空き家相談事例#1 空き家を「売る」「売らない」で意見が一致しない家族。納得のために必要だったのは”現状を正しく知る”ことでした

実際に空き家所有者さまからのご相談にお答えしている「空き家専門アドバイザー」に、今まで経験した空き家の相談事例についてインタビューしました。
今回は空き家所有者のお子さまからの相談事例。ご相談いただいた際は「売りたくない」と考えているお母さま(空き家所有者)と「売るしかないと思う」と考えているお子さまで意見がまとまっていない状況でした。
アドバイザーは実際にどんなやりとりをして、空き家の解消まで導いたのでしょうか?ぜひ最後までお読みください。

※ご相談者さまの個人が特定されないよう、加工した内容を記載している部分があります。

目次

「売りたくない」空き家所有者と、「売るしかない」と思っている家族

ー まずは、ご相談いただいた内容について教えてください。

アドバイザー 空き家所有者のお子さまからのご相談でした。お母さまのご実家が空き家となっており、お母さまが現在の 空き家所有者。
家族はみなさま空き家とは離れた場所に住んでおり、もう何年も実家(空き家)には帰っていない、という状況でした。

ご相談いただいたお子さま(相談者さま)は「売るしかないと思う」という意志で固まっているものの、お母さま(所有者 さま)は「売却はしたくない」という意志。家族間で意見が合致しないけれど、お母さまが気持ちの部分で整理がつかない 状態で売却を無理強いすることはできないと悩まれており、「どうすればいいでしょう?」というご相談でした。
お子さまは「母の気持ちは良くわかるが、現実的な話として実家から離れたところに住んでおり管理もできないし、売るしかないと思う」という気持ちでいらっしゃいました。「母の気持ちには寄り添いたいけれど、空き家のことはなんとかしたい」という板挟みで悩まれていた状態ですね。

ー なるほど。まずはじめに伺っておきたいのですが、結果的にその空き家はどうなったのでしょうか。

アドバイザー 結果的に空き家は売却することとなりました。現在は、地元の不動産業者に依頼して売却活動を行っている状況ですね。

空き家の現状を知ることで、「売却する」という決定へ

ー 空き家所有者であったお母さまの気持ちが「売却しない」から「売却する」に180度方向転換されたのですね。
この意志決定のためにアドバイザーがしたご提案とは、どういった内容だったのでしょうか。

アドバイザー 私がした提案としては、「まずはお二人で、空き家の現状を見に行かれてはいかがでしょう?」というものでした。

ー 「売却する」といった決定の前にですか?

アドバイザー はい。お二人とももう何年も家の状況を見ていない、ということでしたので、まずは一度見に行かれてはどうですか?と。
結果から言いますと、売却に反対されていたお母さまは、家の前に着いて外観を見た瞬間に「この家は売ろう」と決められました。

ー 着いてすぐに外観を見ただけで!?

アドバイザー 家というのは、使う人がおらず管理をしていなければ驚くほどの速さで劣化するもの。しかし、家は劣化する、というのは、頭では分かっていても実際に目にしないとなかなかリアルには感じられないのです。
家を見に行っていなかった時間分の劣化を実際に見ていただくことで、それを実感していただけたのだと思います。

そして、なにより「リアルと思い出のギャップ」を感じられたというのが、売却の意志を固められたポイントだったのでしょう。

過去の思い出というのはどうしても美化されるもの。おそらくお母さまの中ではご実家は「少し古いけれど、まだまだ現役のしっかりした家」という思い出の中の印象だったのだと思います。その「思い出」が実際に現状を目の当たりにすることで 覆され、「実家を手放したくない」という思いに整理が着いたご様子でした。

お母さまは家に着いて外観を見た瞬間、もうご実家が自分の記憶の中にある家とは違うものになったことを悟られたのだと思います。
「劣化が進んでいるから売るしかない」という面ももちろんありますが、それ以上に「もう実家が、自分の知っている生まれ育った大切な家とは違うものになっている」という実感が売却への決意に繋がったのだと考えています。

第一に必要な空き家の片付け。荷物整理と同時に空き家を現状確認を

ー 「まずは家を見に行ってみては?」という提案はどこから出たのでしょうか。

アドバイザー 発端としては、ご相談いただく中で「実家の荷物はまだ片付けていない」という話が出たことでした。   そのため、まずは荷物の確認をしてみてはいかがですか?と。

売却するにしろ賃貸に出すにしろ、荷物の整理は必要です。業者に依頼するとしても、捨てられない大切なものがあるかどうかはご自分の目で確認したほうがいい。片付け業者は金銭的な価値で荷物を仕分けることはできても、思い出の品かどうかを判断することはできませんからね。大切な思い出のものを失わないよう、まずは、一度ご自分の目で確かめたほうがいいと思いますよ、とご提案しました。

その上で、荷物を確認しに行くと同時にご実家の現状もご覧になってください、とご提案した流れですね。

大切なのは所有者さまの思い。気持ちの整理のためにできることとは?

ー ご相談をうかがう中でアドバイザーが「これはもう売るしかない」「売ったほうがいい」と考えてその方向に誘導した、という部分はあるのでしょうか?

アドバイザー いえ、それはありません。
確かに空き家を活用するうえで所有者さまに金銭的な損得は発生しますが、まず一番大切なのは所有者さまとご家族の空き家に対する「思い、意志」。どうしたいのか?という部分です。

ご相談内容を伺って「売却」という選択肢が大きいだろうなとは考えますが、アドバイザーから強引に「こうするべきだと思います」というご提案はしません。
アドバイスを求められれば客観的事実に基づいてご提案はしますが、その前にまずは所有者さまの気持ちを整理することが大切だと考えています。

そのため今回も、「売却のために」ということではなく、「所有者さまがご実家に対してしっかりと気持ちの整理をつけられるように」という点を一番に考えてご提案しました。
その上でのご提案が「一度空き家を見に行ってみてはいかがでしょう?」というものだった、というだけです。

気持ちの整理のために大切なのは「空き家の現状を知る」こと

ー なるほど。気持ちの整理が大切、という話でしたが、気持ちの整理をつけるために大切なこととはなんでしょうか。

アドバイザー 人によって異なる部分はありますが、最初に取り組むべきかつ大切なのは「空き家の現状を正しく知る」というところだと思います。

所有している空き家のことでお困りの方は、現状の空き家の状態を詳しく知らないという方も多いのです。
それは空き家と現在の住まいが離れているから起こりやすい状況であり「離れているから現状が分からない」そして「現状が分からないからどうすればいいのか分からない」といった悪循環に陥りやすいのです。

それを解決するためにまず大切なのが、「空き家の現状を正しくしっかりと知る」ということ。
もちろん管理の代行サービスが状況を報告してくれるサービスなどもありますが、やはり一番はご自分の目で確かめて知るということだと考えています。

ー 空き家の対策や活用は、まず空き家の現状を正しく知ることから始まるのですね。ありがとうございました!

(了)

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