相続した空き家を避難所として考える
避難をするための方法を説明してきましたが、どれも大なり小なりと問題点のある避難方法です。
そこで今注目されているのが、空き家を避難所として考えることです。
空き家であれば、ホテルのように宿泊費がかかることもなく過ごすことができますし、テントより頑丈です。
空き家の活用方法として、様々な視点から考えてみましょう。
空き家の管理をしながらできること
今、実家を相続することで、家を持て余す人が増えています。
親が亡くなり家を相続したものの、すでに自分の持ち家もあり親の家に住むことが出来ない…。売却することもできず、活用もできないため苦肉の策として空き家を管理し維持するしかできないのです。
「特定空家」にしないためにも、「空き家管理サービス」などを利用して維持する空き家。
この空き家を避難所として利用できるように整備すれば、管理しながら避難場所も確保することができます。
空き家を避難所として使用するメリットとデメリット
〈メリット〉
空き家のため防災グッズや長期保存タイプの水食糧などを備蓄しておくことができます。着替えなども準備しておけば、いざというときに身一つでの避難が可能です。
言うまでもありませんが、避難所とは違い個人や家族のみで避難ができるので、新型コロナウイルスへの感染リスクを下げることができます。
〈デメリット〉
親の家だった場合、身の安全を確保するためにも前もって荷物の処分をする必要があります。家具の処分費用だけで100万以上かかる場合も。
とはいえ、家を管理するためにも家の荷物を整理することは必要ですので、デメリットと呼ぶほどではないといえます。
空き家を避難所にという試み
今、空き家の価値が見直されています。所有者が不在の空き家などを借り受け、避難所として利用しようとする試みがなされているのです。
空き家を避難所として利用するには、どのようなことが必要なのでしょうか。
詳しく見て行きたいと思います。
求められる空き家避難所
空き家管理士協会では避難所として空き家を活用するために、空き家を募集し、空き家が利用できる地域や空き家数を調査しています。空き家を登録・整備・活用し、空き家を避難所として利用することで空き家の可能性に挑戦しているのです。
災害時に、利用できる空き家があれば、空き家を所有していない人でも新しい形の分離避難が可能となります。
参照:空き家管理士協会〈脱・雑魚寝〉空き家を避難所に活用したい。
地方で空き家の購入を考えるなら
空き家を購入する際に気をつけたいこと
地方で移住生活がしたい、週末農家がしたいなどの理由から空き家の購入を考えるのであれば、是非とも避難所としての活用も踏まえて家を探すと良いでしょう。
ハザードマップなどを参照して、災害の少ない地域を探し、どんな災害が想定されるのか知ることも大切です。
購入の際には、「空き家になった理由」について把握するために是非持ち主に質問をしましょう。
ほとんどの場合は、相続などによる売却などですが、まれに事件の起こった物件であったり、近隣トラブルが原因で引っ越しを余儀なくされたりしている場合もあります。
また、リノベーション費用などにも気をつけましょう。表面上は綺麗に見えていても水道、電気といったラフラインが使用できないようでは避難所として利用することはおろか、生活もできません。シロアリなどの害虫も注意が必要です。
また、耐震性も大事です。1981年6月以前に建てられた家の場合、旧耐震法で建てられているため耐震工事をしなければなりません。
避難用に購入した空き家が、耐震法をクリアしていないようでは本末転倒といえます。
是非とも購入前にインスペクションなどの利用をして、プロの目による確認をしましょう。
ただの別荘ではない、避難所としての備え
空き家を別荘だけではなく、避難所として考えるのであれば防災グッズなどの備えをしましょう。
また、水、マスク、体温計、アルコール消毒薬などの常備も必要です。アルコール消毒薬などは、使用期限があるので1年おきに水や食料のチェックと一緒に確認を。
空き家のある地域の防災用の地図や、緊急連絡先なども確認しておきましょう。
また、空き家は普段生活をしていない場所なので、近隣人と連絡やコミュニケーションが取れないことも。
テレビ、携帯などの情報網が建たれる避難時は、近隣とのコミュニケーションが命綱になることもありますので、所有の空き家へ立ち寄る際には、近所に挨拶などをしておくとよいでしょう。
空き家の活用なら空き家活用株式会社へご相談を
お持ちの空き家を地域の避難所として活用する場合も是非とも弊社にご相談を。
大きな災害では、避難所での生活が何週間にもわたる可能性もあります。
そんな時に、分散避難できる場所を確保しておくことは、このコロナ時代に一つの身の守り方になるのです。
(了)
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※私どもは不動産会社でも建築業でもございません。
「未活用物件」「空き家」の情報を自治体さまとの連携などもしながら収集し、関わる方のお悩みに相談する窓口としての専門会社です。
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