「リノベすると決めたら周りの環境も動き出しました。」実家の空き家に住むことを決めた西村さんご夫妻の事例

──引っ越し後の地域との関わりのきっかけを教えてください

(子どもを通わせていた)保育園が変わっていて、山の中にあるようなところなんです。保護者の仲良しメンバーが未だに一緒に仕事をしたり、面白い活動をしたりと、そこでの出会いが大きかったです。

それと、今仕事でも関わらせて頂いているお店が、コミュニティのような場で、皆が子育てしながら徐々に形になってきたという感じです。地域ならではというわけではないけど、田舎だからこそみんなで協力し合う文化はあるかもしれないですね。

そういったことは決して一人ではできなかったと思います。フリーランスでイラストレーターという人もいなかったです。ちょうど女性が隙間産業的に何かを始める人が多かったので、そういった女性同士の繋がりも大きかったと思います。

友人、仕事のお客さんなどのコミュニティがすでに出来ていたので、「どんな家?」と聞かれることが多かったこともあり、引っ越して半年で展覧会をしました。

展覧会の様子

また、夫は冬だけキャラメルを作って販売をしていますし、娘が3年くらい前に宮古島に移住し結婚したのですが、お婿さんの作っていたカレーが美味しくて。カレーの販売を始めたんです。

コロナで全く売れなくなってしまいましたが、でもとても美味しいので冷凍で送ってもらっていたら友人間で流行ったんです。そこから軌道に乗ってイベントでも販売しています。

キャラメル販売の様子
カレーはyahoo!ショッピングでも購入可能!

──今の住まいはいかがですか?

父が家を建てたのは40年くらい前で、今の(現代の建物)よりも木を多く使ってしっかり建てていました。今、同じくらいのものを建てようと思ったらとんでもないお金がかかってしまうそうです。

そこは信頼してこの家に戻ってきたのもあって、建築士からも「ここはべた基礎で構造上しっかりしているから大丈夫だよ」と言って頂いているくらいで、構造上は何の問題もないです。

(※べた基礎・・・住宅の底面全体に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎のこと。耐震性に優れている)

キッチンの裏にパントリー用の棚を自分達で作ったりしています。逆に、やれていないことも沢山あります。例えば、子ども達の部屋の珪藻土を塗るのを、下地のまま5年経ってしまいました。

思っていたより家族構成が変わるというのはありますね。4人のうち2人はもう独立しているので。残り2人は大学生と高校生になって、今後家族が増えるとしたら結婚して増えるか、動物が増えるかという感じです。

実は今日もこれから子猫を一匹もらい受けに行きます。

<次ページ:和の家にこだわった理由。歴史を刻む「あれ」も残せた>

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この記事を書いた人

リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。

次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。

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