空き家に関する税金とは
固定資産税、都市計画税
先ほど「特定空家」のところで少しお話した固定資産税と都市計画税ですが、「特定空家」でなくても、固定資産税などが6倍になる場合があります。
どういった場合に固定資産税が6倍になってしまうのか見てみましょう。
≪更地にするか、建物を残すか≫
空き家を売却する際に、古家があるゆえに売れない…ということがあります。
私も義実家の売却の際に、古家がネックになってなかなか売ることができませんでした。
それならば、いっそ更地にして売ってしまえばいいのではないかと思うのですが、更地にしてしまうと、固定資産税の住宅に対する軽減措置がなくなり税額は一気に6倍となります。
都市計画税も更地にすることで特例がなくなるため、税額が3倍となってしまい、更地にしても土地が売れなかった場合には、増額した税金だけが重くのしかかるのです。
そのため更地にするのか空き家（古家）を残すのか、見極めが必要となります。
空き家の3,000万円特別控除
相続等によって取得した空き家を売却する際にかかる譲渡所得から、3000万円までは控除されるという特例があります。
この特例を使うと、譲渡所得税をほとんど支払わずに空き家を譲渡することが可能になります。
譲渡所得の3000万円特別控除の特例について、詳しく内容を見てみましょう。
≪譲渡所得の特別控除を受けるための５ポイント≫
１ 被相続人が一人で住んでいた家であること
２ 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
３ 相続から譲渡まで空き家であること
４ 譲渡対価が1億円以下であること
５ 耐震リフォーム等により、譲渡の際に耐震基準に適合すると証明されていること
もしくは家屋を取り壊して売却すること
空き家を売却する際に、譲渡所得の特別控除を受ける場合は、上記５ポイントをクリアする必要があります。
他にも詳細な取り決めはありますが、通常の相続であれば利用することが可能です。
詳しくは下記の国税庁HPをご覧ください。
【被相続人の居住用財産（空き家）を売ったときの特例】
≪平成31年4月1日以後からは老人ホームへの入居でもOK≫
平成31年からは空き家の住人が存命でも特例が使えるようになりました。
一人暮らしの老人が、骨折などをきっかけに入院し、入院が長引いてしまい老人ホームへ入居してしまうことや、一人での生活が難しくなったことで老人ホームに居を移すことがあります。
その際に無人となってしまった家にもこの特例を使うことができます。
もしも、ご両親が存命にもかかわらず入院などにより実家が長い間空き家状態の場合などは、一度特例が利用できるかどうか確認すると良いでしょう。
≪特別控除には期限がある≫
この譲渡所得の3000万円特別控除の特例には、期限があります。
平成28年4月1日から令和5年12月31日までの譲渡が適用となり、その期間に行われた相続のみ特例を使うことが可能に。
相続開始日以後3年経過した年の12月31日までが譲渡期限となるため、もしも今相続した空き家を所有している場合がありましたら特別控除を検討してみると良いでしょう。
≪空き家を何人か共同で相続する場合≫
この特別控除は、適用対象者ごとに適用が可能となります。
例えば、3人でこの譲渡所得の3000万円特別控除の特例の適用を受ける場合、最大で3000万円×3人＝9000万円相当の控除に。相続人が複数人いたら、その人数分だけ控除が受けることができます。
≪その他特例を受ける場合≫
譲渡所得の3000万円特別控除の特例は、「自己居住用財産の3000万円特別控除」または「自己住居用財産の買換え特例」のどちらかとの併用が可能です。
ただし、「自己居住用財産の3000万円特別控除」と併用する場合は、3000万円+3000万円で6000万円の控除ではなく、二つの特別控除合わせて3000万円が限度額となりますのでご注意下さい。
また、「相続税の取得費加算」の使う場合は併用ができません。どちらか一つを選ぶ必要があります。
住宅ローン控除とは、併用は可能です。
空き家の管理方法は100円からできる
空き家の管理が100円！？ 値段によってさまざまな管理方法
空き家の3000万円特別控除を利用してお得に売却するためにも、空き家の管理が必要です。
空き家の資産価値が落ちてしまっては、売却価格が下がるだけではなく最悪の場合は売却できない場合も。
そうならないためにも、空き家の管理をしましょう。
ご自分での管理が難しい場合は、管理サービスの利用がおすすめです。
空き家の管理サービスは、見回りのみであれば100円から管理を頼むことができます。月1回の郵便受けのチェック、簡易掃除程度であれば月3000円～5000円程が相場のようです。
一般的には、通水、全室換気、屋内外簡易清掃、防犯確認などの管理であれば1万円を前後するプランが多く、ほとんどの人がこのプランを利用しています。
管理サービス会社によっては、災害時には無料で点検をするサービスがついているものもありますので、ご自分にあったサービスを検討してみるとよいでしょう。
空き家管理を検討するなら
空き家の管理サービスを検討する際に、多くのサービス会社あるためどこ選べばいいのか悩んでしまうこともあるかと思います。
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