地方自治体の空き家対策

移住者へ集中、徹底的な施策。「移住したい街」づくりが生み出した空き家活用とは<前編>

兵庫県の北部にある豊岡市は、日本海に面した四季の彩りが豊かな市。2005年に6つの市町が合併したため、面積はとても広く697.55㎢あります。東京の23区の面積が627.6㎢ですので、23区全てがすっぽりと入ってしまうほどの広さ。街づくりをつかさどる自治体における、空き家問題の存在とその打ち手とは?を追う連載『自治体と空き家』。今回は、豊岡市 環境経済部 環境経済課 定住促進係 沖中正孝さんに空き家対策について自治体での取り組みを伺いました。加速度的に進む、空き家の解消。実は、空き家問題への対処、ということは目指してなかった? その取り組みを詳しく聞いた。

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沖中正孝さん(写真提供:豊岡市)

豊岡市の現在の人口は約76,000人(2020年国勢調査調べ)で、2015年に行われた国勢調査時よりも約6,000人も人口が減少しているそうです。

人口減少に歯止めをかけるために行っている移住者誘致策から見えてきた『空き家対策』について伺いました。

──豊岡市とはどのような特色の市ですか?

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市で取り組んだコウノトリの野生復帰(写真提供:豊岡市)

豊岡市は6つの市町が合併してできたこともあり、兵庫県で一番面積が広い市です。

兵庫県の北部にありますので日本海に面しており、冬には30㎝~40㎝ほどの雪が積もり、綺麗な雪景色を見ることができます。

また、合併したそれぞれの町は特徴が際立っており、城崎温泉や竹野浜の海岸、出石(いずし)の城下町、出石そば、神鍋高原スキー場など、市として多様性にあふれ、いろいろなコンテンツがあることが豊岡らしさなのかなと思っています。

特徴的な市の取り組みとして、一度は野生で絶滅したコウノトリの野生復帰を行っています。2005年に5羽放鳥し、今では200羽以上のコウノトリが日本の空を悠然と舞っています。

コウノトリは完全肉食で、カエルやドジョウ、バッタなどを田んぼで捕獲して食べます。そのため、市内全域の取り組みとして、無農薬の米作りなどコウノトリのエサとなる“生きもの”を同時に育む栽培手法を確立し、「コウノトリ育む農法」として推進してきました。このお米は実際に『コウノトリ育むお米』として全国で販売されています。

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