今回は、活用者さまを募集している登録有形文化財の空き家のご紹介です。
ご紹介するのは愛媛県に位置する登録有形文化財「越智(おち)家住宅」。明治時代に豪商として名を馳せた越智家の豪邸といえる物件です。
皆さんは「登録有形文化財」と聞いてどんな建物を思い浮かべますか?
観光名所?美術館?確かにそのようなものが多いイメージですよね。展示などで収益を得ている文化財は数多くあります。
では、その登録有形文化財をあなたのアイデアで活用できるとしたらどうですか?
空き家が年々増加する中で、古民家を活用できるチャンスも増えつつありますが、登録有形文化財を活用できる機会は大変稀少です。
めったにない機会なので、お見逃しなく。活用に興味を持たれた方は、ぜひ一度空き家活用株式会社までお問い合わせください。
◎美しい建物と内装を、まず映像でご覧ください
所有者の佐野様が現状の越智家住宅を撮影し、YouTubeに公開されています。現在はお住まいになられていませんが、 綺麗に手入れをされていらっしゃいます。陽の光が差し込むと、障子や床の間などの美しい細工が浮かび上がります。 まずはこちらをご覧ください。
「越智家住宅」ー壬生川の豪商 越智家の邸宅
南北に細長い敷地の中に建つ3棟の建物から構成される住宅。母屋(店舗兼居宅)と茶室、隠居所が繋がっており、全て国の有形文化財に登録されています。
所在地
〒799-1341 愛媛県西条市壬生川36
越智住宅があるのは愛媛県西条市。西条市は東予地方にあり、西日本最高峰の石鎚山の麓に位置します。北には瀬戸内海燧灘(ひうちなだ)に面しており、海と山の恵みに富んだ地域です。人口108,174人(2015年)、四国八十八箇所の60~64番の札所となっています。
越智家住宅は西条市の西側。北からは瀬戸内海に面し、南は石鎚山に囲まれ湧き水が豊富な豊かな土地です。交通の便もよく、本河原通り沿いにあります。
越智家について
越智家のある壬生川(にゅうがわ)は松山藩時代から年貢米の積出港として栄えてきました。300件近い商家が立ち並ぶ中、越智家(屋号は「桝屋」)は港に一番近いところで肥料商を営んでおり、町一番の大店でした。
地域一番の豪商と言われた越智家が贅の限りを尽くして建築した豪邸で、木造建築の手本ともいえる職人技が随所に見られ、棟梁の細かな心意気が建物に表れています。商家の賑わいが目に浮かぶような、まさに文化財にふさわしい建築物です。
越智家を構成する3棟と越智家を愛した人々の歴史
越智家を愛した和太郎と英一郎
今回お話を伺ったのは、現在の越智家の所有者である飯尾さま・佐野さま親子。
お話の中で、飯尾さまの父である越智英一郎と、その父 越智和太郎の思い出をたくさん伺うことができました。 越智家を愛した2人の風流人の思い出を紐解きながら、越智家を構成する3棟の建物を紹介していきます。
母屋(居宅部分)
現在残る母屋は、「枡屋」の中枢部でした。モダンな応接間からは、遠方からの来訪者との商談が頻繁に行われ、とても賑わっていた往時の名残を感じられます。
応接間は中庭に面しており、その窓には洒落た細工ガラスがはめ込まれ、ガラス越しに中庭を眺めながら商談を行うことができるようになっていました。照明器具も洒落ています。
浴槽は元は五右衛門風呂でしたが、後に桧の浴槽に取り換えられています。座敷は広く、英一郎が愛でた桜草や日本菊を座敷の外のひな壇に並べては、体が弱って動けなくなるまで客人をもてなしていました。英一郎は草花を愛し、菊や桜草は自分で品種改良を手掛けるほどでした。
庭には苔も貼られ、随所に山野草が植えられました。英一郎は晩年日本菊の栽培はやめていましたが、桜草は病気でこの家を離れるまで腰をかがめながら大切に世話をしていました。
庭には無数の鉢がならび、それぞれに丁寧な字で書かれた竹の名札が添えられていました。そのうちのいくつかは今でもご親族のお庭で命をつないでおり、大切に育てられています。
母屋(店舗部分)
店舗部分は応接間とは対照的に実用的で堅牢なつくりになっています。天井を支える梁を見上げると、いったいどのくらいの重量があるのかと思うほどです。
家族の暮らす居住部分は店舗とは細い通路でつながっており、使用人は店舗に備えられた部屋で寝泊りしていたようです。 居住部分には多くの部屋があり、台所と寝室、座敷はそれぞれ石を配した中庭を挟んで通路でつながっており、中庭の反対側には厠がありました。
隠居(数寄屋)
和太郎は、長男英一郎の結婚を機に隠居し、越智家の敷地の奥に自分の終の棲家を建てることにしました。 隠居と同時に母屋と隠居の間に「樟蔭(しょういん)」と名付けられた茶室も建てられています。
隠居に移った後も商いは続けていましたが、風流を好む和太郎は句会や茶会、月見や菊見の会を度々開き、越智家に招かれることは町の名士として認められることであり、名誉なことであったようです。
活用することで残したい、登録有形文化財「越智家住宅」の特長
随所に散りばめられた職人の”粋”
越智家住宅は随所に職人の技術の粋が散りばめられています。それは、棟梁と当時の大工の自由な発想によるもの。 建設当時のエピソードを和太郎の孫である飯尾様からお伺いしました。
『隠居の二階は祖父和太郎が終生使っていた部屋です。祖父がこの家を隠居として建てる時に依頼した棟梁が、妻の甥にあたる吉田吉之助さんでした。祖父は吉乃助さんに「きっつぁん、わしはなんも言わん、あんたの思うように建ててごらん」と言ったそうです。
棟梁の吉田吉之助さんは大工仲間から、「そんな施主のもとで働いてみたいものだ」と、大層うらやましがられたという話も。そんな経緯もあり、施主である和太郎が長く過ごした部屋には特別な配慮があったのかもしれません。』
堅牢な母屋
さらに、母屋についてもその堅牢さを物語るエピソードがあります。
『南海トラフ大地震の翌朝、見知らぬ大工さんが訪ねてきました。聞けば「おじいが枡屋(越智家の屋号)の母屋は地震に強いように建てられているから、どうなっているか見てこい、という」のだそうです。そしてあちこち見て帰りましたが、確かに昨夜のあの恐ろしい揺れにかかわらず損傷は一つもありませんでした。』ー飯尾様より
越智家住宅の文化財建築としての価値
越智家住宅は登録有形文化財として、歴史的な価値や希少性が大変高い建物ですが、文化財建築としての技術や美術的価値も大変高いものとなっております。
『父英一郎が亡くなった後、この家を残す価値があるのかどうか診断をお願いしようと、文化財建築のスペシャリストである鈴木嘉吉先生にお越し頂きました。鈴木先生はゆっくりとひとつひとつ丁寧に見てくださり「隠居もいいですが、店舗と住宅が一体になった母屋はとても価値があります」とおっしゃって下さいました。』ー飯尾様より
文化財建築のスペシャリストからも太鼓判を押されている、素晴らしい建物です。
古民家は数あれど、活用できる「登録有形文化財」は稀少
空き家問題が広く知られるようになって久しい現在、古民家の活用を促進する取り組みが各所で始まっています。 その中には旧家などもありますが、今回のように登録有形文化財を活用させてもらえるのは大変稀少です。
越智家住宅は登録有形文化財でありながら、個人から企業様まで、営利活動を含めた活用が可能な物件です。展示や観光などの活用方法に縛られることなく、”商家”だった越智家の賑わいをあなたのアイデアで取り戻してみませんか?
魅力あふれる越智家住宅であなたのアイデアをカタチにしてみませんか?
これまでご紹介してきた通り魅力溢れる越智家住宅。登録有形文化財でありながら、営利活動も行うことができます。 活用のアイデアはあなた次第!ここでは越智家住宅ならではなの活用アイデアをいくつかご紹介します。
①現代に残る稀少な「木造建築の教科書」を使って大工さんの学校
現代の建物の多くは工場で作り上げてから現場で組み立てています。木材価格も高騰している中、これほどの木造建築を今 作り上げるのは、労力・資金はもちろんのこと、技術面においても困難を極めます。
敷地内に寝泊まりをしながら、丁寧で粋、そして美しい職人の”仕事”を学ぶための大工さんの学校として活用するのはいかがでしょうか?
②登録有形文化財初の和食オーベルジュ
冒頭でもご紹介してきましたが、越智家住宅のある壬生川は海に近く、海産物も山の幸も豊富な地域です。大きな道路にも面しており、アクセスも良好です。多くの使用人を抱える豪商であった越智家では、母屋に大勢が宿泊できる部屋があります。
オーベルジュとは、日本風に言うと”旅籠(はたご)”。宿泊をメインとするホテルとは異なり、シェフが地元の食材を最高の鮮度で提供するためにレストランがメインになっています。ゆっくりと旬の食材とシェフの技術を活かした料理を提供する際、お酒とのマリアージュも重要になります。
オーベルジュや旅籠は、時間を気にせずゆっくりと、豊かな自然と共に目の前の食事を楽しんで頂きたいというシェフの思いが溢れた業態です。
当主和太郎の愛した庭や石鎚山、瀬戸内海を眺めながら、山の幸も海の幸も豊富な壬生川はオーベルジュに最適と言えるでしょう。
③地域のコミュニティカフェとして人が集まる拠点に
日本は少子高齢化が年々加速しています。高齢者にとっても住み慣れた地域で暮らしたい思いがあり、子供達にとっても共働きの両親が帰宅するまで安心して遊べる場所や、安価でお腹いっぱい食べられる子ども食堂、勉強を見てくれる近所のお兄さんお姉さんの存在が求められています。
商家であった越智家住宅は常に大勢の人が集まる賑やかな場所でした。そこで、高齢者の介護予防教室や、子供のための子ども食堂や学童保育、ハンドメイド作家さんのためのマーケットなど、幅広い世代が気軽に集まり利用できるコミュニティカフェの需要は増加しています。
所有者様のご要望
所有者である飯尾様・佐野様は、活用を希望している方を広く募集しておりますが、思い入れのある邸宅であるため以下の ご希望を取り入れて下さい。
趣味人であった和太郎の愛した庭を活かしてほしい
ストーリーでもご紹介しましたが、当主和太郎は豪商でありながら趣味人でもありました。隠居してからも茶室や隠居に人をもてなし、桜草は晩年まで自身で大切に育てていました。そんな素晴らしい庭園を、あなたの活用アイデアに是非組み込んで下さい。
思い入れのある外観・内装を残す形で使ってほしい
相当な築年数が経っているため修繕が必要な個所はあるものの、取り壊して全く新しいカタチにするのではなく、今あるものを活かした活用をしてほしいというご希望があります。とはいえ、まずはお問い合わせ頂きじっくりと話し合う中で双方にとって一番良い方向を見つけていきましょう。
物件概要
所在地:愛媛県西条市壬生川36
アクセス:JR予讃線「壬生川」駅から徒歩約13分
構造・設備:木造2階
契約形態:賃貸
賃料:応相談
歴史ある登録有形文化財でありながら空き家となっている越智家。商家として多くの人で賑わったこの場所に再び活気が戻ることを、所有者さまもそして家自身も望んでいると感じます。
この空き家に興味をお持ちの方、活用してみたいと思った方はぜひ一度空き家活用株式会社までお問い合わせください。
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