アフターコロナで注目を集める、空き家を活用したデュアルライフ。ユーザー像を考察し、事業化に向けたアクションを整理します。

コロナ禍における新しい生活様式のなかで、徐々に注目を集め始めているライフスタイルが、空き家を活用したデュアルライフです。

生活拠点を複数所有する「デュアルライフ」は、国内のみならず海外においても増加傾向にあり、米国では富裕層を中心に盛り上がりをみせているライフスタイルとなっています。

今回は、空き家を上手く活用するうえでも把握しておきたい「デュアルライフ」について、ユーザーの目線からご紹介する内容です。

ターゲットとなるユーザー像をイメージし、事業化に向けたアクションに移行する際においても、参考になる情報をお伝えします。

空き家対策のヒントにもなる新しいライフスタイルのひとつです。是非最後までご覧ください。

目次

空き家を活用した「デュアルライフ」とは?

まずは、空き家を活用したデュアルライフとは、何かについてご紹介していきます。

あわせて、コロナ禍を経て、デュアルライフが注目を浴び始めた背景についても、ここで整理しておきましょう。

コロナ禍で見直される、デュアルライフ。

デュアルライフとは”複数拠点での生活を意味し、多くの場合は本宅とは別に別宅を所有し、複数拠点で生活するライフスタイル”を指します。

空き家を活用した別宅を利用することで、様々なメリットが感じられることが、デュアルライフを採用するユーザーの増加に繋がっているのです。

まさに、空き家を活用したデュアルライフは、放置空き家の解消にも繋がる、有効な空き家活用方法のひとつだと言えます。

今後も増加する傾向にある新しいライフスタイルのひとつとして、注目を集めた背景についても、あわせて把握しておくと良いでしょう。

生活の多様化が、デュアルライフ増のきっかけに。

近年、生活の価値観は多様化している傾向にありますが、コロナ禍を通して価値観の多様化は加速し、実際にライフスタイルを変化させる人も増えてきています。

仕事を中心とした従来のライフスタイルから、生活を楽しむことを中心に置いた新しいライフスタイルへ。

このような価値観の変化を動機としているのが、ユーザーにみられる共通点のひとつです。

また、リモートワーク勤務が浸透し、慣れない中でもより生活を充実させることを目的として、デュアルライフを採用するユーザーも非常に多いようです。

事業者としては様々な価値観を汲み取り、デュアルライフに適した空き家活用で、ユーザーの生活を後押ししたいところ。

次の章では、具体的なユーザーのイメージをさらに膨らませていきましょう。

空き家のデュアルライフ。ユーザーの人物像を考察。

空き家でのデュアルライフを行う人物は、一体どのようなライフスタイルを理想としているのでしょうか。

ここでは、ユーザーイメージを膨らませるために、2パターンのライフスタイルを提示しています。

どのような動機で、何を目的にデュアルライフを選択したのかについて、具体的にイメージすることでターゲットの志向をあぶりだす考察です。

一例として参考にしてみてください。

【ケース1】大手企業リモート勤務に伴うデュアルライフ

20代女性で入社歴は3年。東京都心の大手企業に勤務しているが、コロナ禍をきっかけに今春より週2回の出社となった。

残りの週3日はリモート勤務を指示されているが、別の会社に勤務する友人との休みもあわず、在宅勤務の閉塞感を感じ始めたことから、デュアルライフを検討することに。

都心近くの自宅はそのままに、海の見える郊外の物件を賃貸で借りた。

空き家をリノベーションした物件で、周囲には自然もあり、仕事をする都心の喧騒から離れられることで、自身の生活の充実に繋がっている。

仕事とプライべートにメリハリを持たせることができ、コミュニティーが2つできることで新たな出逢いにも恵まれている点も、デュアルライフを気に入っているポイントだ。

【ケース2】働き方の方向転換によるデュアルライフ

40代男性、メーカー勤務。昨年結婚し男児を授かり、妻にも相談のうえ、コロナ禍を機にライフスタイルをチェンジすることにした。

所属企業でも副業が認められることになり、不安定な社会状況と子育ても加味して、物価が安く自然を感じる事ができる郊外の空き家物件を購入。

平日を都心近くの自宅で過ごし、週末を中心に別宅で過ごすことにした。

郊外の別宅では農業を始め、現在、週末の食料分程度は自給自足できる程になっている。

自身と妻の共通の趣味である山登りや、ゆったりと自然を見ながら走れるドライブもお気に入りで、生活を豊かに感じることが以前より多くなった。

何より自然一杯の地域で子育てができており、新しく始めたデュアルライフにも満足することができている。

ユーザーが求めるのは、暮らしの充実。

2つのモデルケースに共通する価値観は「暮らしの充実」ではないでしょうか。

現代では生活の価値観が多様化し、古くからあるキャリアや収入至上の生活から、個人個人のもつ”自身が大切にしたいもの”に価値を置く生活にシフトしてきおり、その実現のハードルも下がってきています。

デュアルライフは、まさにそれぞれの理想の暗しを実現する、新たな手段としても注目されています。

ワークライフバランスの充実や子育て、農業や趣味に至るまで、現在の生活をほぼそのままに、同時に別のコミュニティーで暮らしを実現できることが最大の魅力です。

仕事も大切にしながら、生活を今よりも充実されられる点が、現在の不安定な社会情勢にもフィットしているライフスタイルだと言えます。

デュアルライフのユーザーをターゲットとする事業者としては、気軽に住める環境整備が、ユーザーを集めるうえでの大切なポイントになりそうです。

<次ページ:空き家を活用したデュアルライフのメリット>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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