空き家の所有者

失敗から学んだ”円満な相続”に必要な事。一気通貫で関わるからこそシェアできる、相続の本質に迫る。

前回の「敬老の日に話し合うべき相続のポイント」の記事では、インターネット上では出会えないリアルな相続の実態や、対策を進める上での重要なポイントをアドバイスしていただいた小島孝治さん。
今回は、事業立ち上げのきっかけとなった親しい知人の相続トラブルについてお話していただきます。早い段階で適切な助言を行なっていれば、確実に避けられたトラブルだと話す小島さん。相続トラブルの内容や原因、その対処法を探ることで見えてくるものとは。
小島さんは相続に関わる事業者でありながらも、”業者には依頼せず、まずは自身で相続手続きを進めること”を強く推奨されています。「相続の本質」とも言える、相続財産を渡す側の意志や家族の想いを尊重することの大切さを伺いました。

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小島孝治プロフィール

代表を務める「昭和市場」では、実家の片付け・整理から売買、空き家の運用に至るまでにトータルに関わり、既成の枠に囚われない新しい手法でのサポートを提供。現在口コミだけでも依頼の絶えない事業者であり、簡単に専門業者に頼ることなく、個人で対策することを推奨している。
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人間関係が壊れた、大失敗の相続

私が相続関連のサポート事業を立ち上げたのは、身近な方の相続の大失敗を目の当たりにしたことがきっかけです。

当時私は大卒で入社したテレビ東京から独立し、専門辞書コンテンツの配信やアプリ開発などを手掛ける事業を立ち上げていました。法律や税制関連の用語は扱っている辞書の関係で多少の知識はありましたが相続の専門知識がほとんどないまま相談に乗っていました。

当時は親身ではあるものの適当なアドバイスしかできず、振り返ると逆効果なことばかり言っていたようにも思います。それが今考えると確実に防げた案件だったこと、しかも典型的なトラブル事例だったというところも大きく心に残っています。

典型事例とはいえダメージは甚大です。仲が良かった親戚関係が断たれ、過去まで掘り返す相続人が現れ精神を病む方も現れました。結果専門家への支払い費用も嵩み誰も得しない結果となりましたが、何より二度と取り返せない信頼関係を失ったのは後悔しても後悔しきれなかったのではと思います。

この事例ですが、全然特殊ではなく今後の日本がかかえる社会問題そのものになるほど多くの方が経験するのではという内容です。昭和初期生まれの方はきょうだいも多く、相続人はもちろん利害関係者も多数になりなおさら複雑化します。都心に100坪程の不動産を所有しており元々財産はあったものの、月額100万円近い高級老人ホームの利用料によって現預金などが底をつきつつあったタイミングでの相続となりました。子世代も10年以上誰も事前に触れずに進んでいたことも取返しのつかない事態を招いた原因です。

「知識」があれば防げたことであった

こんな経験をした私は、利害関係がなく信頼できる、友人や知人の弁護士・税理士などに相談し、失敗の原因を徹底的に振り返ることにしました。そして明確に分かったことが「知識があれば100%防げた」ということです。知識がないまま相続対策を進めれば、金銭的な損失を生むだけでなく、取り戻すことのできない大切な関係を失うことにもつながることを改めて痛感しました。

そして、相続は「早めの対策をすること」と「相続財産を渡す側の意志を尊重すること」が非常に大切である点も理解できました。相続の失敗に良くある人間関係のトラブルは、対策を急いだことにより、親御さんや親族の気持ちを置き去りにしてしまうことが原因です。

また、空き家などの対策を放置すれば、固定資産税やトラブル対応なども必要となります。放置すれば想像以上の「機会損失」を生み、トラブル対応や税金の問題などが日に日に増すことで、大切な財産を食いつぶす恐れがあります。空き家の水道管が破裂して、仕事を犠牲にしても都心から郊外の実家まで行かなくてはならなかったり、役所経由で対応を求められるなどの事例も良く聞きますので、まさに放置は損ばかり。早期に対策を始めることは本当に大切なんです。

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