成田をもっと人が集まる場所に。人が大好き、浪漫あふれる社長と社員さんの挑戦
ー古い建物を活かす事業を展開するメリットは何でしょうか？
柱一つ一つを見ても、現在は機械化されているので今の職人さんたちは釘・ビスで打って組み立てていくだけで、加工することができない大工さんになっちゃってるんです。昔ながらの伝統的な木造建築というものができない環境になっているので、そういう大工さんが減っていっているんです。
そうではなくて、昔はこうだったよと見本になるようなものを残していく必要があると思うんですよね。なので、１００年の家が解体するという情報が入ると私はトラックを持っていて、「悪いけど柱、梁を横においといて（残して）くれ」といって、自分で積んで１００～２００本を倉庫に保管しています。
何か、一つ一つがもったいなくて。作る過程を知らないからみんな捨てちゃんだろうなぁと。本当に財産なんです。私も実は宝の持ち腐れになっている部分もあって、すんごい本数あるんですけど使う機会がほとんどないんです。古民家には使えるんですけど、新しい住宅で使えないじゃないですか。ですので、あの柱を活かしていくのに古民家をもっともっと再生していく必要があるんじゃないかと考えて、ここ浪漫工房では結構使っています。
ー今後の事業の未来をお聞かせください。
やりたいことは山ほどあるんです。アイデアが浮かんでくると、すぐに行動してしまうので、周りからは「年齢のことや健康のことを考えて」と心配されるほど。そうはいっても私はワクワク、ドキドキ、ガヤガヤするのが大好きなので、引継ぐ息子や娘たち、社員も巻き込んで、成田をもっと人が集まる場所にしていきたいと思っています。
今後は農業もやっていきたいというのがあります。そういったことも取り組みながら、もっと自然であったり、自然に近いような環境づくりがどんどんできればなと思っています。
ー 「ワンちゃんと飼い主さん一緒に楽しめる場所を提供したいな」という発想から、が空いている土地にドッグランを作りました。それと同時進行でワンズランドというペットと住める家をオープンしました。５０～６０年経った古い建物で、新築はダメだけど改造はOKという場所でリフォーム工事が始まっていて、昨年完成しました。
古い建物を再生しながら、都会から来られた方達も憩えるような、ここへ来るとほっとする、そんな環境づくりをお手伝いして作っていきたいなと思っています。
ー空き家所有者や活用者に向けてメッセージはありますか
空き家問題に悩まれている方は、元々の家主さんが高齢化して二世代目、引き継ぐ人の悩みが多いんだと思うんです。このまま残されたら困るから更地にして駐車場にしたり、売却して現金にしてくれた方がいいという方もいらっしゃいます。
中には想い出があるから残して欲しいけど、兄弟が多いから誰が所有するのか、相続するのかで揉めている方が割と多いもんですから。そういうところの整備も含めて一度こちらにご相談頂ければ、一番良いカタチがどれなのかをご提案していきます。
兄弟による話し合いなどが必要で時間が欲しいということであれば、うちの方で数年間借り上げて運営をしながら、その間にもしかしたら孫の代が色んな提案をしてくるかもしれない。なので時間を少し必要とする物件に関してはそのような提案の仕方＝時間を借り上げるというサポートができるのかもしれないですね。
北海道から来られた沖縄から来られた、でも本来アパートは敷金・礼金をかけて、その地域のことが何も分からない状態で借りるしかないじゃないですか。でもシェアハウスはある一定の期間、１カ月でも２カ月でも住んでその地域や情報を知った中で自分に合うか合わないか。
交通の便やアクセスも含めて住みながら検討出来ます。その期間にもしかしたらいいアパートが見つかるかもしれない。そういった利用の仕方がシェアハウスだと思うんですね。
所有者としても、シェアハウスとして我々が管理している間に、売却をするのか、相続をするのか、収益化して分配するのか決めるまでの猶予ができます。建物も老朽化しないし、利用する方にとっても所有者にとってもシェアハウスという形が最初のご提案としていいと考えています。
空き家を借りてシェアハウスを運営したいという活用者の方もいらっしゃるので、そのような方には我々が物件を探したりもしていますし、空き家管理サービスもしています。空き家の所有者の方の想いに応えられるサービスがいくつかあるということですね。
取材後記
「人が好きなんですね」
筆者からの質問に
「好きなんです！」
相好を崩して前のめりにそう答えて下さる社長の姿が印象的でした。
社長のアイデアとパッションが本当に凄い！少数精鋭でやっています。社長自ら庭造りしたりペンキ塗ったりしているんですよ！と藤野さんも絶賛。
「週に２回は飯炊きもしています」
こちらは岩手県一関の渡辺さんという、５０年間無農薬の農家さんから買ったお米を小豆と共に薪で炊く。それを３日間寝かして発酵させた”酵素玄米。
栄養価も高まって、消化にもいいし腸内環境も整えてくれるー。そんなご飯が社長手づから作り、振舞われています。
発酵食品は、菌が食品を「醸す＝かもす」ことで完成します。
エネルギッシュで人や町・古い建物が大好きな社長を中心に、少数精鋭の成田エコハウス（株）の皆さんもまた、人と人との和を醸しながら今の事業まで拡大されてきました。
温かい気持ちで所有者さんお一人お一人と接し、共に進みながら、新たな困りごとが発生したら「何とかしたい」とアイデアを絞る。そして、自ら庭造りなど前線に立って動く稲村社長だからこその今があります。
空き家の所有者でどうすればいいか困っている方
地域の活性化をしたい方
空き家を活用したい方
手段だけではなく想いや行動力も含めて、是非成田エコハウスを訪れて見て頂きたいです。
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