的な感じだと聞いていました。
不動産屋さんから「町の人が新しい人を受け入れるまでに多少時間がかかるかもしれません」と言われていたこともあり、覚悟をしていたのです。
しかし実際は、そんな風に感じることはありませんでした。
例えば、うちの宿のキャラクターがフクロウなのですが、そのフクロウを見て「パーチさんに合うと思って」とふくろうの置物などをご近所の方が持ってきて下さるんです。
今でこそ落ち着きましたが、最初のころは様々な人が持ってきて下さって、たくさんフクロウグッズをもらいました(笑)。
カフェを開けていた頃は、近所のおじいちゃんもおばあちゃんも来てくれていましたし、交流するのが本当に面白かったです。
ー ちなみにそのふくろうがキャラクターなのは、やはりゲストハウスの名前が「PERCH(止まり木)」だからですか?
足立 そうです。旅行者の止まり木的な、PERCHは「ちょっと休んでいける場所」をイメージしているので、キャラクターを作るならフクロウがいいなと思いました。
ですので、別にフクロウが特別好きなわけではないのですが…PERCH GUEST HOUSEのキャラクターがフクロウだと認識して下さっているのでありがたいです。
夜はゲストハウス内で飲めるバーを営業!国内旅行者ニーズを意識したプラン作りも
ー ゲストハウスではバーも経営されているのですね。
足立 はい、通常は24時まで営業しています。泊まりに来た人が、飲みに行ける場所があればいいな…と思って。
日本酒は近隣の酒蔵の物も揃えています。
現在はスタッフの子がバーを担当しているのですが、最初の頃は知り合いのバーテンダーの方に来て貰っていろいろと教えて貰いました。
ー バーの運営はスタッフの方が担当されるとのことですが、地元の方ですか?
足立 いいえ。地元の方ではなく…もともとはうちのお客さんだった人です。
オープンして半年くらいは僕が一人でゲストハウスも経営していたのですが、その時に来てくれていたお客さん(笑)。
大阪に住んでいた方で、何度かPERCHへ来るうちに「仕事やめたんです」という話を聞いて。ちょうどその頃コロナで宿の営業が大変になってきていたので、デザインワークに専念したいと思い、「それなら店を見とってやー」と頼んだら「分かりました」と言ってすぐに移住してきてくれました(笑)。
現在は、PERCHに住み込みで働いて貰っていて、ブログの更新も担当してくれています。
ー PERCH GUEST HOUSEの場合、値段設定の違うドミトリータイプの部屋と、いわゆる旅館のように一人で使える個室(プライベートルーム)がありますが、これはどうしてですか?
足立 日本では、相部屋に抵抗がある人が居るのでは無いかと思い、ドミトリー(相部屋)と個室の2種類を用意しました。
選択肢が合った方が泊まりやすいかな?と思いまして。
海外のドミトリーでは、男女の相部屋もあるくらいなのですが…日本人だとまだ抵抗があると思うんです。うちはドミトリーも男女で分けています。