働き方多様化コンサルタントとして、複業を始めたいビジネスマンのシゴトづくりやリモートワークの支援、講師業など行う一方、焚き火の魅力を伝える活動をしている三宅哲之さん。
現在は埼玉県比企郡の山中で、手ぶらで焚き火を楽しめる”焚き火base kokko”を運営し、同県和光市の自宅との2拠点複業生活を実現している。
そんな三宅さんに、”デュアルライフ”の魅力についてうかがった。
三宅哲之(みやけてつゆき)さん
日本焚き火コミュニケーション協会/焚き火base kokko主宰
働き方多様化コンサルタント
大手企業のエリート社員から一転、左遷、降格、パワハラにより辞職。
転職した先でもパワハラや倒産を経験するなど、激動のサラリーマン人生を経て起業した経験を活かし、働き方多様化コンサルタントとして10年で2,000人を超えるビジネスマンと向き合う。
『そうだ、焚き火をしよう〜忘れかけていた大切なものを取り戻す焚き火コミュニケーション〜』
など、著書多数
標高700mの山中と都市部の自宅との2拠点生活
月平均で半々のペースで行き来
—本日はよろしくお願いいたします。
三宅さんは2018年から、比企郡の標高700mの山中にあるログハウスで、誰でも気軽に焚き火を楽しめる宿泊施設を運営されています。
ご自宅との2拠点生活ということですが、どのぐらいのペースで行き来されているんですか?
三宅さん:月平均でだいたい、半々ですね。
宿泊運営は妻が主体でやってくれているので、山に行く時はかならず夫婦で行っています。
薪にするための木を運んだり、薪割をしたりの肉体労働も妻が一緒にやってくれているんですが、体を動かすのはいいですね。
重い木を運んだり、チェーンソーで切ったりする時は余計なことを一切考えないので、雑念が消えるというか、無になれるんです。
翌日に来る筋肉痛は年々ひどくなっていますが(笑)
「それぞれの拠点でまったく逆のことをやる」
—それも、二拠点生活ならではの良さでしょうか。
三宅さん:そうですね、それぞれの拠点でまったく真逆のことをやる、というのは良いと思います。
いつもPCにかじりついて、背中を丸めて仕事し続けているのは良くない。
焚き火研修では参加者の方に必ず、落ち葉の上に寝っ転がって、空を見上げてもらうんですが、現代人にはこういうことが必要だと思います。
マインドフルネスというのが流行っていますけど、自然の中に身を置けば勝手にマインドフルネスになりますから。
焚き火コミュニケーションとは?
焚き火を囲むと本音が言い合える
—三宅さんは、“働き方多様化コンサルタント”と“日本焚き火コミュニケーション協会”の活動、企業向けの講師業の3つのお仕事をされているそうですね。
“焚き火の場づくり”の活動をされるようになったのは、どういった思いからなのでしょうか?
三宅さん:焚き火の経験のある方はわかると思うんですが、焚き火を囲むと、本音が言い合えるような、独特の空気が生まれるんですね。
サラリーマンをしていると、なかなか本音を言うことが許されないようなところがありますが、そうした人たちがフラットなコミュニケーションをとれる場をつくりたい、学生時代からやっている焚き火がいいんじゃないか、と考えてこの活動を始めるようになりました。
最初の3、4年は、会社帰りに寄ってもらえるよう都内のキャンプ場で焚き火のイベントをしていたんですが、これがものすごく大変だったんです。
都内での焚き火イベント運営に限界を感じる
—どういった苦労があったんでしょうか?
都内ではそもそもキャンプ場の数が限られますし、焚き火やイベントをするための装備一式を持ち込んだり…車からテントサイトまで荷物を運ぶのに、リヤカーを使って7往復ぐらいしていました。
夜に3時間弱のイベントをするために、朝から買い出しや設営をして、イベント後の撤去作業が終わって帰宅するのが夜中の1時、2時。
これはもう、年をとったら体力的に無理だぞ、と思って(笑)
—なるほど、体力的な理由が焚き火ベースKokkoにつながったんですね。
三宅さん:そうですね。
それに、やっぱりキャンプ場というのは使える時間も区切られるし、場所も選べないし、いろいろ制約がありますよね。
自分の思った時にいつでも好きなように焚き火ができる自分だけのフィールドというのが、ずっと欲しかったんです。
自由に焚き火ができる場のためのフィールド探し
当初は“山林”を探していた
—最初から空き家を探し始めたんですか?
三宅さん:いえ、ゼロから場所をつくりたかったんで、最初は山林を探していました。
ただ、なかなかこれという場所に出会えないし、やはり建屋を自分でつくるとなると相当時間がかかるなということで、空き家を探すという方向に転換したんです。
数で言うと50件くらい、2年近くかけて探した結果、ようやく出会ったのがいまの物件です。