【経験に基づく考察】厚労省が『違法』判定した「定額住み放題」とは?

目次

経験から考察する、定額住み放題サービスのこれから


筆者は、過去に定額住み放題サービスを利用していましたので、実際の経験からこれからについて考察してみたいと思います。

①宿泊料を受けていること

私が利用した定額住み放題サービスは年会費という名目で先払いで料金を支払いました。
前述したように、「宿泊料」には、名目だけでなく、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされた場合は、宿泊サービスの対価と判断される可能性があります。


年会費を支払って、実質泊まれる権利を購入しているという見方をした場合は、「①宿泊料を受けていること」に該当しているとみなされるケースがありそうです。

②寝具を使用して施設を利用すること

私が利用した定額住み放題サービスでは、寝具は施設にシーツやマットレスが置いてあるので、自身でベッドメイキングを行い使用していました。
退室時には、マットレスは元の場所に戻し、シーツは回収ボックスがあるのでそちらに返却していました。


ホテル・旅館のように最初からベッドメイキングされた寝具が用意されていなかったのは、旅館業に該当させないための対応だと考えていました。
しかし、前述のとおり「寝具を使用して」という観点で見たときには、「②寝具を使用して施設を利用すること」に該当している可能性がありそうです。

③施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め”施設の衛生上の維持管理責任”が営業者のものと社会通念上認められること

私が利用した定額住み放題サービスでは、基本的に使用者である我々が清掃等をやるルールなどは特にありませんでした。
それぞれの家には「家守」と言われる管理人の役目をする方が一緒に住んでいる施設が多かったので、おそらくその方が衛生上の管理をされていたかと思います。

④宿泊者が「宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこと」を原則として営業しているものであること

生活の本拠を有しているかどうかは、基本的に施設への滞在期間の長さで判断されます。
一般的には、利用者の滞在期間が1ヵ月以上の場合に施設に利用者の生活の本拠があると言われています。
住民票登録をして、形式的に住居として利用しているという主張は、実態として生活の本拠があると見なされ認められない可能性のほうが高そうです。

私が利用した定額住み放題サービスでは、1個室は連続して利用できるのは最大で1週間となっていました。
どこの施設でも個室とドミトリー(ドミトリーはベッドを予約するというイメージ)がありました。1週間個室を利用して同施設のドミトリーを利用するという使い方もできるので、同施設を連続して利用できるのが1週間というわけではありません。


また、6ヶ月単位で同一のドミトリーを利用するという契約形態もあり(個室は対象外)、実際にその契約で利用している方もいました。
これに関しては、利用者の使い方次第といえそうです。

ウィークリーマンションも該当する?

このような定義から考えると、ウィークリーマンションや定期借家契約に基づく施設も該当しそうだと思う方もいるのではないでしょうか?

ウィークリーマンションや定期借家契約に基づく施設も、その営業が「人を宿泊させる営業」に該当するかどうかを、公衆衛生や旅館業法の目的に照らして総合的に判断します。(昭和63年厚生省通知第23号)。
実態として、賃室業ではなく旅館業と判断される場合は、その営業に際して、旅館業法に基づく許可が必要です(平成12年厚生省通知第128号)

  • 企業や工場の寮(労働基準法の対象となるものは除きます)
  • 会員制の宿泊施設
  • その他特定の人を対象とする宿泊施設(研修所に付帯する宿泊施設等)

上記のものについても、旅館業法の対象となる場合があります(昭和24年厚生省通知第1048号)

このように、旅館業の該当性の判断は非常に複雑になることが多く、物件・運用ごとに判断せざるを得ないケースが多そうです。


ただ、こうした新しいサービスは今後増加する空き家への解決策にもなり得るので、『このようなサービスをいかに問題なく社会に普及できるか?』という点を考えるのが重要かと考えています。


次回にこの点における考察をしていきます。

(了)

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この記事を書いた人

賃貸管理、ホテル運営、レンタルスペース運営、シェアハウス管理の経験を経て、使い方(運営)で不動産の価値を最大化する事業を行っています。プライベートでは、家を持たず転々とするアドレスホッパーをしています。

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