──この家に住んでみて、あるいは直方に暮らしていいなと思うところはありますか?
関西から九州に帰って来た時に”スーツを着てたのを普段着に脱ぎかえたみたい”なくらい私にとっては呼吸が楽にできる田舎に戻って来たというのが1つ。
それと、私が中2の時に父が建てた家。凄くこの建物が好きで、壁紙とかも姉達と相談して決めた家だったので、そこにまた住み続けられるというのは姉達にも喜んでもらえました。
和風のものが体に合っていたので、今の和風の家に住めるというのは本当に心地良いですね。
和って全部天然素材を使うじゃないですか。それを洋に変えてしまうのは勿体ないし、陳腐な感じがして和を活かしたかったです。娘はかっこいいお家にしたかったみたいで、凄い嫌だと言っていましたけど・・・。
風通しがよくて、今もエアコンつけていないんです。(取材時の気温は33℃)風が通りさえすれば何とか過ごせるので、木造建築ってやっぱりすごいなと思います。
あと、娘の部屋に歴代の柱があって、私や姪っ子達の背が書かれています。これだけは色を塗らないで置いておいて欲しいとお願いしました。今の娘の部屋は茶の間だったんです。
夫の父が、「瓦屋根はあの重い屋根を支えるために下をしっかり作らなきゃいけないから、家を買うなら瓦屋根の家にしなさい」と言っていました。瓦は凄く高くて、リノベーション費用の1/4くらいが瓦代だったんですけど、全て替えました。でも安心です。
──これからも何かやりたいことはありますか?
この家を建てた時に私の父が鉄鋼業の仕事をしていて、この家と同じぐらい大きな倉庫が一戸だけ残っているんですね。リノベーションでお金は全部使い果たしていますが、そこを何とかゲストハウスだったり展覧会だったり、何でも使えるホールみたいなものを作りたいと考えています。
やっぱりこういう田舎は泊まる場所が無いんですよ。人を呼んでも家もいっぱいだし、娘達が帰ってきたり友達が遠くから来ても案内できるホテルが無いので、ゲストハウスのようなものが地方こそあるといいなと思います。
──今、実家をどうしようか悩まれている方へ一言お願いします
建築士が言ってくれていたのが「住まいは人が住めば絶対大丈夫!」というのがあります。住みさえすれば建物は持つと。どんなに”え!”と思うようなところでも活かし方はあると思うし、中古には新築にない温かみがあると思うんですよね。
それにマンションだけじゃなくて、戸建の空き家に挑戦してみて欲しいなと思います。本気になれば助けてくれる人が出てくるので。
引き継ぐ前の話ですが、「この家怖いねぇ。幽霊屋敷みたいだね」って言われていたそうなんです。でも私達が引っ越すってなったら、叔父達がチェーンソー持って来てくれて。「これじゃだめだ!」と、木という木の全てをなぎ倒す勢いで全部やってくれたんですね。
家ってこうも変わるんだなと、リノベーションが終わった後に姉達も凄く驚いていました。
自分達がこの家を何とかしたい!と決めた時から、色んな事が動き始めたので、活かすのは人間かなと思います。
──取材後記──
今回西村聡子さんご夫妻への取材を通じて、終始感じたのが西村さんの「前進力」。ポジティブという英語から受ける感覚とは異なる力を感じました。
空き家は放置しちゃいけない。
空き家は活用したほうがいい。
頭では分かっていても、労力や金銭面など現実を目の当たりにすると諦めの心が湧いてしまうもの。
そんないくつもの課題にぶつかる度、友人や地域の方の力を借りながら粘り強くリノベーションを進めていきました。「自分達が本気になれば必ず誰かが助けてくれる」と言い切る西村さんの瞳は穏やか。
ご両親から受け継いだ家。姉妹と刻んだ背比べ。
その柱が今、西村さんの娘さんの部屋で静かにご家族を見守っています。
(了)
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