相続した「実家」をどうするのか具体的に考えていますか?日本に溢れかえる「空き家」もはや、他人事ではありません。2033年には約三軒に一軒が空き家になるとの予測も出ています。いつ自身の実家が「空き家」になってもおかしくありません。
今回は、相続した「実家」、「空き家」となった「実家」を管理維持していくことについて、具体的にシミュレーションし、健全な「空き家」対策を一緒に見つけていきましょう。「空き家」となった「実家」をそのままにしておくと、様々な費用と労力がかさみ「負の資産」となってしまいます。そうなる前に「空き家」に対する理解を深め、二手三手先の準備を備えておきませんか?
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あなたも近い将来「空き家」所有者に!
日本の「空き家」の現状
来る「2025年」、日本は団塊の世代が75歳を迎え「超高齢化社会」となります。
核家族化や人口減少が進む中で、新築偏重の考えは昭和の高度成長期のままで、日本は「家余り」の状況を引き起こしています。
団塊の世代を親にもつ、30代後半〜40代の団塊ジュニア達はまさに「空き家」所有者予備軍です。
総務省が発表した「住宅・土地統計調査」によると、平成18年度時点で日本の空き家率は13.6%と過去最高を記録しています。
欧米諸国の空き家率は、イギリスは3~4%、ドイツにいたっては僅か1%前後、日本よりも国土の広いアメリカでさえ、空き家率は10%前後の数値です。
従って、日本の空き家率は世界的にみても高い数値と言えます。(不動産近代化流通センター「不動産コンサルティングに関わる海外調査」2013年データより)
核家族化が主流となる中で、独居老人が住む家屋も日本には多く存在しています。
そのような老人が亡くなったり、介護施設に入所したりすることで、ますます日本の「空き家」は増えていくことが予想されます。
日本を取り巻く社会変容や情勢は、誰しもを「空き家」所有者へと誘うのです。
参考:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/kihon_gaiyou.pdf
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両親から相続する「実家」をどうするの!?
「実家」相続後、何となく「そのまま」にしている人が多い
現代の日本に於いて、両親と同居するという人は少数派のように思えます。
進学や就職を機に都会に出て、地方の実家を離れた人だけではなく、同じ都内に住んでいる場合も両親と別居し実家とは別に「家」を持つ人が多いはず。
その場合、必然的に両親から相続した「実家」は、「空き家」となってしまうことは容易に想像がつきます。
それでは、「実家」を相続している人々がどう対処しているのかというと、案外多い選択が「実家」を「空き家」として「そのまま」にする選択です。
思い出のある「実家」。
古くから代々続く「家」であれば、仏壇や骨董品など物も多く溢れています。そんな「実家」を整理整頓し、何かに有益活用していくのは、すぐにはできません。
前々から、「空き家」について認識し対策を考えておかなければ、相続に当たる煩雑な手続きや、忙しい日常に追われ「空き家」問題は後手後手に回ってしまいます。
結果、「空き家」として何年も「そのまま」にする状態が続いてしまうのです。
「空き家」を「そのまま」にするということで被る負担
「空き家」をそのままにする=「何もしないでいい」ということでは決してありません。管理維持の責任や固定資産税などの税金の支払い義務はもちろん発生します。
「空き家特別措置法」を知っていますか?
近年増え続ける「空き家」の中で、特に問題となっている「放置空き家」対策の一貫として2015年に施行された法律です。
「空き家」を放置することは、近隣の景観を損ね、ゴミの不法投棄や害虫の発生、犯罪誘因など様々な悪影響を及ぼします。
それだけではなく、自然災害の多い日本では、家屋倒壊の恐れもあります。
「空き家」所有者はこれらの要因を防ぐよう「空き家」の定期的なメンテナンスや点検を行い、できる限り「空き家」を綺麗で清潔な状態に保つ責任があるのです。