空き家のリノベーションは、費用目安がわからず、不安になる方も多いのではないでしょうか?
確かに素人には、少しわかりづらいものです。費用の目安や注意点をまずは整理し、少しの工夫で大きく費用負担できる方法を知ることで、空き家の活用までをスムーズに行うことができます。
今回は空き家リノベーションの費用目安はもちろん、費用を抑える2つの方法をお伝えします。
注意点も抑えて、賢く空き家の活用を行いましょう。
空き家をリノベーションする際の注意点
空き家のリノベーションを行う前に、まずは前提となる注意点を把握しておきたいところです。その理由は、無駄な費用や 時間を費やさないため。また、空き家に想定以上の修繕ポイントがあったり、外部依頼の際に誤った方法で進めてしまうと 予算を上回るリノベーション費用が必要になる場合もあります。
まずは、空き家のリノベーションをする際に、把握しておきたい注意点を整理しておきましょう。
①空き家の状態に注意する
リノベーションを始めるにあたって、対象となる空き家の状態をしっかり把握することが大切です。扉や天井、建材の状態、隙間風の程度などをチェックし、リノベーションが必要なポイントをチェックしていきます。目に見える部分だけでなく、見えない部分も丁寧に確認していくことが需要です。
屋根裏や床下はもちろん、水道や電気などの状態についても丁寧に確認する方が良いでしょう。特に床下にシロアリ被害などがあれば、大規模な駆除や修繕費用が必要になる場合もあります。最大どの程度の修繕費用が必要になるかを把握する為にも、細かくチェックしておくことがお薦めです。
②耐震性にも気を配る
見えない部分のチェックで言えば、空き家の耐震性も確認する必要があります。大まかな目安としては、1981年より前に建築されている空き家は、旧耐震基準をベースに建てられている物件です。もちろん、現在の耐震基準に結果的に沿っている物件もありますが、念のため、空き家の管理者などに確認を取っておくと良いでしょう。
③安易にリフォーム会社に丸投げしない
リノベーションの知識や費用目安を知らないまま、専門業者へ依頼すると、費用に納得できない場合も多いものです。費用は地域や施工方法によって異なりますが、事前にリノベーション費用や施工期間の目安を調べておくと、安心して任せられ期間中も有意義な時間を過ごすことができます。
また、自分で調べるのが苦手な方や時間がない場合は、空き家の専門機関へ相談してみるのも良い方法です。その場合は、 空き家専門機関でも施工業者であっても、複数社に見積もりを依頼することがお薦め。相見積もりを行うことで、不要な リフォーム費用を減らし、納得感も感じられるより良い施工を受けることができるでしょう。
④事業活用を目指すならきちんとした「計画」が必要
空き家を事業活用するためのリノベーションであれば、事業計画の策定も大切な段取りです。立地、リノベーションによる付加価値、顧客ニーズなどから、目標利益を計画。リノベーション期間中は、収入も入らないため、工期の期間設定や費用回収の見込みなどを立てておく必要があります。
事業活用の場合も個人活用の場合も、リノベーションや修繕は完璧に行なわなくて良い場合もあります。安全性や信頼性に関わる箇所には費用を掛け、インテリアや空間づくりにおいては、費用を掛けず行なう方法を検討するのもお薦めです。どの部分に注力するかを決めるためにも、まずは、全体のリノベーション費用を把握すると、計画もスムーズに進めることができるでしょう。
一般的なリノベーションを行う場合の費用目安とは?
ではいよいよ、空き家リノベーション費用の目安を確認していきます。それぞれの施工内容や地域によっても価格は異なりますので、あくまでもおおまかな目安としてご覧ください。
🔨 部分的リノベーションの場合
部分的なリノベーションの場合は、施工箇所や使用する素材などによって幅はありますが、目安としては複数個所の施工でも500万円以内に収まるでしょう。具体的には、トイレや浴室などの水回りや、床や壁紙の張替えなどが、部分的なリノベーションの代表的なものです。売却するためのリフォームなら、安全性と清潔感を担保した最低限のリノベーションに抑えるのも方法のひとつといえます。
事業活用や個人活用の空き家であれば、水回りは特に優先的に修繕したいポイント。水回りは、設備が新しいものに代わるだけで、建物の価値や機能性が向上しやすい部分です。どのくらい費用を掛けられるのか、物件価値や利便性を加味して概算してみると良いでしょう。
🔨総合的なリノベーションをしたい場合
屋根や床下、部分修繕も含む総合的なリノベーションの場合は、250万~2,000万円程度が目安です。具体的には、マンションであれば一戸250万円~1,000万円程度、戸建ての場合500万円~2,000万円程度でしょう。
当然ですが、修繕箇所や空き家全体の状態によって、大きく価格は変動します。空き家の施工が得意な業者や、空き家の知識がある専門機関へ相談しながら、進めていくことがお薦めです。
リノベーション費用の品目別目安と注意点
次に空き家のリノベーション費用目安を、品目別に確認していきます。下記の一覧を見ても分かりますが、特にシロアリ対策や水回り、外壁のリノベーションは費用負担が比較的大きい傾向にあります。空き家物件の選定前であれば、リノベーション費用が大きくなることが予想される場合は、物件選定の見直しも検討する方が良いでしょう。
【工事内容別】リフォーム価格の目安
下記は、一般的なリフォーム業者へ依頼した場合の、リノベーション費用の項目別目安です。
- 風呂・ユニットバス交換 30~150万円
- トイレ 15~60万円
- 洗面所 10~70万円
- 台所 50~120万円
- 壁紙交換 1千円/㎡~
- 床材張り替え 1~10万円/畳
- 外壁 30~350万円
- 二重窓の設置 5~18万円/箇所
- 断熱リフォーム 4千円~4万円/㎡
- 屋根 50~350万円
- 雨漏り修理 1~45万円/箇所
- 耐震改修、補強工事 20~180万円
- シロアリ対策(駆除・予防) 1,500~3,500円/㎡
(※平米数や坪数毎の、一律料金設定の場合もあります) - シロアリによる劣化の補修、補強 20~350万円
費用に幅があるのは、修繕箇所や範囲、使用する部材や施工方法によっても大きく金額が異なるためです。業者へ依頼する場合も、リノベーションの方法や手段を工夫するだけで大きく費用が変わります。見積もりを依頼する前後に、予算を抑えたい旨や要望などを伝えておくと、理想のリノベーションを実現できる可能性が高くなるでしょう。
業者によるリノベーションの場合は、複数社で見積もりを
注意点としてもお伝えしましたが、業者へ依頼する場合は相見積もりが鉄則です。知識がない場合は、思わぬ費用を請求される場合もあり、最悪の場合リノベーションを進められず活用をあきらめなければならない場合もあります。そうならないよう、同じ内容の見積もりを2、3社に依頼し、比較検討して、交渉しながら進めることがお薦めです。